家電製品ミニレビュー

シャープの青汁ジューサー「グリーンプレッソ」で野菜をムダなく使いきる

 今回紹介するのは、シャープのスロージューサー「ヘルシオ グリーンプレッソ」。葉野菜も刻まずに投入でき、青汁が作りやすいというジューサーだ。

シャープ「ヘルシオ グリーンプレッソ」
メーカー名シャープ
製品名グリーンプレッソ EJ-GP1
実売価格33,723円

 グリーンプレッソは、1分間に約32回転と低速で食材を搾汁するスロージューサー。熱も水も加えないため、栄養素を壊しにくく、健康的なジュースが作れるという。搾汁の際に、搾りかすと液体を分けて排出するため、繊維が入っていないサラッとした飲み心地が楽しめる。

 シャープはこれまでにもスロージューサーを展開してきたが、グリーンプレッソの特徴は葉野菜を刻まずに投入しやすいこと。従来のスロージューサーでは、葉野菜の繊維が詰まりやすく、投入する前に細かく刻む必要があった。

 しかし、グリーンプレッソでは、素材に合わせた絞り方を可能にする「切り替えダイヤル」を搭載。搾りかす排出口のパッキンの圧力を切り替えることで、葉野菜をそのまま投入してもスムーズに繊維を排出できるという。

正面
「切り替えダイヤル」を搭載し、葉野菜が絞りやすい

レモンがポイント! 「小松菜×りんご」の青汁

 基本的な使い方としては、本体にタンクやスクリューなどのパーツを正しくセットしたら、スイッチを入れて好みの野菜を投入していく。パーツは細かく分解できるため、量が多くて最初は戸惑うが、慣れてしまえば気にせず使える。全てのパーツが正しくはまっていないとスイッチが入らないため、誤動作の心配は少ない。

 さっそく青汁作りをしてみよう。まずは、レシピブックの1番目に載っている「小松菜×りんご」。小松菜1/3束(100g)、りんご1/3個(100g)、レモン1/6個(20g)を投入する。レシピブックの分量がグラムだけでなく、個数でも表示されているのでわかりやすい。

 りんごやレモンは投入口に入りやすいサイズに切り、小松菜は根だけ切ったらあとはそのまま投入口に流すだけでOK。切り替えダイヤルは、「葉物/フローズン」と「果物/野菜」に分かれているが、少しでも葉野菜を入れるときは「葉物/フローズン」にセットする。

タンクやスクリューなどパーツは多い
正しくセットする
電源スイッチ
まずは「小松菜×りんご」の青汁

 食材は、一度に多く入れると詰まって運転が止まるため、投入したものがタンク内にすべて引き込まれているのを確認してから入れるようにする。スクリューはゆっくり回転するため、手軽に搾汁できるイメージではないが、食材がすり潰される「シャリ……シャリ……ズズズ……」と、不規則な音を聞きながら作れるのはなかなか楽しい。

 ある程度食材を投入すると、まず絞りかす排出口から液体が出てきた。なぜジュース排出口ではなく……? と思ったがしばらくするときちんとジュース排出口から液体、搾りかす排出口から繊維が分かれて出てくるようになった。これは食材によって差があるらしいので、気にせず使って良いとのこと。

 すべての食材を絞りきると、コップ0.6杯分くらいの青汁が完成した。味はレモンの酸味が利いていて、美味しくいただけた。普段グリームスムージーなどを飲んでいるので気にならなかったが、葉野菜のジュースに慣れていない人からすると苦く感じるかもしれない。

小松菜は根を切ったらそのまま投入
絞りかすと液体が分かれて出てくる
0.6杯分ほど

 なお、小松菜は葉野菜の中でも辛さが強い。最初はレモンを用意するのが面倒で、小松菜とりんごだけで作ったのだが、辛みが気になって飲みづらかった。レモンを少しでも入れると酸味が勝って辛くなくなったので、しっかりレシピ通りに作ることをオススメしたい。

 搾汁後は、フィルターや搾りかす排出口などに繊維がかなり付いているのできちんと洗う。使い終わった後すぐなら水で流すだけでも十分キレイになる。また、食材投入口から水を流して予備洗浄もできるので、手入れが面倒に感じることはなかった。

スクリューについた絞りかす
排出口にも繊維が付いている
水を入れて予備洗浄もできる

「パプリカ×トマト」も美味しい!

 ほかにも、「にんじん×りんご」や「パプリカ×トマト」、「セロリ×グレープフルーツ」「水菜×キウイ」など、さまざまな野菜ジュース作りに挑戦。サラダなどでは組み合わせることのない果物と野菜も、ジュースにすれば美味しく飲める。ただ、セロリなどは1杯のジュースを作るのに1本まるごと使うため、ちょっともったいなく感じた。冷蔵庫に余っている野菜でオリジナルレシピを作るのも良さそうだ。

 なお、葉野菜を使わないときは、切り替えダイヤルをパッキンの圧力が高い「果物/野菜」にセットする。「葉野菜/フローズン」は圧力を下げており、搾りかすを排出しやすくしている。そのため、パプリカやトマトなどやわらかい食材を使うときに「葉野菜/フローズン」にセットすると、ジュースとなる液体まで搾りかす排出口に流れやすくなるので注意したい。

にんじん×りんご
パプリカ×トマト
セロリ×グレープフルーツ
水菜×キウイ
葉野菜を使わないときは切り替えダイヤルを「果物/野菜」にセットする

絞りかすレシピも豊富

 スロージューサーを使っていて気になるのが、搾りかすの使いみち。繊維などが含まれているので、そのまま捨ててしまうのはもったいない。グリーンプレッソは搾りかすを使ったレシピも豊富に用意しており、さまざまなアレンジ料理を楽しめるのも特徴。

 今回作ったのは、にんじんの搾りかすを使った「にんじん大豆のヘルシーピラフ」。鶏もも肉やにんじんの搾りかすをバターで炒めてコンソメで味付け、研いだお米とともに炊飯器にセットして炊き上げるメニューだ。

レシピブック
にんじんの絞りかすを使った

 レシピには豆乳の絞りかすも使うと書いてあるが、今回は大豆を使うことがなかったのでほうれん草の絞りかすで代用した。普段ならにんじんをみじん切りにする必要があり面倒に思うレシピだが、ジューサーで余った絞りかすを使うだけなのでかなり簡単。炊き上がったピラフは美味しく仕上がり、あっという間に一品完成してしまった。

 レシピブックにはほかにも、葉物野菜の絞りかすを使った「葉野菜カレー」、プチトマトの絞りかすでトマトソースを作るなど、野菜を無駄なく消費できるレシピが載っている。

鶏肉などと炒めて炊飯。簡単に1品完成した

 筆者はこれまでスロージューサーを使っても、絞りかすを活用したレシピが思いつかず捨ててしまっていた。しかし、付属のレシピブックにたくさん絞りかすのレシピが載っていると、自分でも挑戦できそうなメニューが多くて作ってみようという気になれる。

 朝、グリーンプレッソでジュースを作り、絞りかすは冷蔵庫に保存。夜に帰宅したら、余った絞りかすで夕飯を作れば時短にもなる。レシピはウェブ上にも掲載されているので、スマホでサクッと見られるのも嬉しいポイントだ。

傷みそうな食材は凍らせてフローズン用に

 また、フローズン用アタッチメントが付属するため、凍った食材にも対応する。こちらももちろんレシピを用意。ほうれん草やバナナを凍らせてフローズンサラダにしたり、ヨーグルトとイチゴでフローズンヨーグルトを作ったりと、スイーツ作りも楽しめる。

フローズン用アタッチメント(右)に付け替える
装着した様子
凍らせた果物や野菜など
ほうれん草とバナナでフローズンサラダ作り
にょろんとしてる
見た目はなんともだが、ほうれん草の苦味が抑えられて美味しい

 野菜や果物は、青汁作りにと意気込んで買っても使いきれず傷ませてしまうことがあるが、そういったときは凍らせてしまえばOK。特にほうれん草は凍らせることで苦味が抑えられるので、苦手な人にも挑戦してもらいたい。

 ジュースや青汁作りだけでなく、余った食材の調理やフローズンレシピなどにも対応するグリーンプレッソ。野菜をムダなく使い切るキッチン家電としてオススメだ。

イチゴ×フローズンヨーグルト
製氷器で凍らせると投入しやすい
イチゴとヨーグルトが混ざり合っている
砂糖不使用でも甘いスイーツができた

西村 夢音