家電製品ミニレビュー
茶葉を「挽く・沸かす・点てる」がコレ1台! 「ヘルシオお茶プレッソ」
by 小林 樹(2014/4/28 07:00)
朝起きて飲むのはお茶だろうか。コーヒーだろうか。我が家ではコーヒーが定番だが、手軽にお茶も飲みたいと思っていた。そこで試したのが、シャープの新製品「ヘルシオお茶プレッソ」だ。
ヘルシオお茶プレッソは、茶葉を「挽く」から「沸かす」「点てる」までをこれ1台で手軽にできてしまうというお茶メーカー。自宅でお茶を楽しむきっかけになるかもしれないと思い、使ってみた。
メーカー | シャープ |
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製品名 | ヘルシオお茶プレッソ |
希望小売価格 | シャープ |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 25,000円 |
ヘルシオお茶プレッソは、「お茶うす」と呼ばれる茶葉を細かく粉砕するミルと、水に茶葉を混ぜるお茶容器、本体背部に搭載する水タンクで構成される。お茶を点てるしくみは、茶葉をお茶うすで粉末に挽き、タンクに注いだ水を沸かし、最後にお茶容器でお湯と粉末茶を混ぜるという段取りだ。
本体サイズは220×207×277mm(幅×奥行き×高さ)で、コーヒーメーカー程度の大きさだ。本体重量は約2.6kg。本体には掃除用ブラシと茶葉を計るスプーン、レシピ集が付属する。カラーはブラック系とホワイト系があり、今回使ったのはホワイト系だ。
ヘルシオお茶プレッソで作れる飲み物は、温かいお茶、冷茶、お茶ラテの3つが基本だ。急須で淹れるお茶と違い、茶葉を細かく挽いて、そのまま水に溶かして飲む点がポイントとなる。これにより茶葉を無駄にせず、食物繊維やカテキンといった茶葉の栄養分をまるごと摂れるというわけだ。
なお、使える茶葉は今回使った緑茶のほかに、紅茶や中国茶などにも対応する。ほかに、香辛料やアルコールを使えば「チャイティーラテ」などのアレンジドリンクも作れる。
温かいお茶は文句なしに美味い!
・温かいお茶
まずは温かいお茶を点ててみよう。最初に、お茶うすで茶葉を細かく挽く。茶葉をお茶うす上部から投入し、本体天面の操作ボタンでカップ数に合わせて「挽く」を選択。運転時間は、カップ2杯分で約4分ほどで、時間をかけてじっくり挽く。「ガーッ」とミルの音がして、音はそれなりにうるさい。
挽き方は、ドリンク向けの「細」と、料理用の「粗」の2段階にダイヤルを回して調節する。ここでは「細」を選択。挽いた茶葉は少しの風で舞ってしまうほど細かく、サラサラの粉末になっていた。
茶葉を挽いたら、水タンクに水を注ぎ、お茶容器のカバーを開けて粉末茶を投入する。緑茶2杯なら、付属のお茶スプーン(小)で山盛り2杯を入れればOKだ。一度に作れるお茶は最大3杯までとなっている。
あとは、操作ボタンで、「茶」ボタンを押し、スタートボタンを押すだけ。お湯を沸かし、お茶容器の中で粉末茶とお湯が混ざる。本体からはコーヒーメーカーが運転している時に似た音がする。2、3分待つと、「ピーピー」とアラーム音が鳴り、運転を停止する。
最後に、お茶容器の下に湯呑を置いて、給茶レバーを下げる。湯呑に注いだお茶からは、湯気と香ばしい香りが立ち昇った。色は均一な緑色で、フレッシュなお茶の香りが広がる。
肝心の味はどうか。飲んでみると、美味しい。急須で淹れたお茶よりも、味が濃くて、キリリと引き締まったような感じがする。茶葉が挽きたてなので、味と香りがフレッシュだ。お茶にうるさい祖母や母も同意したほどだ。
・冷茶
次に作ったのは冷茶。こちらは、本体背面のタンクではなく、お茶容器に直接水を注いで作る。作り方は簡単で、挽いた粉末茶と水をお茶容器に入れ、本体の「茶」ボタンを押して「ラテ(※冷茶もラテを選ぶ)」を選択。あとはスタートボタンを押すだけだ。容器内で粉末茶が撹拌されて水と混ざる。約1分半でアラーム音が鳴り、給湯レバーを下げてカップに注げば、冷茶のできあがりだ。
味は温茶と同じで、こちらも美味しい。粉末茶が均一に混ざり、お茶の味と香りをまるごと口にできる。氷を入れて更に冷やせば、これからの暑い季節にもピッタリ。食事にも合う。
・お茶ラテ
さて、同じ作り方で、粉末茶を使ったラテも楽しめる。作り方は冷茶と同様に、挽いた粉末茶と牛乳をお茶容器に入れる。「茶」ボタンを押してラテを選択し、スタートボタンを押すだけだ。約1分半で運転が止まり、カップに注げばできあがり。なお、温かいラテも冷たいラテも作れるが、温かいラテを作る場合は、あらかじめ牛乳を温めておく。
できあがった緑茶のラテは、表面にふんわりと薄い泡が立ち、白に近い蓬色だった。そのままでは甘くないため、少し砂糖を加えるのがオススメ。粉末茶がムラなく混ざっていて、舌触りは滑らか。コーヒー店などで提供される抹茶ラテに比べて、スッキリとした味わいだ。こちらも家族に好評で、「作ってちょうだい」とせがまれるほどだった。
お茶ミルとして、料理の幅が広がる
以上がヘルシオお茶プレッソのお茶を点てる基本機能だが、ミル機能を活用して、挽いた茶葉をお菓子作りや料理に活用できる点も特徴だ。本体にはレシピブックが付属し、ウェブの製品ページでもレシピが公開されている。
今回はその中からいくつか作ってみた。特に「お茶シロップ」のかき氷がけや、「甘納豆入りのお茶ケーキ」など、和風のお菓子作りに大活躍した。緑茶の香りは煮詰めても焼いても香ばしい。
いつもの茶葉も美味しく飲める
ヘルシオお茶プレッソを使う前は、急須で入れるほうが楽チンではないか? 実売約25,000円って高くないか? と色々不安だったのだが、とにかくお茶が美味しかったので、満足できた。急須でお茶を淹れる際は、むらし時間によって味に差が出るが、お茶プレッソなら味は一定だ。
お茶容器や水タンクの手入れは簡単。水洗いして乾かせば良い。気になるのはお茶うすの手入れだ。いくつかのパーツに分かれていて、特に茶葉を挽くための石臼は、細かい溝に粉末茶が詰まりやすい。また、一度濡れてしまうと、乾くまで時間がかかる。しっかりと乾かさないと、次に使う時に粉末が詰まる恐れがあるから、気を抜けない。日常的にはブラシでドライに手入れをして、汚れがひどい時は水洗いをし、8時間以上しっかり乾かそう。
とはいえ、毎回石臼を水洗いする必要はないため、全体としての手入れは思ったほど大変ではない。
もう1つ気になったのは、お茶は一度に3杯までしか作れない点。来客が多い時には、全員分を提供するまでに時間差が生まれる。これは小さな急須でも同じようなことが起こるので、仕方ないと思っている。
お茶プレッソを使ってわかったのは、いつもと同じ茶葉でも、粉末にするというひと手間を加えるだけで、簡単に美味しく飲めるということ。毎日水のようにお茶を飲んでいる祖母も、お茶プレッソ製のお茶の美味しさに太鼓判を押している。
細かく挽き、最適な温度に沸かし、しっかりと点てる。自分でやると難しいが、お茶プレッソならボタンを押すだけで簡単だ。自宅でお茶を美味しく、ヘルシーに味わってみたい方は、試してみてはいかがだろうか。