家電製品ミニレビュー

高機能でも使いやすい「ナノイーX」搭載の加湿空気清浄機がおすすめ

ナノイーX搭載の加湿空気清浄機

 今回紹介するのは、パナソニックの加湿空気清浄機「F-VXM90」だ。実売でも7万円弱で、新開発の「ナノイーX」搭載、加湿用の水タンクも4Lを備えたハイスペックモデルだ。なんだかすごそうな製品だが、実際使ってみると使いやすくて、ハイスペックならではの良さもしっかり実感できた。

パナソニックの加湿空気清浄機「F-VXM90」
メーカー名パナソニック
製品名加湿空気清浄機 F-VXM90
実売価格68,680円

 本体は398×268×640mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は約12.1kgと決してコンパクトとはいえないサイズだが、流れるようなデザインの前パネルと重厚感のある木目調デザインで、リビングに置いてもすんなりと馴染んだ。適用床面積は40畳だが、加湿機能を併用する場合は24畳(プレハブ洋室の場合)なので、20畳ほどのLDKのわが家にはちょうど良いサイズだった。

約20畳ほどのリビングにおいて使用。木目調デザインがオシャレ
本体上部。操作パネルが設けられている

 数ある機能の中でもやっぱり気になるのは「ナノイーX」だ。そもそもナノイーとは空気中から水分を取り出し、高電圧を加えて生成するナノサイズの帯電微粒子水のことだ。ウイルスや菌に対する抑制、減少効果や脱臭効果、肌や髪にうるおいを与えるといった効果があるとして、同社のエアコンやドライヤー、冷蔵庫といった製品にも同技術を搭載してきた。

 私自身、ナノイー搭載商品は何度も使ってきた。特にドライヤーでは潤い効果をしっかり実感、ナノイー非搭載のドライヤーとは明らかな差を感じられた。

 一方、今回のナノイーXでは、まず生成量が従来の10倍!!!!!! さらに、ダニやスギなど生物由来の吸引系アレルゲン17種すべてを分解し、無力化できる効果も検証済み、つまり、花粉症に効果絶大だという。ただし……ごめんなさい。この製品を自宅で使った1月中旬は花粉の飛散量が少なかった、加えて、わが家には花粉症の人間が1人もいないため、花粉に対する効果のほどは今回検証できなかった。

 しかし、ナノイーXで進化したのは、花粉だけではない。脱臭効果も強力になり、たとえばタバコ臭の場合、従来の1/10のスピードで除去することができるようになったという。実際、生後8カ月の乳幼児と室内で犬を飼っているわが家でも、脱臭効果をしっかり実感できた。

 本体には、PM2.5、花粉・ハウスダスト、ニオイを検知するセンサーが搭載されていて、それぞれ検知すると、本体のサインが点灯、自動で運転が制御される。また、空気の汚れ具合は、本体手前のパネルで常に確認できる。

 わが家の場合でいうと、8カ月になる息子がハイハイで近づくと、直ぐにニオイやらホコリを検知、フロントパネルが開いて、下から強力吸引。犬が近づいた時も同様。1日に何度も本体サインが真っ赤に点灯、その都度、サインが青に変わるまで強力運転してくれるのが心強かった。

PM2.5、花粉・ハウスダスト、ニオイを検知するとパネルが赤く点灯する
フロントパネルが開いて、下から強力吸引
室内の空気がきれいになるとサインが青に変わる
室内犬や乳幼児が近づくとすぐにサインが変わるので、しっかり検知してくれているのがわかり、心強かった

 また乳幼児や犬がいるお宅でよくある「ニオイ」も、「F-VXM90」を使っている間は、気にならなかった。オムツのニオイも、検知したらその都度、取り除いてくれているようなイメージで、例えば、前日すき焼きをやっても、翌日の朝にはそのニオイが残っていることがない。外から帰宅しても、犬やオムツのニオイを感じないのも、嬉しい実感だ。

今の時期、必須な加湿機能も満足

 夫も私も喉が弱いので、毎年冬になると、リビングや寝室にそれぞれ加湿器を置くほど、加湿にはうるさいわが家だが、F-VXM90の加湿には大満足。大容量4Lの加湿タンクを備え、1時間に870mlの加湿が可能。小さい子供がいるわが家では24時間連続した加湿運転を行なっていたが、湿度は常に50%前後をキープしていた。

加湿タンクは本体側面から取り出す
4Lと大きめのタンクだが、自立するので給水しやすい

 24時間加湿運転を行なうという人は少ないかもしれないが、その場合でも、給水頻度は1日に1回程度だった。共働きで、1日に10時間程度の加湿運転ならば給水頻度は2~3日に1回程度だろう。給水タンクはそれなりに大きいが、自立するので、シンクなどで楽に給水できるというのも使いやすいポイントだ。

2週間でフィルターにホコリがビッシリ!!

 使っていて何より驚いたのが、2週間の使用でフィルターにホコリがびっしり付いたこと。現在自宅で夫が育児をしていて、自宅には常に誰かがいる状態ではあるが、短期間でここまでびっしりホコリが付いたというのは驚いた。ちなみに2週間、一度も電源を切ることはなく、24時間稼働させっぱなしの状態だ。

2週間使用後に、フロントパネルを開けてみると、中のフィルターにホコリがびっしりとついていた
右側だけ、掃除機でホコリを吸い取ったところ。かなりのホコリが付着しているのがわかる

 最近の空気清浄機はやれ適用床面積が30畳だとか、やたらと広いけど、そんな広い家どこにあるんじゃ~なんてやさぐれそうになっていたが、実際、適用床面積が広い方が、集塵能力も高い。集塵能力を重視したいなら、自宅のリビングより適用床面積が大きめのモデルを買うというのは正解なのだ。

お手入れのしやすさもマル

 びっしりホコリが付いた集じんフィルターは、掃除機で簡単にきれいにできる。できれば掃除機の先端にブラシなどを取りつけた方が良い。フィルターを傷つけることがなく、ホコリをしっかり取れる。なお、2週間に一度のお手入れが推奨されている。

 本体にはそのほか、脱臭フィルター、加湿フィルターが搭載されている。いずれも定期的なメンテナンスが必要だ。脱臭フィルターは、汚れが気になった時にホコリを掃除機などで吸い取る、加湿フィルターは約1カ月に1回程度、水かぬるま湯で押し洗いする。

集じんフィルターのお手入れは2週間に一度。掃除機でホコリを吸い取る
集じんフィルターの後ろに配置されている脱臭フィルターもホコリが気になったら、掃除機でメンテナンスする
本体内部の加湿フィルターやトレイも定期的なメンテナンスが必要
加湿フィルターは水かぬるま湯で押し洗いする

 ただ、加湿フィルターのお手入れ頻度については、1日8時間稼働した場合とある。わが家の場合加湿機能も、24時間稼働させていたので、1週間に1回程度は手入れした方がよさそうだ。

 そのほか、加湿用の水タンクは毎日の水洗いが、加湿トレーは1カ月に1回程度の水洗い、イオン除菌ユニットは1カ月に1回程度のつけ置き洗いが推奨されている。

 こうやってお手入れ方法を羅列すると、すごく面倒に感じるが、実際はそれほど、手間はかからない。加湿空気清浄機は室内の空気をきれいにするものなので、本体が汚れていたら当然能力は下がる。定期的なお手入れは必須だ。

使いやすさ+ナノイーXの効果もしっかり実感

 花粉についての実感レビューができないのが申し訳ないが、集じん能力やセンサー感度、加湿機能など、満足度が高い。加湿空気清浄機としてとても使いやすく、効果もしっかり実感できる。ちなみに、ナノイーXを搭載している空気清浄機は現時点でこの「F-VXM90」だけ。室内のニオイやホコリが気になる人はもちろん、花粉に悩まされている人も試してみる価値アリの高機能空気清浄機だ。

阿部 夏子