家電製品ミニレビュー

重さ1.5kg! シャープのスティッククリーナーでお掃除頻度が格段にアップ

 とりあえずのフローリング掃除は掃除機を使わず、クイックルワイパーでささっとゴミを集めて済ませてしまうことが多い。軽くて取り出しやすいうえ、掃除機のようにコードを引き出して挿す手間がないので、すぐに掃除を始められるからだ。

 一方、面倒なところもある。まず、シートを毎回取りつけなければいけないし、シートにくっつききらなかったゴミは、結局ちり取りやハンディクリーナーなどで取りのぞかなければならない。

 そんな中、掃除機とクイックルワイパーのいいとこ取りしたようなコードレススティック掃除機が、シャープから登場した。その名も、アクティブに、ラクに掃除できる「ラクティブ エア(EC-A1R)」だ。

シャープのコードレススティック掃除機「ラクティブ エア EC-A1R」
メーカー名シャープ
製品名ラクティブエア EC-A1R
実勢価格45,067円(Amazon)

付加機能をとことん省いて軽量化を実現

 この掃除機の最大の特徴は、標準質量1.5kgという業界最軽量の軽さ。どれだけ軽いかというと、同社の従来モデルEC-SX520が約2.4kg、軽いといわれている東芝のVC-CL1300が約1.9kgなので、いかに軽いかがわかる。

本体、パイプ、ノズルまでつけて1.5kg
集塵方式は「遠心分離サイクロン」で、吸引力も期待できそう
ほかのコードレス掃除機もだいぶ軽くなったと思っていたが、これは段違いの軽さだ

 なぜ、こんなに軽くできたのか。その秘密は、本体パイプに採用した「ドライカーボン」という素材にあるらしい。非常に強度が高いため、パイプの厚さを従来の半分まで薄くすることが可能になったのだ。

 それと同時に、従来モデルについていた機能も結構そぎ落とされている。例えば、ゴミを検知するセンサーや、ダストカップ内の静電気を抑えるプラズマクラスター機能はついていない。とことんシンプルさにこだわったというわけだ。

操作ボタンもたったこれだけと超シンプル
ダストカップは、従来モデルに比べると埃が張りつきやすい可能性大

まるで滑るように床の上を進んでいく!

 軽いのは確かだが、肝心なのは使いやすさと吸引力だ。そこでさっそく電源を入れてみたが、正直ここは押しにくかった。強/標準ボタンを1回押すと強モード、もう1回押すと標準モードになるため、まずはグイッと親指に力を入れて、強モードで掃除してみた。

するとまあ、進む進む! 従来機のようにグイグイと、ではなく、滑るように前に進んでいく。軽いうえに自走アシスト機能付きなものだから、ほとんど力を入れないで掃除ができる。フローリングはもちろん、カーペット上でのなめらかさは実に快適だ。

軽く立てただけでも電源を入れると
すーっと前に進んでいく

 また操作性がよく、小回りも利く。例えばいすやテーブルの脚、観葉植物の鉢の周りなどは、くるっと回り込めるし、棚の下など低いところも奥まで掃除できる。せっかく本体が軽くても、操作性が悪いと手首や腕に変な力が入ってしまい、かえって疲れてしまうこともあるのだが、そういうこともなさそうだ。

手前側から、鉢に沿って掃除したが、スムーズに回りこめた
低い棚の下もばっちり。こんな目に見えない場所を掃除するときは、ゴミセンサーがあると便利なのだが、ぜいたくは言わない(笑)

 吸引力についてもメーカーは、「従来モデルと遜色ない」と胸を張っており、実際、フローリング掃除では、ほとんどゴミの取りこぼしが気になることはなかった。そこで今度はカーペットに重曹を撒いて、一度にどれくらい吸引できるか、チェックしてみた。

 強モードで掃除したが、その結果は見事なもの。ヘッドの幅だけくっきりときれいになり、吸い残しはほとんどない。吸引力も十分と言っていいだろう。

茶色いカーペットに、重曹をたっぷり撒いた
ほぼ自走に任せ、ゆっくりと前にヘッドを進めると、もうきれいになっている
ここまで来ても、白っぽさはほとんどない
重曹を撒く前と同じ状態に戻った。大満足の結果だ

 ちなみにヘッドのブラシには、フローリング表面の汚れをふき取ってくれるという「床みがきブラシ」がついている。過度の期待は禁物だが、多少は功を奏しているのを実感した。

回転ブラシのうち、赤い部分が「床みがきブラシ」

“ちょいかけ”できると掃除はかどる

 掃除機をかけながら、落ちているものを拾ったり、物を動かしたり、掃除をいったん中断して作業することは意外と多い。そんなとき、自立できない掃除機は、床に倒さなくてはいけないので、倒したり拾い上げたりが結構面倒だったりする。

ラクティブエアも残念ながら自立はしないが、フックに一工夫があった。いすや棚などに引っかけられる「ちょいかけフック」がついているのだ。これなら、ちょっと掃除を中断して、また再開……という流れがスムーズで、掃除もはかどる。

ゴム製のフックがついていて、安定して引っかけられる

 さて、あちこち掃除を進めていたところ、突然電源が切れてしまった。どうやら充電が切れてしまったようだ。え? もう? と思ったが、よく考えたら、ずっと強モードで掃除をしていたので、8分しかもたなかったようだ。標準モードなら約30分持つので、フローリング掃除のときは標準モードにすればよかった。

 充電は、本体からバッテリーを取り外して、充電器で行なう。約80分で満充電になるため、急いでいるときも安心だ。どうしても続けて掃除したいなら、別売りのバッテリーを用意して、どちらも満タンにしておくという手もある。

バッテリーは取り外して充電できるセパレートチャージ式
約80分で満充電になる

 このセパレートチャージ式は、掃除機の置き場所を選ばないという意味で、すごく便利だ。というのも、多くのコードレス掃除機は、本体からバッテリーが取り外せないため、本体を直接充電器に置く必要があり、充電台の場所が設置場所になることが多い。

 しかしセパレートチャージ式なら、とりあえず充電は充電台で済ませ、本体は好きな場所に置いておけるということになる。

高い場所がラクラク掃除できるのも、超軽量タイプならでは!

 これだけ軽いのだから、高い場所の掃除も大得意。ラクティブエアには、ブラシ付きの「はたきノズル」と「すき間ノズル」がついており、この「はたきノズル」を使ってエアコンの上のお掃除をした。

 ちなみに「はたき」という名前がついているけれど、はたきとは似て非なるもの。従来のはたきを使うとほこりが舞って落ちてしまうため、さらに床掃除もしなくてはいけないが、これはほこりを直接吸ってくれるので、ほこりまみれになることがないのがうれしい。

高い場所もラクラク。力に自信がない人でも難なく持ち上げられる重さだ

 さて、ゴミをたっぷり吸ったら、ダストカップのゴミを捨てなくてはいけない。ラクティブエアはコンパクトなだけあって、ダストカップ容量は0.13Lと少々小さめ。なので、まめに捨てる必要がある。

 と言っても、ゴミ捨てはそんなに面倒ではない。カップもフィルターも水洗いできるので、清潔に保てそうだ。

軽いからこそ家事がラクに。実家の母にも使ってほしい

 ラクティブエアを使って家じゅう掃除してみたが、結果、かなり便利だった。まず吸引力は問題なし、部屋と部屋の移動もラクラク。手の届きやすい場所にひっかけておけば、気がついたときにすぐ掃除できる。何より軽いので、掃除が面倒に感じない!

 冒頭の例から言えば、掃除機をかけるのが面倒だからクイックルワイパーで済まそう、から、掃除機をかけるのが面倒だから、ラクティブエアで掃除しよう、に変わった。つまり、掃除機をかける頻度が高まったことになる。

 この軽さは、体力が弱くなって掃除が大変になってきたという年配の人にもおすすめだ。筆者もこれを使いながら、いまだに重くて大きな掃除機を使っている母にプレゼントしたいと思った。みなさんにもぜひどこかで、この軽さを味わってみてほしいと思う。

田中 真紀子