家電製品ミニレビュー
ドレッシングフォーマーで調味料を泡にしたら、見た目と味が一気に高級料理!
2017年1月18日 07:30
「エスプーマ」という調理方法をご存知だろうか? 数年前に大ブームとなった、料理にメレンゲのような泡ソースをかけていただく料理やそのソースの調理法だ。
生クリームが一瞬でホイップできるのはもちろん、あらゆるジュースやスープなど、液状のものはほとんどを一瞬にしてムースのようにきめ細かい泡状にできるとあって、スペイン料理を皮切りにフランス料理などにも爆発的に広がりを見せた。身近なところでは、スターバックスコーヒーのふわふわクリームが乗ったラテが有名だろう。
ただ、これまでエスプーマを作ろうとすると、数万円の高圧密閉ボトル(高圧に耐えられるスプレーボトル)や高圧炭酸(窒素)ガスなどが必要で、一般家庭で楽しむのは無理だった。何しろ簡易版の安いもので2万円(ただし二酸化炭素を使うので全部に酸味が付いちゃう)、本格的なものになると10万円(素材の風味を損なわない)もかかったのだ。
ところが、今回紹介するレコルトの「ミルク&ドレッシングフォーマー」なら、たった2,700円の本体だけで、エスプーマならぬエセ(似非)プーマ(笑い)が楽しめる。
しかも素材の味は損なわない、高級タイプのエスプーマに近い食感と風味なのだ! シャレで「エセプーマ」なんて言ってらんないくらいの完成度に驚愕! 料理好きなら、楽しめない要素がないので、ここにオススメしたい。
メーカー名 | レコルト |
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製品名 | ミルク&ドレッシングフォーマー |
実勢価格 | 2,700円 |
楽々減塩できちゃう! 泡しょうゆや泡ポン酢
まず作ってみたのが、NHKの「ためしてガッテン!」などでも紹介されていた"泡しょうゆ"だ。付属のレシピには、だいたい3分で作れる泡しょうゆの作り方が書かれている。そこでまず、レシピどおりに作ってみた。
ご覧の通り、目盛り付きのガラスのカップは、可愛くておしゃれなだけでなく、レンジ対応の耐熱ガラス。しかも内側には、ミキサーみたいな凹凸がついているので、攪拌が早く泡立ちもいいのだ。
一方の攪拌器は、「100円ショップ売ってるヤツじゃん!」という人もいるかもしれない。がっ! 100均のものとは、軸(シャフト)の精度がまったく違うのだ。シャフトが回転軸のど真ん中にあるので、先端の泡立て部分が、バタつかず安定して高速で回転する。つまり、おのずと泡立ちも違ってくるというわけ。
泡立てたしょうゆやポン酢は減塩しても味がしっかり!
さっそく泡しょうゆと泡ポン酢で、小さな手まり寿司を食べてみた。
このきめ細かい泡を見よ! この世の寿司とは思えないフォルム! が! 食べてみるとうまいじゃん! なのだ。しょうゆはゼラチン入りの水で薄められているにもかかわらず、しっかりした風味と塩味があり、舌の上に最後まで残って、塩分の足りなさを感じることはない。コレ、確実に減塩できます! 高血圧の人にオススメ。
その秘密は、ゼラチンを入れて泡立てているところにある。見た目も食感もクリーム状の泡だが、ゼラチンを泡立てて氷水で固めているので、実際には泡立ったゼリーなのだ。なので口に入れた瞬間、体温でゼリーが溶け出し、舌の上にゼリーが絡みつくので、味がしっかり感じられ、コクが長持ちするというわけ。
ポン酢も試してみたが、味の薄さを感じることはなく、コクが増すのに驚いた。数年前にポン酢ジュレが流行ったが、アレより口に入れたときの風味が強く、鼻を抜ける柑橘系の香りがめっちゃ、さわやかテイスティ!
お寿司に泡はネェだろ? という保守派の方は、おひたしやカルパッチョに添えるといいだろう。ちょっとした薬味の代わりに添えてもいい。
ジュースにノンオイルドレッシングなどなど可能性は無限大
次に作ってみたのは、ローストビーフ用のソース。これもレシピにあったものをそのまま作ってみた。作り方は簡単で、30ccの水で小さじ半分のゼラチンを溶かすまでは一緒。ここに小さじ1杯のマスタードと、2杯のはちみつを加えて攪拌。これでハニーマスタードのできあがりだ。
ローストビーフなどの肉系に合うだけでなく、やさしい甘さとほのかな酸味なので、魚のソテーやサラダのドレッシングとしてもおいしい。ディルとあわせて、鮭のムニエルなんかいいかも! あーっ! 食いたくなってきた!!
またレシピにはなかった筆者オリジナルのレシピとしてオススメしたいのは、トマトやパイナップルといった野菜、フルーツの泡ソースだ。
パイナップルの泡ソースは、ゼラチンを水で溶かすのではなく、50ccのパイナップルジュースに溶かすだけ。ほんのり甘くパインの香りがするので、ポークソテーなどに添えるだけで、グレードアップしたサプライズメニューになる。
家族に大人気だったのはトマトの泡ソース。これもパイナップルと同じようにゼラチンをトマトジュースで溶かすだけ。ここでは肉料理にさわやかさを添えたかったので、ポッカレモン&塩を軽く入れている。トマトの赤も映えるので、白い鶏肉や白身のカルパッチョ、モッツァレラチーズに添えても絶対おいしいはず!
野菜やフルーツの泡ソースによく合うのは、コンビニエンスストアで売っている、チキンのスープ煮込み。鶏むね肉なのであっさりして、最後のほうは飽きてしまうが、泡ソースを乗せて食べると、一流レストランのオードブルのようになる。何よりいろんなフレーバーで飽きないのが魅力。
もう1つおススメの泡ソースは、アリオリソース。フランス料理で定番のニンニク・マヨネーズだ。自家製マヨネーズに、にんにくチューブを2cmほど混ぜるだけでOK。あれば彩りにパセリなど加えてもいい。
サラダ油を使ったフレンチドレッシングなどは泡ソースにできないが、ジュースやスープなど、油をさほど含まない液体なら、たいてい泡ソースにできる。レシピの可能性は、無限大といってもいいだろう。レモンやわさび、しょうが汁など、薬味系を泡ソースにしても楽しい。
さて、こうしてできあがった泡ソースだが、残ってしまったら冷蔵庫で保存しておける。ただし冷やすと食感が変わってしまうので注意。使うときはレンジで20秒ほど再加熱してセラチンを溶かしてから使おう。もし泡が消えてしまった場合は、再び氷水につけながら攪拌してやればいい。
正統派の「乳化」でオリジナルドレッシング作りもOK
ゼラチンを使った泡ソースの弱点は、油が多いものは泡状にできないこと。でもサラダのドレッシングには、やっぱり油が欠かせない! という場合は、「乳化」がオススメ。
乳化とは、通常では混ざり合わない水と油でも、あるものを媒介にすると混ざるという現象。簡単に言うと、酢と油は通常では分離してしまうが、卵の黄身を媒介にするとマヨネーズになる。これが乳化作用だ。
そこで乳化を使った筆者オリジナルレシピをご紹介! まずは定番の自家製マヨネーズから。
乳化は卵の黄身だけではなく、すりおろした玉ねぎでもできるので、フレンチドレッシングなんかも3分でできちゃう。
この何の変哲もないオニオン・フレンチドレッシングは、家族みんなに大好評。今まで必死になって密閉容器を振ってドレッシングを作っていたが、ミルク&ドレッシングフォーマーのおかげでエレガントに乳化できるので超助かっている。
続けて紹介するのは、乳化はまったく関係ないけど「乳」つながりで、チーズソース。強引なのは、見て見ぬ方向で……。
こうしてドレッシングも簡単に作れちゃうのが、ミルク&ドレッシングフォーマーのいいところ。黄身や玉ねぎ以外にも、乳化ができる食材として、味噌、マスタード、ニンニク、ケチャップ、チーズなど利用できるので、いろいろ試してみると面白いだろう。驚きのドレッシングが作れるはず!