家電製品ミニレビュー
アイリスオーヤマの“IH分離型”炊飯器は一台で二度おいしい!
2017年1月6日 07:30
炊飯器というと高級路線が話題になりやすい傾向にあります。メーカーのもつ技術力を結集させ、多少お値段が張ったとしても、それぞれが狙う最高の炊きあがりを目指すのが、最近のトレンドだといえそうです。そんな中、斜め上に向かって切り込んでいるのが、今回ご紹介するアイリスオーヤマのIHジャー炊飯器「RC-IA30」です。
メーカー名 | アイリスオーヤマ |
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製品名 | 銘柄量り炊き IHジャー炊飯器 RC-IA30 |
実売価格 | 22,000円 |
IH調理器と合体させると炊飯器に!
「RC-IA30」は無洗米・白米なら3合、玄米や炊き込みご飯なら2合、おかゆ系は1合まで作れる炊飯器です。炊飯のほかに、煮込み、付属の蒸しプレートを使った蒸し料理、発酵もできます。ふたの上部に操作パネルを持ち、銘柄別の炊き分けも可能です。
ここまでは普通の炊飯器、ただ「RC-IA30」の面白さはここからです。RC-IA30は、IH調理器を使って炊飯しているのです。一般的な炊飯器では、IHの熱源を本体に内蔵していますが、この製品は、付属のIH調理器を使って、外から加熱しているのです。
炊飯器としてだけでなく、IH調理器としても使えるというこれまでにない“炊飯器”なのです。炊飯器のハンドルを持ち上げると本体が上下2つに分かれて、1,000WのIH調理器が現れます。その発想はなかった! と思わず笑ってしまいました。
炊飯が終わったら炊飯器の上部を外して、IH調理器単体としても利用できます。ご飯が炊けたらそのまま味噌汁やスープ、煮込みを作るなんてことも可能なわけです。鍋料理に切り替えるなんてことも簡単。
ちなみに炊飯中にうっかり炊飯器本体を持ちあげてしまったときは、炊飯が自動的に停止します。10分以内に戻せば炊飯が再開します。
もう1つ便利なのが、量り炊き機能を搭載していること。一般的な炊飯器では、付属のカップにお米を入れ、研いだら内釜の目盛りを目安に水を入れます。量り炊き機能では、内釜に入れたお米の銘柄と計測したお米の量から水の量を細かく指示してくれます。
お米をカップで量っていると、結構毎回分量があいまいになります。しかも、目盛りで水の量を決めると、置いた場所の傾きによっては正確になりません。内釜の目盛りは結構たくさん書かれているため、「あれ、どれだ」なんてことも起きがちです。しかし、入れたお米の銘柄と量から、必要な水の量を重さではじき出せば、いつも最適な水の量を維持できます。
予想以上に美味しく炊けてびっくり
「RC-IA30」のメニューボタンからは無洗米、白米新米、省エネ、早炊き、炊き込み、おかゆ、玄米、煮込み/蒸し、発酵が選択でき、かたさはやわらか、標準、かための3つから選べます。
炊飯時間はおよそ60分前後といったところ。例をあげると、標準で49~66分、やわらかめ50~67分、かため48~65分、早炊き32~48分、玄米79~95分といった具合です。
銘柄炊き分けで選択できるのは「こしひかり」「あきたこまち」「つや姫」「ゆめぴりか」「ひとめぼれ」「ヒノヒカリ」の6種類。我が家の定番である「ミルキークイーン」はというと「ヒノヒカリ」を選択すればよく、「ななつぼし」は「ゆめぴりか」を、「ササニシキ」は「こしひかり」を選ぶのだそう。このほかにも取扱説明書に一覧が掲載されているので、該当する銘柄がなくてもご安心ください。
まずアイリスオーヤマが販売している「ななつぼし」2合分のパックを使って、銘柄炊きしてみました。銘柄は「ゆめぴりか」です。するとみずみずしい炊きあがりに。
さらに、普段食べている「ミルキークイーン」を銘柄炊き「ヒノヒカリ」で2合分炊いてみました。すると、これまで使っていた炊飯器とは違った炊きあがりになりました。おそらく圧力がないからだと思いますが、もっちりというよりは粒がのびのびしていて、混ぜるとふんわり。あっさりほくほくと食べられるので、いつものお米の違った側面を見たような気持ちになりました。所要時間は65分ほど。
玄米も、もっちり満足できる味!
続いて、発芽玄米を2合「玄米」モードで浸さずに炊いたところ、粘りのある玄米ご飯が炊けました。これなら味噌汁と漬け物だけでも食事が成立しそうという満足できる味です。所要時間は95分でした。
残念だったのは「早炊き」です。2合炊いてみたのですが、やはり48分かかりました。1合に減らしてみましたが、やはり48分でした。確かに65分に比べれば早いですが、48分という時間は「早い」と言いがたい待ち時間です。せめて30分くらいでお願いしたいところです。
銘柄量り炊きはアリ!
売りの1つである「量り炊き」も、なかなか優れています。
まず銘柄を設定し、計量ボタンを押します。内釜に洗米前のお米を入れ、もう1度ボタンを押します。するとお米の重さが計られて、必要な水の重さが表示されます。内釜を取り出して洗米し、再び炊飯器に戻すと水加減を指示してくれます。あとは0ccになるまで水を入れたら、ふたを閉じて炊飯ボタンを押します。
目盛りを参考に水加減を決める従来のやり方に比べると多少手間はかかりますが、水加減が不安な人でも数字で分かり、常にベストな炊きあがりを維持できるメリットがあります。また、お米の量が1カップに満たないときや、2カップ分フルとは言いがたい微妙な量でも、水加減に神経質にならずに済みます。
炊きあがったご飯ミルキークイーンは、やっぱりのびのびふんわりしていました。ただし、複数の銘柄を食べわけている方は、最初に銘柄の選択変更を忘れないようにご注意ください。
やっぱりIH調理器は便利
炊飯器部分を取り除いたあとに現れるIH調理器、登場のしかたこそ面白いですが、機能や操作で特に奇をてらったところはありません。1,000Wで加熱、揚げ物ボタンがあり、火力を5段階で調節できます。1は約80W相当、2は約200W相当、3は約500W相当、4は約700W相当、5は約1,000W相当で、火力・温度調節ボタンで変更します。
鍋がおいしい今の季節は出番が多くなりそうですが、IH調理器を使わない時でも、いつでも炊飯器の下にあり、収納場所をまったく必要としないところも大きな魅力です。
一台で二度おいしい。シングルライフにちょうどいいサイズ
もう1つ、意外と嬉しいのが洗うパーツが少ないことです。内釜以外は、内蓋と蒸気口キャップの2つだけ。これなら面倒臭がらずに扱えるはず。
RC-IA30を使いながら、台所がとても小さく、コンロが1つしかなかった大学1年生のとき、この炊飯器があったらどれだけ便利だっただろうか、と思いました。
炊飯をしながらIH調理器対応鍋を使って台所のコンロで汁物を作り、炊飯後はコンロでさらに炒めもの、IH調理器では汁物の温めなおしや煮込みなどをしていたに違いありません。
いざとなれば炊飯器で煮込みや蒸し料理もできますし、このIH調理器なら温度設定が楽なので、慣れない揚げものでビクビクすることもなかったでしょう。RC-IA30はこれから独り立ちするお子さんや、単身赴任される方におすすめの炊飯器といえそうです。