家電製品ミニレビュー
コードレス派を唸らせた……! 「トルネオ V」でキャニスター型のメリットを再認識
2016年11月17日 07:30
実は売れているキャニスター型掃除機、そのメリットは?
ここ数年、コードレススティック掃除機の吸引力が高くなり、ふつうの掃除機(キャニスター型掃除機)と遜色ない吸引力を誇るモデルも増えてきた。掃除したいときにさっと使えるコードレスならではの利便性から、これをメイン機として使う人も増えているようだ。
こうなると「今後、掃除機を買い換えるときは、みんなコードレスにするんじゃないの」と思ってしまうが、現実はそうではない。主流はまだまだキャニスターだという。
筆者自身、まとまった掃除の時間をなかなか取ることができないため、「ゴミが気になるな」と思ったときに、すぐに手に取れるコードレスは重宝している。しかし、この「キャニスター主流説」を聞き、これは改めてキャニスターの良さを体感すべきではないかと思い、東芝のサイクロン式クリーナー「TORNEO V(トルネオ ヴイ) VC-MG910」を使ってみることにした。
メーカー名 | 東芝ライフスタイル |
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製品名 | サイクロン式クリーナー 「TORNEO V VC-MG910」 |
実勢価格 | 58,000円 |
東芝のサイクロン式クリーナーの最上位モデルだけあって、アタッチメントが山ほどついている。箱を開けたら、次から次へと出てきて、並べたらこんなにあって驚いた。ふとん専用やすき間ノズルがあるほか、ホースの先、延長管の先にも、それぞれブラシがついている。
サイクロン部には、フィルターレスの「バーティカルトルネードシステム CLEAR」を採用している。12気筒の小さなサイクロンで塵や花粉を99.9%遠心分離し、フィルターレスなので目詰まりせずに強い吸引力が持続するというのがウリだ。一方で、排気のキレイさにもこだわり、数々のフィルターを搭載することで、0.3μm以上の微細な塵を約99.999%捕塵するという。
どんな動きもスムーズで、もはや快感に思える操作性
この掃除機が高機能そうなことは、これらの情報からも伝わってくるが、実際はどうなのだろうか。さっそく掃除してみた。ハンドルの「強/弱」ボタンを押すと、強モードで運転がスタート。ダストカップ内で高速気流が巻き起こり始めた。
で、ハンドルを握り、ヘッドを前に動かすと……軽い! すごく軽い! そっと押すだけで、スーッとなめらかに進むのだ。その軽さも、「ゴミが吸えていない」軽さではない。しっかり床を捉えている感覚はあるのに、滑るように前に進んでいくのだ。
これは、ヘッドブラシが回転するモーター式(自走式)だからというものもあるだろうし、ヘッド・延長管・ホースの重さが、約1.4kgと軽いのもあるだろう。ヘッドを持ち上げての移動も軽々だ。また手首を軽くひねるだけで、思った方向にスムーズに曲がれるので、変な力をかけずに済むのもいい。
この操作性の良さ! なんかもう、さっそくキャニスターの良さが分かってしまった気がした(笑)。コードレスは手元かヘッド近くにモーターやダストボックスなどの重心が来るため、どんなに軽いといっても、操作時に重さを感じることが多い。
また、ハンドルを動かすと、思った以上にヘッドが動いたり、逆に思ったように動かないことも多々ある。トルネオ ヴイは、そういったストレスをほとんど感じさせないのだ。
吸引力も十分!! ゴミ残しまセンサーが大活躍
とはいえ肝心なのは、吸引力。フローリングとカーペットにゴミを撒き、ワンストロークでどれだけゴミが取れるか、テストしてみた。フローリングに撒いたのは重曹。こちらは一度でほぼ吸い残しがなく、壁際の粉もしっかり吸引した。
一方、カーペットには麦茶を撒いたが、こちらは一部、カーペットに絡まったものが残ってしまった。しかし普通に2~3度往復したところで、ほぼキレイになった。吸引力にも不満はない。
使っていて便利に感じるのが、ヘッドの先端のLEDライトだ。常に床を照らしてくれるので、ゴミがちゃんと取れているのが目視でもよく分かる。でも、本当にありがたいと感じるのは「ゴミ残しまセンサー」だ。目にゴミが見えなくても、ゴミがあれば光って知らせ、キレイになると消えるので、掃除のしがいもあるし、やめどきも分かりやすい。
このLEDライトとゴミ残しまセンサーが特に活躍するのが、ベッドやソファの下など、暗くて見えにくい部分だ。入り口付近は、ライトで様子が見えるし、奥のほうを手探りで掃除するときも、ゴミ残しまセンサーが消えるまで掃除すればいいので、非常に分かりやすい。
ちなみにヘッドを外した延長管にも、LEDライトがついているため、家具の隙間など、暗くて見えにくい場所もバッチリ照らしてくれる。もちろん最後は、ゴミ残しまセンサーが頼りだ。
さて、一通り掃除が終わったので、どれほどゴミが溜まったのか、確認してみた。外から見る限りも、結構溜まっているようだが、フタを開けてみたところ……。短時間で溜まったとは思えない量! なかなかの達成感だ。
しかもゴミは圧縮されているため、もうもうとホコリが舞うこともなく、塊で捨てることができた。これらダストボックスやサイクロン部は水洗いできるほか、ヘッドのブラシも水洗いできるだめ、常に清潔に保てるのが嬉しい。
電動ふとんブラシもついて、家中清潔
また冒頭で述べたように、本モデルはアタッチメントが豊富で家中の掃除ができるのがいい。中でも注目が「電動ふとんブラシ」。電動でたたいてダニの死骸やふん、花粉をたたき出し、約21cmの吸い込み口で、一度に多くのハウスダストを取り除けるという。
ふとん専用のクリーナーとは違い、持つのはヘッド部分だけなので軽いし、布団に吸い付きにくいのでスイスイ動かせた。
以上、キャニスター掃除機を使ってみると、やはりコードレスとは違う良さが実感できた。コードが必要だったり、本体を引きずらなくてはいけないものの、本体自体が転がしやすくなっているし、何よりヘッドの操作性がいいので、掃除中の負担が少ない。もちろん充電が切れることもない(笑)。
コードレスがキャニスターに取って代わるのではなく、やはりそれぞれの良さを活かして使い分けるものだと実感した。