剃り負けしやすいアナタに! 泉精器の回転式シェーバーを徹底検証

　男の身だしなみとして、電動シェーバーを使っている人も多いはず。往復式や回転式など、ひとくちにシェーバーといってもタイプはさまざま。そんな中、今回紹介するのは、IZUMIの回転式シェーバー「IZR-N1261-R」だ。

　回転式といえはフィリップスが有名だが、回転刃というだけで候補から外してしまう人も多い。筆者もこれまでは往復式を使っていたが、回転式を使ってみてその仕上がりの良さに感動したのでご紹介したい。

IZUMIの回転式シェーバー「IZR-N1261-R」

　社名に馴染みがない人もいるかもしれないが、IZUMI(泉精器製作所)は長野県松本市に本社を構え、シェーバーをはじめヘアカッター、毛玉取りや各種調理家電などを製造している。自社の名を伏せて、OEMとして相手先ブランドで発売されているものも多い。

　そして家電以外にも主軸があり、業務用の電動工具も有名だ。高圧電線用の油圧式工具をはじめ、屋内配線用のワイヤストリッパや圧着工具の数々を販売している。

　つまり設計と図面だけを引いて製造を社外に任せている、ベンチャー家電メーカーや、安さで勝負のジェネリック家電メーカーとは違い、製造技術やノウハウを持った設計・製造会社で、家電の精度レベルは余裕でクリアできるのだ。

IZUMIというメーカーロゴ。どっかで見たな～と感じた方は、電気工事関係の方でしょう

筆者も愛用している圧着工具。これがあると100V関係の工事が超ラクチンになる

クセ髭もしっかり剃れる! ヒリヒリ感がなくやさしい剃り心地

　話をシェーバーに戻そう。まずは使った感触から。IZUMIのシェーバーは、回転式の中でも特殊な仕様。フィリップスと同様に回転刃が3個付いているが、肌に当たる外側の部分(外刃)も回転するのだ。外刃には、斜めに切った溝が彫られているので、回転する外刃がどんな方向に生えているクセ髭も捉えて、確実に剃ってくれるのが特徴。特に鼻の下の髭は、超きれいに剃れて驚いた。

　その反面、アゴ髭の剃りはいまいち。往復式に比べると肌への密着度が低く、剃っても少しゾリゾリ感が残る。3つの回転刃は、顎に密着するように動くようになっているものの、やはり往復式に比べると密着する面積が小さく、深剃りできている部分と、剃り残しの部分がまだらになってしまうようだ。

フォルムは握りやすいエルゴノミクスデザイン

背面にはきわそり用のバリカンも備える

　また回転式は剃り方にコツがあり、車にワックスがけするように円を描きながら剃る。往復式に慣れていると、単純に上下させてしまい、あれ? ぜんぜん剃れてない? なんてことがある。最初はワックスがけを意識して、シェーバーを滑らす慣れが必要だ。

　もちろんきわ剃り用のバリカンもワンタッチで飛び出し、もみ上げのカットなどに使える。防水性能はIPX7相当で、お風呂でのウェット剃りにも対応する。

剃りあとを顕微鏡写真で見るとその差が歴然!

　往復式と比較してみると、それぞれ長所と短所があり、違いを感じられた。

　まず往復式は、深剃りできてスピーディーに使えるが、ちょっと皮膚に赤みが残る。また、手でさすったりティッシュで拭くと、ざらざらした感触がある。これは、髭を切り散らかした粉のようなものが残るためだ。

　一方IZUMIの回転式は、肌にやさしく皮膚に赤みが出ない。髭の粉はなく、床屋さんの髭剃りのような丁寧な処理と、肌に優しい剃り方をしてくれるようだ。弱点は、アゴヒゲの剃り。回転式はヘッドが動くものの刃が密着せず、往復式に比べると深剃りできない。しかし鼻の下のように、きちんと刃が密着すれば、往復式以上に深剃りできた。

IZR-N1261で剃ったあと

　2つのシェーバーの特徴をまとめると次のようになる。

往復式
【長所】
・スピーディーに剃れる
・バリバリ言うので剃ってる感がある
・アゴ髭まで深剃りできる

【短所】
・剃り跡に髭の粉がたくさん付着する
・クセ髭や長い髭が残りがち
・剃刀負けしやすい
・外刃が割れやすい

IZUMI Dシリーズ(回転式)
【長所】
・肌に優しい
・静かに剃れる
・外刃が頑丈
・クセ髭や長い髭も確実に捕らえる

【短所】
・剃り方にコツがある
・時間がかかる
・アゴ髭の深剃りは不得意

ヘッド表面が自由に曲がる回転式

ヘッド自体も動くようになっている

出張や旅行にも最適! 90分の充電で60分(およそ20日分)OK!

　充電は付属の充電台に立てかける方式で、ACアダプタの抜き差しは不要だ。充電時間はおよそ90分で、連続使用時間は60分。自宅で使う分には問題ないどころか、フル充電にしておけば、およそ20日間は出先でバッテリー切れすることはない(髭の濃さや利用頻度にもよる)。

　バッテリー残量は8段階で表示される。最上位モデルのIZR-N1461-Sであれば、最大60まで分刻みで表示。また、IZR-N1461-Sの方は、刃が高速で回るターボモードを搭載しているが、それほどターボモードを使うことはなかった。どちらかと言えば、後述する洗顔時に使う機能と思った方がいいだろう。

バッテリーの残量表示はスイッチの下に表示される。残り時間を表示する数字IZR-N1461-Sは、%ではなく時間という点に注意

専用の充電台に立てかけて充電する

風呂剃りが楽しく気持ちよくなるオプションも魅力

　上位モデルのIZR-N1461-Sは、洗顔ブラシとトリマーも付属している。ミドルモデルのIZR-N1261-Rには、別売オプションとして取り付けOK。

　シェービングヘッドをスポッ! と抜いて、そこにブラシを差し込むと洗顔ブラシに早がわり。ゴムでできたプレシェーブブラシで、石鹸をちょっとつけた額をブラッシングすると、きめ細かい泡フォームができ、専用シェーブフォームいらず。

　また極細のブラシが気持ちいいクリーニングブラシや、ディープクリーニングブラシを使うと、毛穴の奥の皮脂や老廃物が取れるようで、洗顔後がスッキリと気持ち良い。

プレシェーブブラシ。シェービングフォームの泡立てや、週に1回程度、皮脂や毛穴のつまりが気になる時に使用

クリーニングブラシ。極細毛ブラシでやさしく洗顔。ブラシの毛が猫の毛のように柔らかく気持ちいい!

ディープクリーニングブラシ。ちょっと固めのブラシで、おでこや鼻の脇などを密集した極細毛ブラシでしっかり洗えてスッキリ!

　さらにヘッドを取り替えるとトリマーも使える。トリマーは、ダイヤルを回して髭を何cmに切りそろえるかを設定。髭に当てるだけで、髭の長さを均一に切りそろえてくれるというもの。

　長い口ひげをお持ちの方は、ハサミで切りそろえるのではなく、トリマーときわ剃りのバリカンが便利だ。

ヘッドをスポッと抜いて、アタッチメントを変えられる

ダイヤルを回して長さを指定できるトリマー

IZUMIの回転式をオススメしたいのはアナタ!

　1カ月以上に渡り実際に使ってみて、IZUMIの回転式シェーバーをオススメしたいのは、次のような皆さんだ。

・肌が弱く髭剃り負けしてしまう人
・クセ髭で往復式だと剃り残しが多い人
・髭が濃く往復式だと剃り残しが出てしまう人
・同居人などが、使用時のジョリジョリ音を嫌う人

　外刃も回転する独自機構で、回転式の肌への優しさはそのままに、髭を引き上げ根元からカットする深剃りが魅力。車にワックスをかけるように、回しながら使うというコツさえ掴めばOK。

内刃は2重になった鋭い刃がいくつも付いている。※分解すると保証対象外となります。

外刃のパターンで(溝)、髭を巻き込み引っ張ってから切断

　また髭剃りのジョリジョリ音が嫌いという女性は意外に多く、昔の彼女には「音が聞こえないところで剃ってくれ!」と怒られたことがあった。そんなときは、超静かなIZUMIの回転式をぜひオススメしたい。