家電製品ミニレビュー

洗浄剤いらず! LEDの光で清潔さを保つ電動シェーバー

 今回は、日立コンシューマ・マーケティングの往復式シェーバー「エスブレードソニック RM-FL20WD」を紹介しよう。4枚刃のシェーバーで、日立の電動シェーバーの中では、3枚刃のロータリーシェーバー「ジーソード」に次ぐ位置づけの製品だ。

【お詫びと訂正 2月27日】
 記事初出時、「ジーソード」の刃の枚数を5枚と記載しておりました。正しくは3枚です。お詫びして訂正いたします。

メーカー名日立コンシューマ・マーケティング
製品名エスブレードソニック RM-FL20WD
購入場所Amazon.co.jp
購入価格14,758円
日立コンシューマ・マーケティング「エスブレードソニック RM-FL20WD」
パッケージの中身。左から、ACアダプター、本体とLED光乾燥器、シェーバーオイル、掃除用ブラシ、ポーチ

 RM-FL20WDの特徴は、なめらかな切れ味で早剃りを実現する「W音波振動カッティングシステム」を搭載していること。内刃が毎分、左右に10,000回、前後に20,000回往復することで、ヒゲをやさしく、かつスピーディーにカットするという。

外刃は4枚刃。網刃とトリマーが2つずつ付いている
内刃は2枚刃。左右に10,000回、前後に20,000回往復して、ヒゲをカットする
このボタンを押すと外刃ホルダーがはずれる

 もう1つの大きな特徴は、前モデルの「RM-LF439D」より引き続き採用するLED光乾燥器だ。パネルから発する紫色のLED光とファンの回転で、ヘッド部を除菌・防臭、乾燥し、外刃や内刃を清潔に保つ。電源ボタン1つで、運転を開始/終了できる。

発光レンズから紫色の光を照射してヘッド部を除菌・防臭する
ファンの運転音は公称で40dB(図書館の中)だが、物音がしなくなる深夜に使用すると結構気になる音がする
ACアダプターを差し込んでシェービングできる

 そのほか、波形の内刃が直角にあたり、ヒゲを深剃りする「光ウェーブキャッチ刃」や、センター刃が前後合わせて約20度スイングしてコームのように寝たヒゲを起こし、効率よく早剃りする「スイング式センタートリマー」などを引き続き採用している。

 なお、電源方式は充電・交流式。ACアダプターを差し込むことでシェービングできるのは、うっかり充電し忘れてもヒゲを剃ることができるので、とても助かる。

 電源はリチウムイオン電池で、充電時間は1時間。1回の充電で約14日使えるという。残量表示ランプの「EMP」のみが点灯・点滅したら充電する。使うたびに充電すると、電池の寿命が短くなるので気をつけて欲しい。

肌にやさしいウェットシェービング

 では、早速RM-FL20WDを使ってみよう。運転モードが1つなので、電源をON/OFFするだけで使える。定格時間は5分だ。

 RM-FL20WDは、シェービングフォームや洗顔フォームを使ったウエットシェービングもできる。ただし、クリーム状やゲル状のシェービング剤は、刃の目詰まりの原因になるから使用しないほうがいいようだ。

 今回は、最初の1回だけドライシェービングの感触を確かめた後、10日間ほど洗顔フォームをつけてウエットシェービングし続けてみた。

 ドライシェービングは、ワンストロークでヒゲを深剃りできる。使用後の剃り負けや肌のヒリつきも感じなかったが、泡で肌を保護するウェットシェービングのほうが、ドライシェービングよりも肌への刺激が少なく、より爽快感が高かった。ヘッドを軽く肌に当てて、滑らせるようにワンストロークするだけでキレイに剃れる。

 なお、ウエットシェービングや水洗いするとき、また浴室など湿気の多いところでは、ACアダプターを接続して使用するのは危険なので注意して欲しい。

内刃と外刃をまとめて水洗いできるウォーターウインドウに感激

 お手入れに関しては、内刃と外刃の汚れを同時に洗い流せる「ウォーターウインドウ」がかなり便利。内刃が、光触媒でコーティングされているため水になじみやすく、水洗いだけでもヒゲくずや皮脂などの汚れが落ちる。

ウォーターウインドウは、外刃カバーに備えている。つまみを下にスライドさせると開く

 お手入れの頻度は、ヒゲの濃さによって大きく変わると思うが、ヒゲが薄い筆者は2~3日に1回、ウォーターウインドウを使った水洗い、もしくはブラシ掃除をするだけで清潔さを保てた。取説では、水洗いをしたときはその都度、ブラシ掃除の場合は週に一度、シェーバーオイルを注すことを推奨している。

 これまで使ってきた電動シェーバーでは、外刃を水洗いした後、外刃ホルダーを外し、内刃やその周囲の残ったヒゲくずを水洗いやブラシで除去する必要があり、その分手間がかかっていた。

 水洗い後は、湿気の少ない場所か、LED光乾燥器でシェーバー本体をしっかり乾燥させる。LED光乾燥器では、外刃と内刃をヒーターによる熱で乾燥させ、LEDによる光で除菌・防臭する。

 LED光乾燥器で気になるのは、やはり稼動時間の長さだ。乾燥からLED光抗菌が終わるまでに、約16時間かかってしまうので、毎日のお手入れに取り入れるのは難しい。1カ月に1度くらいのペースでしっかりお手入れをするときに、LED光乾燥器を使用するといいだろう。また、乾燥時に作動するファンの音がやや大きい。ほかの物音がしなくなる深夜に使用するのは控えた方が良い。

ウォーターウインドーへ水を流すだけで、内刃と外刃の汚れが落ちる
水洗い後は、湿気の少ない場所、もしくはLED光乾燥器で乾燥させる

 だが、ほかの電動シェーバーの上位機種に付属している洗浄充電器のように、洗浄剤を使わないのが最大のメリットだ。今回はレビューのために、使用期間中に3度、LED光乾燥器を使ったが、使用後、外刃や内刃からイヤな匂いはしなかった。

 洗浄剤を使ったほうがより清潔に保てるのだろうが、洗浄剤が切れるたびに、購入するコストもかかるし、カートリッジを差し替えるのも面倒だ。1度洗浄剤が切れると、次第に使わなくなり、今では洗面台の棚にしまったままになっている。

やさしい剃り味とお手入れの手軽さが魅力の電動シェーバー

顔周りの手入れに便利なトリマー

 ヒゲの剃り味とお手入れに関しては文句なし。本体背面のトリマーで、顔周りのむだ毛を手入れできるのも良い。

 LED光乾燥器は、1カ月に1度くらいのペースで休日の昼間に使用するなど、工夫次第でデメリットを解消できる。洗浄剤を使わないというのも、LED光乾燥器を使い続ける動機になる。

 筆者のように肌の弱い人はもちろん、洗浄剤を交換するのが面倒で洗浄充電器を使わなくなった人にもオススメできる電動シェーバーだ。

中野 信二