家電製品ミニレビュー

インテリアにぴったり! デザイン性と機能を兼備した除湿機ならカドー一択

リビングに置くならデザインは重視したい

 梅雨の時季に限らず、高温多湿の日本の夏には、除湿機があると便利だ。洗濯物を室内干ししてもカラッと乾かしてくれるし、そもそも部屋にカビが発生するリスクを抑えてくれるため、部屋を清潔に保ち、カビによる黒ずみなどを防いでくれる。

 除湿機は数あれど、今回紹介するカドーの除湿機「DH-C7000」は、明らかに一線を画している。とうてい除湿機には見えないデザイン性を備えているのだ。

インテリアになじむカドーの除湿機「DH-C7000」
メーカー名カドー
製品名DH-C7000
実勢価格53,460円(Amazon)

 スタイリッシュなブラックカラーに、直線が美しい箱型のフォルム。操作パネルも吹き出し口も、天面にきれいに収まっているため凹凸がなく、スッキリしている。一方、側面を波板にすることで、無機的ではない表情を感じさせる。

操作パネルもフラットで、すっきりしている

 リビングに置いた瞬間から、「これいい!」と気に入ってしまった。我が家はそこまででもないが、最近はインテリアが素敵なお宅も多い。そこに除湿機を置くと、とたんに生活感が出てしまうため、必要を感じているけど置きたくない、という人もいるだろう。

 しかし、これは生活感をほとんど感じさせず、インテリアの一部にも見える。使うときはもちろん、使わないときに部屋の端に置いておけば、知らない人は除湿機とは気づかないにちがいない。これはおススメ!

 ……とデザインだけですっかり舞い上がってしまったが、肝心な機能はどうなのだろう。さっそくチェックしていこう。

部屋に置いておいても違和感なし!のデザイン性はほかにはない

基本的な除湿機能は十分

 まずDH-C7000ができることとして、「除湿」「衣類乾燥」のほか、「除菌・消臭」というものがある。この「除菌・消臭」は後述するとして、まずは除湿能力から見ていきたい。除湿可能面積は、木造住宅で8畳/9畳(50Hz/60Hz)、コンクリート住宅で16畳/19畳(同)で、マンションのリビングにちょうどいいサイズ。除湿方式はコンプレッサー式で、気温の高い夏場に効果を発揮してくれる。

 上下左右に風を送るルーバーがついていて、操作パネルの「スイングボタン」を押すと自動で上下に動くが、左右の向きは手動になる。つまり送風幅は固定になるようだ。風量は、自動/弱/強の3つから選べるほか、タイマーも1/4/8時間で設定が可能。

天面手前がルーバー部分
上下の動きは自動
左右の動きは手動式
広範に風を送るというより、向きを調整するイメージ

 これらの操作は、天板の操作パネルで行なうわけだが、操作ボタンにアイコンが書かれているため、取扱説明書を読まなくても直感的に操作できた。強風量で除湿したい場合、電源ボタンを押し、モードボタンで水しずくマーク、風量ボタンで風が強そうに見えるマークを押すだけだ。

 さっそくカーペット敷きの寝室を除湿してみた。運転前に温湿度計で計ったら、湿度62%、温度は25.8℃。暑くはないものの、なんとなくじめっとする。そこで1時間15分ほど除湿機を運転したところ、湿度は55%とかなり下がった。空気感もさらっと変わり、短時間でなかなか早い成果を感じた。

運転前は、湿度62%。
1時間ちょっとの運転でも、55%まで下がった

 一方、温度が27.1℃と上がってしまったのは、そもそもコンプレッサー式が、冷却器で空気中の水蒸気を冷やして水滴を取り出した後、冷えた空気を温めて排出するという仕組みだから。夏に温度が上がるのはありがたくないが、どの製品でも同じことになるので仕方ない。

 なお別の雨の日に5時間ほど運転させたところ、湿度は71%から58%まで下がっていた。そしてタンクにたまっていた水の量は、2L以上。除湿機としての効果はてきめんといっていいだろう。

5時間も運転すると、水がたっぷり溜まった。水の量は2L以上。タンク容量は3.5Lでいっぱいになると自動停止する
溜まった水は、フタを全部開けなくても、隅にある三角のフタだけ開ければ捨てられる
背面のゴム栓に付属のホースをつなげば、連続排水できる

 この除湿機は室内干しのときにも便利だ。モードボタンをTシャツマークの衣類乾燥ボタンにセットし、風が洗濯物に当たるようにセットする。3枚のTシャツに風を当てたところ、洗濯物が大きく膨らみ、乾いた風が勢いよく当たっているのがわかる。洗濯物の量や素材の厚みなどにもよるものの、今回はわずか1時間でほぼ乾かすことができた。

広い範囲に干してしまうと時間がかかるが、基本的な乾燥性能も問題なし

除菌・消臭モードは1年中使える

 DH-C7000のさらなる特徴が、除菌・消臭機能だ。除湿機で、除菌・消臭というと、パナソニックのナノイーや、シャープのプラズマクラスターといったイオンを利用したものがあるが、これは「ピーズガード」という液体を使って行なう。

 そもそもピーズガードとは、塩素とは異なる揮発しない弱アルカリ性の液体のこと。細菌やウイルス、バクテリアなどに接触すると、瞬時に分解、消滅させ、除菌や消臭ができるという。

 この機能を除湿モード、衣類乾燥モードと同時に使うことで、空気を除湿しながらウイルスやカビ、花粉、イヤなにおいを除去してくれるというわけだ。湿気が多い日は、とりわけ部屋のにおいも気になるし、洗濯物の生乾き臭も抑えてくれるのは非常に便利だ。

ニオイの原因菌を99%除菌するという液体の「ピーズガード」が付属
ピーズガードタンクに液剤を入れる
本体にセット
ピーズガードボタンを押すと
吹き出し口の一部から、霧化したピーズガードが噴出する

 なお除湿・衣類乾燥時モードと同時ではなく、除菌・消臭機能のみ使うこともできる。つまり冬場、湿度は低いが菌が気になる、というときも含め、1年中活躍することになる。

1年中使えるならなおさら、デザインは重要

 除湿機は、各部屋に置くというより、使いたい場所に移動して使うことが多い。各部屋を除湿することもあれば、洗濯物を室内干ししたり、浴室を乾燥させたい場合もあるだろう。実は除湿機は意外と重いものが多く、たいていは10kg前後ある。

 このDH-C7000に至っては、12kgもあるが、ハンドルとキャスターがついているため、スーツケースのように持ち運びできる。特にキャスターは360度回転し、動きがとても滑らか。おかげで、今日はリビング、今日は浴室、今日は……と移動も実に楽々だった。

ふだんはハンドルを収納した状態に
ハンドルを伸ばすとスーツケースのように押しやすくなる
キャスターがくるくる回って動きもスムーズ

 なおコードの長さは約1.8m。移動の際、コードが出しっぱなしだと踏んでしまうため、ハンドルにコードホルダーを取り付けて引っ掛けられる。ただし、いちいちホルダーを取りつけるのは面倒で、見た目も悪かったので、本体に収納できるとありがたかった。

付属のコードホルダーはマグネット式
ハンドルに引っ掛けて使うが、見た目はよくない

 正直言うとDH-C7000は、値段が高い。他メーカーには、ルーバーが自動で左右に動くものもあれば、洗濯物の濡れたところをセンサーで見つけ、その部分だけ狙って乾かすものもあるが、いずれもDH-C7000より安い。

 しかし、基本性能はしっかり備え、このデザインを備えていることを考えると、この価格なりの価値は十分ある。デザインと機能を両立した除湿機はどれ? と聞かれたら、迷わずこれを勧めたい。

田中 真紀子

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