家電製品ミニレビュー

氷も粉砕! 付属のミルでコーヒー豆も挽けるパワフルミキサー

ティファール「クリック&テイスト BL1431JP」

 凍らせた果物や野菜などを使ったシャーベット状の「スムージー」は美味しく、豊富なビタミンやミネラルが手軽に摂れるとあって人気が続いている。それに伴い、家庭でも簡単にスムージーが楽しめる「ミキサー」が改めて活気づいている印象だ。そんな中から、今回はティファールのミキサー「クリック&テイスト」を紹介しよう。

メーカー名ティファール
製品名クリック&テイスト BL1431JP
購入場所Amazon.co.jp
購入価格7,220円

 クリック&テイストは、ミキサーとしてコンパクトながらも、凍らせた果物や野菜はもちろん、氷も粉砕できるほどパワフル。操作はボタンをプッシュするだけと簡単。しかも、コーヒー豆やスパイスが挽ける「コーヒーミル」に、粉茶が作れる「ティーミル」の本格的なアタッチメントもセットになっている。

 カラーはルビーレッドとホワイトの2色。今回はホワイトを選んだ。

置き場所は10cm四方あればOK

 クリック&テイストはモーターユニットに、ミキサー、コーヒーミル、ティーミルの3つのアタッチメントで構成されている。2つのミル専用のキャップも付属する。

 ミキサー使用時の大きさは、95×95×325mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は1,805g。コーヒーミル使用時は95×95×220mm(同)で、重量は980g。ティーミル使用時は95×95×200mm(同)で、重量は955g。重さはあるがいずれもコンパクトで、10cm四方のスペースがあれば十分置ける。

 モーターユニットの底はすべり止めがあり、安定して置ける。コードの長さは1.1mで、コードを作業台に固定できる吸盤が付いている。消費電力は200Wだ。

構成は、左奥からモーターユニットに、ミキサー、コーヒーミル、ティーミルの3つのアタッチメント。手前のフタはミル専用だ
アタッチメントを変えた様子。いずれも場所をとらずコンパクトに収まっている
モーターユニットの裏の滑り止めがあり安定して置ける。コードに吸盤がついているので、一時的にコードが作業台に固定できる

 使い方はとてもシンプルだ。材料をアタッチメント(ミキサー、ミル)に適量入れ、モーターユニットに差し込むだけ。電源プラグをコンセントに接続し、モーターユニットの「1(低速)」または「2(高速)」を押している間、調理ができる。ボタンから指を離せば止まる。

 アタッチメントの手入れも簡単だ。ロックレバーを押せば容器の取り付け/取り外しがラクにできるので、清潔に保ちやすい。

刃の回転数は、低速と高速の2つから選べる。「1」は19,000回転/分の低速モード、「2」は24,000回転/分の高速モードだ。ボタンを押している間だけ作動する
モーターユニットへのアタッチメントの取り付け、取り外しは簡単。ミキサー部に取っ手はないが、約1kgなので扱いやすい

 もちろん、安全性もしっかり配慮されている。モーターユニット単体、またはカッター台だけでは作動しない。「容器」がカッター台にしっかり取り付けられたアタッチメントのみ、モーターユニットの安全装置が解除される仕組みだからだ。容器を外すカッター台の「ロックレバー」は、使用中はモーターユニットに埋まってしまうので、不慮に容器が外れる心配もないので安心だ。

カッター台は「ロックレバー」を押せば、ワンタッチで容器の着脱が簡単・確実にできる
容器がキチンとカッター台に装着されない限り、モーターは作動しない。刃が回転するだけに安全対策はしっかりとられている

 アタッチメントのミキサーはガラス製で重量感があり、容量の目盛もはっきりと見やすい。コーヒーミルとティーミルにフタをすれば密閉できるので、余ってもそのまま保存できる。ミキサーのフタのキャップには1cl(センチリットル)と、見慣れない目盛があるが、これは10ml(小さじ2)を意味するそうだ。

アタッチメントそれぞれの刃の様子。左からミキサー、コーヒーミル、ティーミル
ミキサーの容量目盛は見やすい(上)。ミル容器はフタを使ってそれぞれ密閉保存できる。ミキサーのフタで計量も可

あっという間に調理ができるパワフルなミキサー

 クリック&テイストには、3つのアタッチメントを使った15種類のレシピが付属する。レシピを参考にしながら、ミキサーで冷たい飲み物を作ってみた。

付属のレシピ。好みに合わせて応用しやすいレシピが15種類掲載されている

・フローズンバージンモヒート(ノンアルコール)
 最初にトライしたのは、「フローズンバージンモヒート」だ。クリック&テイストのミキサーユニットは、コンパクトでもガラス製の容器に、耐久性に優れたチタンコーティングの刃を装備している本格的なもの。氷もあっという間に粉砕できる。底に溜まった細かな氷も、カッター台が簡単に外れるので、取り出しやすい。

 粉砕した氷は、ざっくりとした印象だが、キンと冷えた爽快感が持ち味のドリンクに大いに活用できる。甘みのないクラブソーダでノンアルコールモヒートを作ったが、氷を入れた水よりも見た目も味も爽やかで、食事にもピッタリ。いつもの食事がより楽しいものになった。

 取り扱い説明書に、固形のものは600mlの目盛が最大量の目安とあったが、氷の場合は300ml以下の方が空回りも少なく効率良くできた。

クラッシュ氷を作る様子。空回りした時は手持ちのゴムベラなどで一度かき回すと良い
300mlの氷もあっという間に粉砕できた
ノンアルコールモヒート。クラッシュアイスがあると、食欲をそそるさっぱりとした飲み物が簡単に作れる

・お店にも引けをとらない、イチゴとバナナのスムージー
 流行りのスムージーも簡単に作れる。ミキサーに200mlの牛乳、凍らせておいたイチゴとバナナを50gずつ投入し、練乳を大さじ1杯ほど加える。ミキサーのフタをして、「2(強)」のボタンを20秒程押すだけで、お店にも負けない美味しいスムージー400mlが完成した。

 とにかく美味しい! 口当たりはトロリと柔らかで、イチゴとバナナの香りが鼻をくすぐる。ヒンヤリとしたスムージーは、それだけで立派なデザートにもなる。暖かい季節には、ヤミツキになりそうだ。

合計100gの冷凍したバナナとイチゴ(左上)。200mlの牛乳に投下した様子(左下)。30秒もかからずに、400ml以上のスムージーが完成
舌触りも滑らかな、マジウマのスムージー。この美味しさはハマる!

・果実だけのスムージーで、300gの果物をゴクリ
 果実だけでもスムージーができる。水分の多いオレンジやパイナップルなどを使えば、水や牛乳を足さなくてもOK。材料は、デコポン半個、パイナップル3切れ、りんご1/4個に、冷凍バナナ半分と、イチゴ4個の合計300gだ。

 作ってみてわかったのは、水分の多いものから順にミキサーに投入し、凍ったバナナは最後に投入したほうが空回りもなく上手くいく。果肉の食感の残る、フレッシュな口当たりのスムージーは飲みごたえもあり、短時間で果物が摂取できる。朝食のひと品としても取り入れたい。

 飲むヨーグルトのアレンジにも活用できる。市販のヨーグルトドリンクに、季節の果物を入れて10~30秒程調理するだけで、目先の変わったヨーグルトドリンクが簡単に作れる。お馴染みのブルーベリーやイチゴはもちろん、ライム、オレンジ、桃、ぶどうなど、市販品にはないヨーグルトドリンクのバリエーションが楽しめる。

合計300gの果物(左上)。果汁の多いものから投入する事を学んだ。果汁だけで作ったスムージーは忙しい朝のメニューにピッタリ
普段飲みなれている「飲むヨーグルト」に季節の果物を入れて撹拌すれば、バリエーションが簡単に楽しめる

・自家製マヨネーズも簡単!
 マヨネーズにも挑戦した。自家製マヨネーズを作るのは生まれてはじめてだったが、こちらは5分程の調理で簡単にできてしまった。

 市販品と違い、舌触りがサラリとしたマヨネーズはとても美味しい。味も自分の好みに加減できる上、ボタンを押すだけでできるので、手も全く疲れない。何と言っても添加物が入らない安心感が嬉しい。ただし、日持ちはしないので、出来る限り早く食べ切ったほうがいいだろう。

レシピ通りにマヨネーズ作りに挑戦。卵、酢、塩、砂糖を入れて撹拌し(左)、サラダ油を4~5回に分けて入れ、その都度30秒程撹拌させる
自家製マヨネーズもあっという間に完成(左)。サラリとした舌触りのマヨネーズはとても美味しい。添加物はもちろんゼロ!

実力十分な2つのミル

 2つのミルアタッチメントもおおいに活用できる。

・挽きたての豆で淹れるコーヒーは一味違う
 コーヒー豆を挽くのも、素早く思い通りにできた。コーヒーミルユニットでは、最大50g(コーヒーカップ約5杯分)の豆が一度に挽ける。容器に豆を入れてカッター台を取り付け、モーターユニットにセットして「2」ボタンを押す。20秒もかからずに一気に挽けた。専用のミキサータイプの電動ミルと変わらない仕上がりだった。

 挽いている最中からコーヒーが薫る。淹れている時も市販の挽き豆よりもコーヒーの薫りが立ち、部屋中に漂う。挽きたてのコーヒーはお湯を注いだ時の粉の膨らみ方も違い、味も香りも格別だ。

 余ったコーヒー豆は、付属のフタを使えば密閉できるので、容器ごと保存しやすい。カッター台もまるごと洗えるのは、専用の電動ミルには真似のできない大きな利点だろう。洗えるので、スパイスやナッツを砕くのにも、自家製ふりかけなどにも応用しやすい。

50gのコーヒー豆をミル容器に入れた(左上)。カッター台を装着し、モーターユニットにセット(左下)。20秒もかからずに豆が挽けた
挽いた豆でコーヒーを淹れている様子。薫りが一層引き立ち、豆もよく膨らむ(左)。豆を挽いた直後に淹れたコーヒーは本当に美味しい
余っても、容器ごと密閉して保管できるのが便利(左)。カッター台が丸洗いできるので、酸化しやすいコーヒーの微粉もきれいサッパリ、隅々まで洗い流せる

 もう一つのアタッチメントのティーミルは茶葉専用。こちらは大さじ一杯弱(約5g)の茶葉を簡単に粉状にできる。こちらの使い方もコーヒーミルと同じ。カッター台を外して容器にフタをすれば、密閉して保存もできる。

 レシピを参考に、2つのアレンジティーにも挑戦した。

・濃厚なお茶の香りが際立つ緑茶ラテ
 普段から飲んでいる緑茶を粉にして、緑茶ラテにも挑戦した。緑茶は20秒もかからずに見事な粉状になった。挽くことで、普段飲むよりも濃厚なお茶の香りが際立ち、市販品の抹茶ラテにも負けない美味しさが楽しめた。自分で作るので、甘みも自在に調整できる。

1度に粉砕できる茶葉の量は約5g。あっという間に粉茶が完成した(左下)。自分で作る緑茶ラテは、市販の抹茶ラテに負けないほどお茶の香りが立ち美味しい!

・生姜を効かせたスパイシーなチャイ
 生姜が効いたスパイシーなチャイティーも思いの外簡単にできた。チャイは自分にとって市販品やレストランで楽しむものだったが、自分で作ったものは一層美味しく感じる。

 葉の種類を変えるのはもちろん、牛乳の量や、生姜の量も自在に加減できるので、自分好みのチャイが作れるのは楽しい。天日干しの乾燥生姜を作っておく手間はあるが、紅茶ごと一気に挽けるので、家庭でも思い立った時にチャイが楽しめる。カレーを食べた後の定番になりそうなのはもちろん、風邪気味の時にも是非いただきたい飲み物だ。

乾燥生姜と紅茶の葉を一度に粉にできた(左)。生姜の効いたスパイシーなチャイが簡単に楽しめる。クセになる味わいだ

飽きの来ないミキサー&ミル

コンパクトなので他の調理家電と並べやすい(左)。棚高23cmの食器棚にもすんなり収まった

 実は、ミキサーを持つのは自分にとって2度目。最初のものは買った当初はいろいろ試したが、徐々に使わなくなって結局手放してしまった苦い経験がある。原因は大きくて場所を取り、洗うのもしまうのも大変だったからだ。ところが、クリック&テイストはとてもコンパクトなので、出しっぱなしにしても邪魔にならないのが良い。

 何と言っても、ミルとしても活用できるので、使う頻度は高いままをキープ。コーヒーメーカーやオーブントースターと同様に、クリック&テイストは「毎日使う調理家電」の1つに加わった。もちろん、一般的な食器棚にも収まるほどコンパクトに収納できる。洗うのも他の食器と一緒に洗いやすい。

 価格も手頃、デザインもスッキリで扱いやすい。流行りのスムージーはもちろん、冷たい飲み物から温かい飲み物まで毎日大いに活用できる、おすすめのミキサーだ。

藤原 大蔵