家電製品ミニレビュー
パナソニック「電気掃除機 MC-PR1」
パナソニック「電気掃除機 MC-PR1」 |
高機能な掃除機も沢山あるけれど、80代の祖母まで3世代に渡って掃除機を使う我が家では、なによりも軽くて、取り回しの良い掃除機が欲しい。そう思って選んだのが、パナソニックの紙パック式掃除機「電気掃除機 MC-PR1」だ。
メーカー | パナソニック |
製品名 | 電気掃除機 MC-PR1 |
希望小売価格 | オープン |
購入場所 | Amazon.co.jp |
購入価格 | 22,800円 |
パナソニックの紙パック式掃除機は、吸込仕事率の高い「強力パワータイプ」、本体重量の軽い「軽量タイプ」、エコ機能を省略した「コンパクトタイプ」の3種類がラインナップしている。MC-PR1は、そのうちの軽量タイプ。といっても、今のところ軽量タイプに属するのはMC-PR1のみとなっている。
■同社の掃除機の中でもっとも軽い
使用する前に、本体の各パーツを詳しく見ていこう。MC-PR1の本体重量は2.8kgで、同社の掃除機の中でもっとも軽い。ホースなどを含めた重さは4.4kgだ。80代の祖母でも、持ち上げて廊下を移動できる重さだった。
なお、他の紙パック掃除機の本体重量は、小型タイプで3.4kg、強力パワータイプで4~4.2kgとなっている。同社のサイクロン式掃除機の本体重量は、3.7~5.1kgとなっているので、紙パック式とサイクロン式の両方の掃除機を合わせても、このMC-PR1が最も軽いタイプというわけだ。
MC-PR1の本体は丸みを帯びたデザインで、車輪が大きめ。本体サイズは257×287×220mm(幅×奥行き×高さ)で、本体カラーはパール感のあるピンクだ。
本体は丸みを帯びたデザイン。取っ手は固定されていて、動かないようになっている | 本体底面 |
ホースの差込口 | 排気部 | 本体の幅は、大人用のスリッパと同じくらいコンパクトだ |
MC-PR1の吸込仕事率は最大で300W。消費電力は最大で900W。運転音は60~65dBとなっている。
ふたを開けたところ | 紙パックの奥に、白い格子状の「フィルター枠」があり、その奥に「抗菌防臭加工フィルター」が収まっている | コードの長さは5m |
床掃除向けの「床用ノズル」は、そのままでも使える。外側の「親ノズル」を外せば、棚の上や部屋の隅などに適した「子ノズル」のみでも使える。
床用ノズル | 床用ノズルのうち、「親ノズル」部分の裏側 | 親ノズルには回転ブラシが付いている |
床用ノズルのうち、「親ノズル」を外すと「子ノズル」が現れる | 部屋の隅など、細かいところを掃除するには、子ノズルがピッタリ | 親ノズルの付け根にあるペダルを踏むと、カパッと外れる |
運転モードの選択は、ハンドル表面にある操作パネルで行なう。運転モードは、ゴミの量に合わせて自動で強さを調節する「自動」のほか、カーテンの掃除や静かにしたい時に適した「弱」、強い吸引力で掃除したい時に適した「強」がある。
操作パネルにはボタンのほかに、緑色の「ゴミ発見」ランプがある。このランプは、ゴミやホコリの多い時に点灯し、強運転を行なう。
掃除機能ではほかに、マイナスイオンを発生することで、フローリング表面に付着した微細なホコリを取り除く「ふき掃除」機能も備えている。
電源の入力や、運転の切替をする操作部。緑色の「ゴミ発見センサー」もある | 持ち手は握りやすい形をしている |
運転中は、床用ノズルのブラシがずっと回転しており、「カラカラカラ」という独特の回転音が掃除機の運転音に混じる。モーターで回転する、いわゆるパワーブラシだ。「強」運転時にブラシの回転音がうるさい時は、ブラシの運転を「切」にすると、音を抑えられる。
■本体の軽さはもちろん、取り回しの良さが特徴
機能を一通り見たところで、実際に使ってみよう。使い心地を一言で表せば、「疲れにくい」だ。
MC-PR1で掃除してみると、本体の軽さはもちろん、取り回しの良さがわかる。ハンドル部を軽く引けば、本体がコロコロ転がる。無駄な力はいらないので、疲れにくい。
MC-PR1だと、部屋と部屋の間のちょっとした段差も、軽い力で引っ張れば、ついてくる。本体を抱えて、階段の登り降りもできる。
80代の祖母でも、廊下を持ち運べた | 階段も、以前使っていたキャニスター型の掃除機より、持ち運びしやすかった |
部屋の入り口のちょっとした段差も楽々越えていく | コンパクトな本体の割に大きな車輪が、取り回しのしやすさを支えている |
狭いスペースでも、方向転換がしやすい。ノズルは上下左右に柔軟に動くため、机の下や、ソファとテーブルの隙間などにも先端を入れて掃除することができた。
ノズルは軽い力で上下左右に動く |
ヘッドが自在に動くので、ローテーブルの下も奥まで掃除できる | ソファーとテーブルの間のような狭いスペースでも、取り回ししやすかった |
パイプは使いやすい長さに調節できる | 「長さ調節ボタン」を押している間は、パイプが伸び縮みする |
掃除の合間にひと休みする際でも、廊下の端に寄せておけば、そこまで廊下を塞がないので助かっている |
本体自体のコンパクトさも魅力だ。誰かしら毎日掃除機を使う我が家では、廊下の隅にいつも掃除機が置いてあると、すぐに使える。掃除の合間にひと休みする際でも、廊下の端に寄せておけば、たいして廊下を塞がないので、助かっている。
■掃除のやりがいを感じる、ゴミ発見センサー
掃除の効果がわかりにくい畳でも、「ゴミ発見センサー」がきれいになったことを知らせてくれるので、無駄な運転を省ける |
特に役立った機能は、「ゴミ発見センサー」だ。
ゴミ発見センサーは微細なハウスダストを検知する赤外線センサーで、吸い込むゴミを見つけるとランプが点灯する。さらに、ゴミが多いときにはランプが点滅。自動的に強運転を開始する。ゴミを吸い取ってきれいになると、ランプは消灯し、運転も抑えるので、無駄な電力の消費を防げる効果がある。ランプは、手元の操作パネルと、ノズルの付け根の2カ所に付いている。
クッションを掃除した時の様子。ゴミが多いところではセンサーが点滅し、自動的に「強」運転を開始する。運転音も大きくなるのがわかる |
ゴミ発見センサーは、特に畳やクッションに掃除機をかける際に役立った。畳やクッションは、フローリングに比べてホコリやゴミが目でわかりにくい。掃除しても、イマイチきれいになった実感がなく、心配性な自分は無駄に念入りにかけていた。以前テレビで、「畳に掃除機をかける時、ダニが身の危険を察知して、畳の奥に潜る」というような内容の番組が放送されていたのを見て、なおさらやみくもに掃除機をかけていた。
だがゴミ発見センサーがあれば、客観的な目線で「キレイになった」という指針が得られる。ちょっとした安心感や達成感も味わえるし、時間と電気代の節約にもなる。無駄に力を入れすぎないからか、掃除機を使っていても疲れを感じることが減ったように感じる。
■階段の掃除には不向き。吸込仕事率は、好みの分かれ目
基本的には満足しているが、本製品が万能と言うわけではない。他のキャニスター型掃除機と同様に、階段の掃除はやりにくい。本体を持ち上げるのは苦ではない重さだが、コードがどうしても邪魔になる。
これまで、コンパクトで取り回しのしやすい掃除機を求めて、同社の「スティックタイプ掃除機 MC-U53J」や、ダイソンのサイクロン式ハンディクリーナー「Dyson Digital slim DC35 multi floor」を使ってきた。MC-U53Jのほうは、本体重量が4.4kgで、いちいち本体を持ちあげるのも面倒だった。ダイソンのDC35は、重量は2.2kgと軽く、電源コードもいらなかった。階段を掃除する程度なら、ハンディタイプでもバッテリーの持ち時間は気にならない。
当たり前の話かもしれないが、いくら軽いとはいえ、コードがある分、階段掃除にはハンディクリーナーのほうが適している。
階段の掃除では、コードが邪魔になるのが難点だ | パナソニック「スティックタイプ掃除機 MC-U53J」 | ダイソン「Dyson Digital slim DC35 multi floor」 |
もう一点気になるのが、吸込仕事率。同じパナソニックの紙パック式掃除機は、一覧表によると軒並み吸込仕事率が500W台後半~600W台であるのに対し、300Wというのは低い。
しかし、毎日ちょこちょこ掃除している我が家では、そこまで大量のほこりや汚れが普段溜まらないので、特に吸込仕事率について物足りなさは感じなかった。ヘビーな用途では強力な製品が必要になるかもしれないが、我が家の環境ではこれで充分なようだ。
手入れの面では、ちょくちょく掃除する派の我が家では、一気にまとめてゴミが捨てられる紙パックは便利だった。紙パックの集塵容積は1.4L。ゴミが散らばらずにパッと捨てられるのは助かる。ただ、回転ブラシに髪がたびたび絡まった。はさみで切ったりしてこまめに取り除く必要があった。
髪やホコリが絡まったブラシの様子 | 回転ブラシは、取り外して水洗いできる |
我が家では、母と祖母も掃除機を使うので、3世代が使いやすい掃除機となると、軽さや取り回しのしやすさが重要だった。この点、MC-PR1は世代を問わず、満足できるものだった。
週末にガッツリまとめて掃除する方よりも、さっと取り出して、毎日ちょこちょこ掃除したい方や、軽くて取り回ししやすい掃除機を求める方向けの掃除機だと言えるだろう。
わが家の祖母のように、加齢で年々重いものが持ち上げられなくなってきているお年寄りも多いと思う。敬老の日を前に、軽量な家電をプレゼントに検討してみてはいかがだろうか。
2011年9月9日 00:00