家電製品ミニレビュー

ぽかぽかの自宅に帰れる! IoT家電の可能性を感じさせる、デロンギのSiri対応ヒーター

IoT対応のMDヒーターって?

 人工知能(AI)と並んで、IoT(Internet of Things)が家電業界でのトレンドとなっている。現状の定義としては、製品がインターネットにつながれば「IoT対応」ということになっている。

 デロンギのマルチダイナミックヒーター(MD Heater)の最新モデルも、Wi-Fiを内蔵し、スマートフォンでの操作を前提としている。IoTに非対応の製品と比べて、対応するモデルにはどんなアドバンテージがあるのか? 実際に使ってみることにした。

マルチダイナミックヒーター Wi-Fiモデル「MDH15WIFI-SET」
メーカー名デロンギ
製品名マルチダイナミックヒーター Wi-Fiモデル「MDH15WIFI-SET」
価格96,984円(Amazon)

 最新の「MDH15WIFI-SET(以下:MDヒーター)」の暖房性能や筐体サイズなどは、従来からの「MDH15-BK」と同じ。適用畳数は約10~13畳だ。差異点は、Wi-Fiを搭載し、基本的な操作は専用アプリ「MD Heater」を使って行なう点。同アプリはiPhoneにしか対応していないため、iPhoneユーザー向けのヒーターと言っていい。

MDヒーターを上から見たところ
本体の後ろ側を中心に見たところ
キャスター付きなので、室内を移動させやすい
操作ボタンなどは前面に集まっている。電源以外はタッチパネル
本体の操作で温度を上げたり下げたりするのは、少し面倒くさい
電源ボタンは少し固め

 正直に告白すると、Wi-FiというかLANへの接続に難儀した。初めはLANに繋げられず、アプリに認識すらしてもらえなかった。説明書をじっくりと読み込み、本体のWi-Fi設定などをリセットして、やっとのことで接続。接続できたものの、しばらく経つと接続が切れる、というのを3回繰り返した。仕事でなければ挫折していたかもしれない。

Siriで操作できるのが便利

 自宅のWi-FiもしくはLAN環境と、何か相性が悪いのだろうということで、まずは手元にあったWi-Fiルーターを変えてみることにした。これが正解だったようで、Wi-Fiルーターを変更すると、以前の接続のしづらさが嘘のように、トントン拍子で接続された。

Wi-Fiマークを3秒間長押しすると、Wi-Fi設定が始まる。専用アプリを起ち上げて接続する
アプリを起ち上げると、LANの中にある製品が表示される
アプリ内でカメラが起動するので、本体背面にあるシールに近づける。問題なければ、これだけで認証され、アプリ操作が可能になる

 自宅のLANにつながれば、アプリからの操作が可能になる。リモコンが付属しないため、初めはヒーターをつけるのにアプリを起ち上げなきゃいけないのが億劫だった。だが、Siriを使って「おはよう」とか「デロンギ MDHをONにして」と言うと、簡単にMDヒーターをつけられることを知ってからは、悪くないなと思うようになった。

 アプリを起ち上げる必要がないというのは便利だ。iPhoneのボタンを長押しすればSiriが起動し、「おはよう」と言ってMDヒーターをつけ、「デロンギ MDHを25℃に設定して」などと言えば温度設定も変えられる。

 既にいくつあるか把握できないほど、自宅にはリモコンが散らばっている。さらにそのリモコンを子どもが、あちこちに隠してしまう。そんな状態なので、「エアコンをONにして」とか「明かりをOFF」など、今ではSiriに家電製品のコントロールを全てお任せしたい気分だ。

Siriを起動させ「デロンギMDHを消して」と言えば、オフになる
Siri経由で温度設定もスムーズに行なえる

 アプリではスケジュール設定も可能。例えば出勤する8時には自動でMDヒーターがオフになるようにし、帰宅する18時頃には部屋を適温にしておいてもらう、ということが曜日ごとに設定できる。

 朝の冷え込みが厳しい今の季節であれば、毎朝3時〜7時まではMDヒーターをオンにしておく、ということも簡単に設定できるのだ。

スケジュール設定はタッチ操作で直感的

会社を出る時にヒーターをONにしておけば、あったかい部屋が待っている

 製品にはApple TVが同梱されている。Apple TVをMDヒーターと同じネットワークに接続すると、外出先からでもAppleの「Home」アプリから、MDヒーターを操作できるようになる。

AppleのHomeアプリを外出先から開いたところ。アイコンを見ると、暖房中だと分かる。設定を変えたい場合は、アイコンを長押しする
温度設定画面が現れる。温度を変えたい場合は、白い部分を上から下に指を滑らせる
画面左下の「モード」を押すと、電源画面に切り替わる
画面中央の白い四角を下に引き下ろすように指を滑らせると電源がOFFになる

 仕組みとしては、Apple TVをハブにして、LAN(ネットワーク)の外にあるiPhoneと、LAN内のMDヒーターをつなげるということ。MDヒーターの他にも、LANの中にApple HomeKit対応家電があれば、同じ「Home」アプリから外出先から操作できる。

 この接続も、恥ずかしいことにスムーズにいかなかった。Appleのサイトで調べてみると理由は簡単で、iPhoneのセキュリティ設定の問題だった。セキュリティ設定で「2ファクタ認証」を有効にしていなければいけなかったのだ。

 面倒だなぁと思いながらも、今後もHomeKit対応の製品が増えそうなことを考えれば、避けては通れなさそう。Appleサイトの説明を読みつつ、2ファクタ認証を有効にした。

 これで全ての設定がクリア。外出先からでも、「Home」アプリ経由でMDヒーターを操作できるようになった。接続できるようになると、けっこう便利なものだと実感。帰る前に自宅の温度を確認し、寒そうだなと思ったら、電源をピッとONにすればいいだけ。

外からでも、オフィスからでも部屋が何度か分かり、電源のON/OFFや温度設定などが可能になった

 iPhoneの「Home」アプリでは、操作が可能なだけではない。例えば「オートメーション」機能を使えば、家を出て100m以上離れたら、MDヒーターがONの状態だったとしても、自動でOFFにしてくれるといった設定が可能。逆に、仕事場を出て、自宅まで1kmの距離に近づいたら、自動でONにする設定も可能だ。

 MDヒーターの消し忘れを防げるだけでなく、帰宅すると確実に温かい部屋が待っていてくれる。

「オートメーション」画面
「オートメーション」での、距離設定の画面。最短100mから設定可能

接続がうまくいかなくても、めげない自信がある人が持つべき

 たまたま筆者の環境が適していなかっただけで、たいていの人は、すぐに導入できるのかもしれない。だが、スムーズに接続できなかった時はツラい。リモコンが付属しないので、MDヒーターをONにするのも面倒だ。

 また、トラブル解決のために、MDヒーターとApple TV、もしくはWi-Fiルーターという、3製品のマニュアルを調べる必要があるのも厄介だった。

 特別にLANやWi-Fiなどに詳しい必要はないが、まったく分からないという人や、根気がない人は手にすべきではないだろう。

暖房機としての性能は大変満足

 LANへの接続にはとまどったが、暖房機としての基本性能には満足できた。特にエアコンのように風が起こらず、静かなのが嬉しい。筆者は乾燥に弱く、寝ている時にエアコンが付いていると、喉がカラカラになって咳が出始めることが多い。MDヒーターを使うようになってからは、そうした不快感がなくなった。

 表面温度が熱くなる点も心配するほどの問題ではなかった。何秒も手で触れてはいられないが、チョコチョコと触るくらいなら大丈夫だ。

 使い始めた時に、2歳の息子が興味津々で近づいてきた。「これは熱いからね」と言って、子どもの手を持って、表面をチョコッと触れさせると「熱い!」と……。近づくことはあるが、触らないよう、彼なりに注意するようになった。まぁ、もし触っても、深刻な火傷をするほどではないから、心配もしていない。

1番熱くなる本体の上部。アチッ! と思うほどには熱くなるが、一瞬触れるくらいなら火傷するほどではない
本体側面のパネルも熱くなるが、危険に感じるほどではない。ただ、外出先から操作するので、周辺環境には気を付けよう

 結論としては、IoT家電の便利さを知る、きっかけとなるものだった。また、単に暖房機としてもお薦めできるので、外出先からの操作に魅力を感じないなら、Wi-Fi非対応の「MDH15-BK」を検討してみてほしい。

河原塚 英信