家電製品ミニレビュー
ブラック&デッカー「HOME DRIVER CSD300TP」
ブラック&デッカー「HOME DRIVER CSD300TP」 |
今回紹介するのはブラック&デッカーのピンクの電動ドライバー「HOME DRIVER(ホームドライバー) CSD300TP」だ。電動ドライバーというと、20代のOLからは程遠いイメージがあるが、「IKEA」や「ニトリ」など比較的安価で買える組み立て家具が人気を集めていることから、女性が購入するのも珍しくはないという。
私自身、今回HOME DRIVERを使ってみようと思ったのもIKEAの家具を組み立てたかったから。以前、手動ドライバーで本棚を組み立てた時に、手首を痛めたという苦い経験から、「電動ドライバーがないと組み立て家具は無理」という結論に至ったのだ。
数ある電動ドライバーの中からHOME DRIVERを選んだのは、何といってもピンクというその色! コンパクトな本体サイズもあって、これなら自宅にあっても良いかなと思えたのだ。
メーカー | ブラック&デッカー |
製品名 | HOME DRIVER CSD300TP |
希望小売価格 | 6,000円 |
購入場所 | ヨドバシ.com |
購入価格 | 3,980円 |
HOME DRIVERは、充電式のコードレスタイプの製品で、サイズは48×153×122(幅×奥行き×高さ)と、コンパクト。重量も350gで、女性の手にもすっと馴染む大きさだ。本体の先端部分に付け替えて使用するビットは、10種類が付属する。プラスやマイナス、組み立て家具に使用する六角ビットや、ネジの下穴開け用のドリルなどが用意されている。
ボルト数は3.6V、ネジ締め能力を表すトルクは4N.m。家庭用の製品でも本格的なものは、20以上、プロ用の製品ともなるとトルクは100N.mを超えるものもあるので、それに比べると、HOME DRIVERはかなり初心者向けの製品であるということが分かる。
製品パッケージ | 製品本体 | 10種類のビットが付属する |
電動ドライバーを使うのは、今回が全くの初めてだったので、最初は本体に触るのにも緊張していたが、使い方は思ったよりもずっと単純だった。ネジの穴に合わせて、ビットを選んだら、本体先端部にしっかりと差し込む。後はグリップ部分のスイッチを握るだけだ。基本的な動作はこれだけ。運転モードには、正回転/逆回転機能が用意されるほか、スイッチを押せないようにするロック機能も備える。
まず、ネジに合うビットを選ぶ | 本体先端に差し込む | ビットを差し込めば準備は完了だ |
使い方自体は単純だが、機能はやっぱり本格的。手動だったら1分以上かかるネジ締めを、ものの10秒であっという間に終わらせてしまう。
使い始める前に、充電するのも忘れないようにしよう。HOME DRIVERのバッテリーはニッケル水素電池で、充電時間は約6時間。時間がないときは、1時間程度の充電でも一応動かすことができる。作業量は6時間で約300本ネジ締め、1時間で約50本まで対応する。
今回は、HOME DRIVERを入手した本来の目的でもある「IKEA」の家具を組み立てながら、HOME DRIVERの実力を見ていこう。
購入したのはIKEAのキッチン用作業台で、価格は9,000円前後。かなり大きめで、しっかりした木製のものだ。1万円以下で購入できるというのは、IKEAならではだろう。今回は、組み立てに関わる全ての作業を1人で行なった。
IKEAの家具を組み立てるのは今回が初めてだったが、なんと説明書には絵しか描いてない。ネジの位置や部材の向きなどは念入りに確認したほうがいい。
部品の確認していくと、ネジの多さに驚いた。5種類のネジが30本近くある。これを、手動ドライバーで留めるかと思うと、いきなり挫折しそうになるが、今回はHOME DRIVERという味方がいる。
IKEAのキッチン用棚を組み立てる | 付属の説明書はイラストのみ | 5種類ものネジが付属する |
まずはダボ(木の出っ張った部分)で部材同士を固定していく。IKEAの家具はダボを使ってはめこむ工程が非常に多く、最初はほとんど、HOME DRIVERを使うことはなかった。イメージ的にいうと、木ネジでだいたいの形を作って、金属のネジで後から固定していくといった感じだ。
部材同士を固定するのにはダボを使う(初出時に誤った名称を使っていました。お詫びして訂正いたします。ご指摘をいただいた方々に感謝いたします) | 大まかな形までは木ネジで形造っていく |
棚の形ができてきたら、いよいよネジ締めのスタートだ。ネジに合うビットを選んで、先端にセット、穴の位置を確認しながら作業を進めていく。何しろ、1人で電動ドライバーを使うのは今回が初めてだったので、最初はかなり戸惑ったが、作業を進めていくうちにどんどん慣れてきて、ネジ締めするのが楽しいとさえ感じるようになってきた。
ポイントは、ネジ締めする進行方向に力を加えること。しっかりと力を入れないと、ビットが空回りして、ネジが切れてしまう。
ネジに合わせてビットを選ぶ | 進行方向に押しつけるようにして使うのがポイントだ | HOME DRIVERを使ってネジ締めしたところ。手だと最後までしっかりと締めるのに力が必要だが、HOME DRIVERならしっかりと最後まで締められる |
前述したようにHOME DRIVERは、かなり初心者向けの製品ではあるが、組み立て家具のネジ締め程度であれば性能は充分。逆に、回転数が早すぎなくて、振動も少ないので、これくらいがちょうど良いと感じたほどだ。
マンション住まいの我が家にとって、心配だったのは作業中の音。木に穴を開けるのだから、やはりそれなりの音はする。今回は、平日の昼間に作業を行なう、音が漏れないよう作業は窓を閉めて行なう、音が階下に伝わりにくいように、厚手の毛布のようなものの上で作業するといった対策をした。苦情が来るようなことはなかったが、やはり作業の時間帯や環境には、相応の配慮をした方がいいだろう。
結局この日は、20本以上のネジ締めをHOME DRIVERを使って行なった。組み立てから完成までにかかった時間は実に4時間半! 撮影しながらとはいえ、結構な作業量だ。これでもし、HOME DRIVERがなかったら、作業時間はもっと長引いていただろう。
作業自体は大変だったものの、組み立てが終わった時の達成感は格別。買ってきた家具にはない、思い入れが生まれる。図工の組み立てをしている時のような楽しさもあり、自然に「またやりたいな」という気持ちになった。
20本以上のネジ締めを行なった | 完成したキッチン棚 |
本体サイズがコンパクトなので、狭い場所も作業しやすい |
使っていて、便利だったのは、HOME DRIVERのコンパクトさ。片手でしっかりとグリップできるので、安定しやすく、振動も伝わりにくい。また、部材の奥の方などスペースが限られた場所でも、確実に作業を行なうことができた。
電動工具と聞くと、それだけで「プロが使うもの」「危ないもの」というイメージがあって、これまで近づきもしなかったが、女性でも充分に使いこなすことができた。危険を伴う作業であることも事実なので、充分な注意は必要だが「怖い」と言って、使わないのはもったいない。
HOME DRIVERは、充電式でコンパクト、雑貨のようなポップな本体カラーなど、初めての電動工具としてはピッタリな一台。組み立てがネックとなって、IKEAの家具を躊躇していた人には、ぜひ一度試してもらいたい。
【お詫びと訂正】初出時に、ダボについての記述で誤った部分がございました。お詫びして訂正させていただきます。
2011年9月8日 00:00