家電製品ミニレビュー
「ノクリアX」で足元ポカポカ! 底冷えするわが家も電気カーペットいらず
2016年11月18日 07:30
今年の夏にエアコンを富士通ゼネラル「ノクリア X」(AS-X71F2W)に変えてから、初めての冬を迎える。
夏はほぼつけっぱなしで使用したが、振り返ってみると「暑すぎる」「冷えすぎる」といったことがなく、例年よりもはるかに快適に過ごすことができた。毎年、冷えすぎて体調が悪くなることもあったが、一度もそういったことがなく、もっと早く変えておけばよかったと後悔したほどだ。
ここ数日、急に寒くなってきたので、暖房運転をしてみた。我が家は一戸建てで底冷えするので、電気カーペットなしでは足元が寒い。いつも真っ先に電源を入れているのだが、ノクリアXにしてから全く使わなくなってしまった。
足元がポッカポカで、寒くないのだ。エアコンだけで、これだけ足元が暖かくなるとは思っていなかったため、本当に驚いた。他の部屋にあるエアコンと、部屋が暖まったときの感覚が全く違う。想像以上の心地良さだったので、ノクリアXの暖房機能について、今回はレポートしたい。
メーカー名 | 富士通ゼネラル |
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製品名 | nocria X |
品番 | AS-X71F2W |
適用畳数 | 23畳モデル |
実売価格 | 31万1,020円(ヨドバシ.com) |
毎年、ホットカーペットとエアコンを併用している我が家
ノクリアXの最大の特徴は、ボディ左右に搭載されたサイドファン機構「デュアルブラスター」だ。左右それぞれの側面から空気を取り込んで、中央部の風とは別の気流を生み出す。
エアコンの両側にサーキュレーターを搭載したようなもので、部屋中に空気をかく拌することができるのだ。中央部は控えめ運転でも、気流はサイドファンが別途作ってくれるので、部屋全体がムラなく快適な温度になる。
エアコン本体のセンサーで部屋の温度を計測し、リモコンのセンサーで人のいる場所の温度を測る。さらに床温度センサーで足元まわりの温度もみているので、足元から天井まで、しっかりと計測して室温を調整してくれる。
今年の夏に冷房で初めて体験したが、以前レポートした通り、非常に涼しいのに冷やしすぎず、快適だった。しかし、冬はどうだろうか。我が家は一戸建てで、1階のリビングは足元がとても冷える。マンション等に比べてシビアな環境だが、本当に足元が温まるのか、半信半疑だったのだ。
また、昨年までは、エアコンを運転すると同時に、必ずホットカーペットも使用していた。ホットカーペットの消費電力は660Wと高いので、電気代はかなり高い。
夏よりも冬のほうが光熱費は深刻。一日中、家で仕事をしていることもあるが、冬のピーク時は毎年2.5万円を超えている。
寒くなってきたので、ついに暖房をつけることにした。とりあえずホットカーペットは使用せず、エアコンだけで運転してみることに。
暖気を両サイドのファンから出る風で押さえ込んで足元ポッカポカ
実際に使ってみて驚いたのは、とにかく足元が暖かいこと。ホットカーペットの存在を忘れてしまうほど、ポッカポカなのだ。これは家族全員が感じたことで、あれだけ毎年寒がっていた子供たちが、今年は「寒い」と一度も言わなくなった。
使ってみてなるほどなと思ったのだが、やはりこの両サイドのファンが効いている。
暖房使用時は、サイドファンの気流がエアコンから出てくる暖気の吹き上がりを抑えて、お部屋の隅々まで暖気を拡散できるのだ。暖気を床一面に押し広げ、足元からしっかり暖めることができている。
最近はどのメーカーも、フラグシップモデルはフラップが大きめで、遠くまで風が届くということをセールスポイントにしている。ノクリアXのフラップは全長約10cmもある大型フラップで、真下に温風を送ることができ、ロスのない足元温風が可能となっている。実は、富士通ゼネラルは2003年からビッグフラップを採用しているらしく、勢いよく床面に風が届くようになっている。エアコンのフラップだけでも優秀で、これだけでも十分暖かい。
しかし、フラップだけでは暖房時足元がずっとポカポカ……ということにはなりにくいのだ。
大型フラップで風を挟み込むようにして先をすぼめ、強めの風を出せば、「しぼり効果」で遠くまでしっかり風が届くようになっているが、大きなフラップだけでは、設定温度に達してからあたたかさを継続するのは難しい。
ホースの先をすぼめて水を遠くに飛ばす場合も、水が極端に少なくなってしまったら遠くには飛ばすことはできない。エアコンも同じで、フラップを大きくして暖気の風を挟み込むようにして風を遠くまで届けることができても、ある程度の風量がなければ届かないのだ。
大抵のエアコンは、設定温度に達すると風量も落ちる。せっかく大きなフラップを使っていても、風量不足で上のほうに暖気が滞留してしまう。頭熱足寒になり、顔付近は熱くてボーッとするほどでも、足元は寒いままという状態になるのだ。
ノクリアXは、エアコンの設定温度に達して運転が弱くなっても、両サイドのファンが暖気の吹き上がりを抑えながら、そっと覆いかぶさるように常に暖気を押し広げてくれる。「快適おまかせ気流」モードにしておけば、温度と速さの違う2種類の気流を自動でコントロールしてくれるので、足元が暖かい。
今までのようにエアコンの温風だけだと、その温風は性質上吹き上がってしまう。しかし、サイドファンの風が温風の上にそっと流れながら吹き上がりを押さえることで、暖気を足元方向に押し下げてくれる。結果、床全体がポカポカになっているのだ。あまり信用していなかったが、「床暖効果」を実感することができた。
これは他の部屋の一般的なエアコンとは体感が全く異なる。いつもは2階のほうが暖かく、1階のほうが底冷えしていたのだが、今年の冬は1階のリビングが一番快適だ。2階の一般的なエアコンは、頭あたりは暖かいものの、足元が寒い。
特に嬉しいのが、乾燥しにくいこと。子供が乾燥肌で、冬になると湿度には気を遣っているが、エアコンの風を当てるわけではなく、下のほうがほんわかと暖かいので、肌がカサカサになりにくい。
冬でも便利、外からスマホ操作
無線アダプターを追加してインターネットに接続できるようにしたが、これもよく使っている。
スマホで操作できるのは、冷房、暖房、除湿、自動運転、送風、停止などの操作と、設定温度と風量の変更となっている。タイマー予約などの詳細設定はできないが、いつも操作するのは暖房のON/OFFと設定温度の変更くらいなので、これだけでも十分だ。
夏のときは外からもスマホで操作して、帰ってすぐに涼しい部屋に入ることができたが、冬でも同じように使用している。寒い日でも、あらかじめスマホで操作して、暖かい部屋に帰ることができる。寒々しい部屋に入ると、しばらく動くのが億劫になることがあるが、すぐに家事にとりかかれる。
また、我が家はみんな寒がりなので、子供や旦那は必ずエアコン暖房をつけるのだが、家族が先に帰っていても外から「運転」を確認できるので、もう帰ってきているんだなということがわかる。ちょっとした見守り機能としても活用している。
お手入れも簡単! フィルターがいつもきれい
エアコンのフィルターは自動で掃除をしてくれるため、ほとんど手間がかからない。フィルターにホコリが溜まってしまうと、空気が入りづらくなり、モーターに負荷がかかる。省エネ性が落ちてしまうために、フィルター掃除は大切なお手入れとなるが、ほとんどしなくてもいいため、ラクだ。
我が家には他に2台エアコンがあるが、自動で掃除してくれるタイプははじめて。毎回、大量のホコリに悩まされながら掃除していたが、いつでもピカピカで気持ちがいい。
コタツのようなあたたかさで家族が……
困ったのは、娘がリビングでお昼寝をするようになってしまったこと。座椅子のようなソファがあるのだが、そこで横になるとウトウトしてしまうらしい。昨年まではホットカーペットをつけたり、ブランケットを持ち込んだり、丸まっていたのだが、今年は洋服のまま伸び伸び過ごしている。
そして、学校から帰ってきた子供たちが「ポッカポカで最高なんだよ」と言って、床でゴロンとお昼寝するようになってしまった。夕方に寝られてしまうと、夜に寝られなくなるのでやめてほしいのだが、床が暖かくなって快適らしい。子供たちが帰る頃には、エアコンの温度設定を下げて対策をとることに……。
足元が暖かいので温度設定を抑え、電気カーペットも使わなくなったので、省エネにつながっている。エアコン一台でこれほどまでに足元が暖かくなるとは思わなかったので、正直驚いているところだ。
我が家のように、底冷えする一戸建てでは、最高の暖房だ。サイドファンが暖房使用時にどれくらい効果があるのかと半信半疑だったが、これだけ空調が快適に保たれているのであれば大満足だ。
直接風に当たらず、部屋全体をムラなく快適な空間にしてくれる、頼もしいエアコンだ。特に底冷えで悩む一戸建て住まいの方に、ぜひおすすめしたい。
協力:富士通ゼネラル