家電製品ミニレビュー

スムーズな眠りと自然な目覚めを実感! オムロンの「ねむり時間計」はイチオシの快眠グッズ

 布団に入ってもなかなか寝つけない、また、ちゃんと寝たはずなのに目覚めが悪い……。こんな「眠り」の悩みと質の良い眠りをサポートする、オムロンヘルスケアの「ねむり時間計 HSL-003T」を紹介しよう。

オムロンヘルスケア「ねむり時間計 HSL-003T」
メーカーオムロンヘルスケア
製品名ねむり時間計 HSL-003T
実売価格5,370円 (Amazon)

 特徴は、本体に寝返りなどの動きを検地するセンサーを搭載し、スマートフォンの専用アプリと連動させて快適な眠りと目覚めを継続的にサポートすること。起床前の目覚めやすいタイミングを検知して、アラームが鳴る時間を自動で調整してくれる。

 寝つくまでと、起床にどのぐらい時間がかかったかも記録され、データはアプリに保管される。データを元に、自分の眠りの傾向が判定されグラフとして可視化。日々の結果は分析され、健康的な睡眠のアドバイスを示してくれる。

 ユニークなのは、アプリの音声ガイダンスによる3種類の「呼吸トレーニング」。アラームをセットするとガイダンスが流れ、寝る前のリラックスを促して、スムーズな寝つきを誘ってくれる。

ねむり時間計とスマホを連動させる快適な寝つきと起床を実現するグッズだ

 本体は丸みを帯びたスクエア形。大きさは83×83×16mm(幅×奥行き×高さ)で、重さは64g。本体の表面に表示部と(--)マークのボタンがあり、裏側には設定に関するボタンが2つあるだけ。枕元にすんなり置けるシンプルなデザインだ。

 ボタンを押さない限り、表示部には何も表示されない。本体のバッテリーとして、CR2023のボタン電池が同梱されている。

大きさは83×83×16mm(幅×奥行き×高さ)で、重さは64g。枕元にすんなり置ける
裏側に操作ボタンが2つある
バッテリーはCR2023のボタン電池を2個使用。電池寿命は1日1回の使用で約4カ月。専用のドライバーも同梱されている

 ねむり時間計は、その日の睡眠時間を表示してくれる”目覚まし時計“単体としても使用できる。だが、スマホのアプリと併用してこそ本領を発揮するので、ここではアプリと併用した使い方を紹介していこう。専用アプリはiPhoneとAndroidの両方に対応している。

スマホで簡単セッティング

 はじめに、ねむり時間計と併用するアプリを、手持ちのスマートフォンにインストールする。付属のクイックガイドに記載されているQRコードを使えばダウンロードは簡単。一般的なアプリと同様の手順でインストールできた。

 次に、スマホのBluetoothを「ON」にしてからアプリを起動する。最初に立ち上がる利用規約に同意した後は、画面の指示どうりに進めていくだけなので設定は簡単だ。

 アラームの鳴らし方設定時に 「スマホで鳴らす」を選んでおけば、時間設定の手間が省ける。その後に表示されるアラーム関連の選択は、後からゆっくりできるので「次へ」でどんどん進み、ペアリング設定に進むのがいいだろう。

専用のアプリは、付属のクイックガイドに記載されているQRコードを使えばダウンロードは簡単だ
一般的なアプリと同じように専用アプリが簡単にインストールできた。スマホのBluetoothを「ON」にしてからアプリを起動。利用規約に同意して設定を進める

 ペアリング設定も簡単だ。本体裏の「SET」ボタンを長押しして画面に「P ⇆」を表示させてから、同じように画面の指示に進めるだけだ。本体に「OK」が表示されたらペアリングは成功。スマホ画面の「OK」をタップすると、説明付きのホーム画面が立ち上がる。

 なお、専用アプリのシステム系の設定画面は、ホーム画面からいつでも呼び出せる。

機器登録の際「スマホで鳴らす」(右)を選択した方が時間設定もラク
細かな設定は後でもできる(左・中央)のでスキップしてもかまわない。右の画面が出てきたら、機器のセットボタンを長押しして、機器を「ペアリング」できる状態にする
スマホのBlutoothがONなら、サクサクとペアリングが進んだ
スマホと機器のペアリングが成功すると、両方にOKマークが表示される。スマホのOKをタップすると、アプリが立ち上がる
ホーム画面の様子。アラームスタート前は左のような表示。起床してアラームを止めると睡眠時間などが表示される。画面の「?」マークをタップすると、ホーム画面の説明が確認できる
専用アプリのシステム系の設定画面は、画面の右上をタップすれば簡単に呼び出せる

合計11パターンの目覚ましアラーム設定ができる

 目覚ましアラームの設定もスマホ側でできる。アラームをスマホで鳴らす場合はもちろん、本体機器のブザーを鳴らす場合でも、スマホで確認しながらできる。

 アラーム設定はホーム画面の「ねる」をタップし、次の画面の「アラーム」をタップすると設定画面が表示される。ここで「スマホで好きな音を鳴らす」または「機器でブザー音をならす」のいずれかを選択する。

アラームの設定も、アラームの実行も「ねる」をタップ(左)。アラーム設定は画像の「✓」のところをタップする(中央)。アラームの選択、編集は右の画面で行なう

 一般的な目覚まし時計と最も違う点は、アラーム設定が最大11パターン設定できる点だろう。「スマホで好きな音を鳴らす」が8パターン、「機器でブザー音をならす」は3パターン登録できる。しかも、パターン毎に、自分の好みに合わせて細かくカスタマイズでき、編集、削除も自在。

アラーム設定画面の様子。スマホで鳴らす(左)、機器のブザーを鳴らす(中央)で設定できる事が若干変わる。アラーム時刻は1分刻みでできる(右)

 スマホを鳴らすなら、アプリが持つ3パターン(森林・海辺・都会)のアラーム他、スマホに入っている音楽データもアラームとして活用できる。8パターンもあるので、平日・休日と使い分けるだけでなく、毎日違う曲で目覚める、というのも楽しいだろう。

アラームをスマホで鳴らす場合、3パターン(森林・海辺・都会)のアラーム他、スマホの音楽データも活用できる(中央)。眠りにつきながら好きな音楽も選択できる

 設定内容を「登録」する際、「保存のみ」か「機器に反映」かの選択画面が表れる。スマホに設定内容を登録するだけなら「保存のみ」を選択。設定した中から選び、機器に転送するなら「機器に反映」を選択する。

 転送する時は、機器の裏側のSETボタンを押して、機器を通信状態にする必用がある。最初は仕組みを理解するのに少々戸惑ったが、何度か使っているうちにすぐに慣れた。

設定したアラームを機器に転送する様子。機器のSETボタンを押して通信状態にしなければならない

「呼吸トレーニング」で寝つきやすいリラックス状態を整える

 ねむり時間計には、目覚まし時計や他の睡眠アプリには無いユニークな仕掛けが搭載されているのも大きな特徴だ。

 1つは、本機はスムーズな寝つきの条件として呼吸法に着目。就寝時に「リラックスリズム」として、呼吸法ガイダンスを再生してくれるのだ。呼吸法で副交感神経を優位にし、寝つきやすいリラックス状態を促すという。

 アプリの「ねる」を実行すると、具体的な呼吸法のガイダンスが、ゆったりとした音楽に乗って柔らかな女性の声で始まる。

3パターンあるリラックスリズムは、アラームを実行する「ねる」画面(左)から設定できる

 呼吸法は、ヨガ・瞑想・呼吸法の第一人者として活躍している椎名慶子氏監修による「完全呼吸法」、「ソーハム呼吸法」、「カウント呼吸法」、の3つが用意されている。「完全」は深い呼吸によるリラクゼーション、「ソーハム」は脳のリラックス、「カウント」は脳のクールダウンに効果があるという。

呼吸法の説明は、前画像の「リラックスリズムについて」をタップすれば確認できる

 ガイダンスはアラームをスタートすると同時に再生される。就寝の準備を整えベッドに潜り込み、(アラームの設定・選択が済んだ状態で) 「ねる」をタップ。アラームをスタートさせる事が機器に転送されると、呼吸法の再生が始まる。

アラームを機器に転送する様子。転送が終了すると同時に、呼吸法ガイダンス(または選択した音楽)がスタートする

 正直言って呼吸がそれほどまでに寝つきに影響するのか半信半疑だった。だが、身を委ねるようにガイダンスに従って呼吸をしていくと、確かに寝付きがスムーズになったのを実感した。直前まで仕事をしていても、スマホをガンガンにいじっていても、たった数分の呼吸法ガイダンスが終わった頃には、ゆったりとした気分に切り替わっているのだから本当に不思議だ。

 付け加えて、アプリの設定画面で「わたしのおやすみ時刻」が設定できる。設定しておくと「そろそろおやすみ時刻です」と、スマホに就寝時間をポップアップメッセージで知らせてくれる。しかも、おやすみ設定時刻の前後3時間は、機器裏のSETボタンを押さなくても自動的に通信待機状態になる。つまり、おやすみ時刻範囲内に就寝すれば、暫定的に機器裏のSETボタン操作が不要になり、スマホの操作だけでアラームがスタート(機器に反映)できるようになる。

アラームを機器のブザーで鳴らす場合も、途中まではスマホで操作する。機器の(--)ボタンを押して実行する
アプリの設定画面(右)で「わたしのおやすみ時刻」を設定しておけば、寝る時間になるとスマホにメッセージがポップアップする(中央)

「スッキリアラーム」で体が起き出した事を見計らってアラームを鳴らす

 もう1つの仕掛けは「スッキリアラーム」だ。あらかじめ設定しておいたアラーム時刻前に、機器のセンサーが身体の動きの検知をスタート。寝返りが多くなったときなど、目覚めやすいタイミングを見計ってアラームを鳴らしてくれるというもの。設定はアラーム設定画面で、10・20・30・40・60分の6つのパターンから選べる。

 センサーを正しく感知させるためにも、アラームを開始させた機器は、枕元の正しい位置に置かなくてはならない。推奨エリアは、身体の中心から50cm以内とされている。ちゃんと身体の動きを検知するかは、セットボタンの操作で確認ができる。

スッキリアラームは、あらかじめ設定しておいたアラーム時刻前に、機器のセンサーが始動して身体の動きの検知をスタート。目覚めやすいタイミングを見計ってアラームを鳴らしてくれる

 このスッキリアラームは、感心するほどの効果を実感した。

 というのも、今までは最大4個の目覚まし時計をセットするほど目覚めが悪い自分なのに、ねむり時間計「だけ」で驚くほど楽に起床できるようになったからだ。仕事のある日、完全オフの日、3時間ぐらいしか睡眠時間が取れない日など、毎日続けて2週間以上試したのだが、ただの1度も寝過ごさなかったのだ。少なくとも自分には効果テキメンだった。

機器は身体の中心から50cm以内の枕元に設置する

 アラームが鳴る時間の違いも確認できた。スッキリアラームを「30分前から」に設定したが、日によって20分前、10分前、5分前、もしくはオンタイムにアラームが鳴った。センサーがしっかり感知している証だろう。

 アラームを一時的に止めるなら「スヌーズ」、完全に止めて起床するなら「起きる」をスマホで操作する。機器のブザーを鳴らすように設定している場合は、機器の(--)ボタンを押すか、長押し操作をする。アラームを完全に停止すると、その日の睡眠データが機器からスマホへ自動的に転送され、蓄積される。

アラームが鳴った起床時のスマホ画面。スヌーズ、アラームの停止をスマホで行なう。機器のブザーの場合、(--)ボタンを操作する

自身の睡眠を客観視できる、傾向と対策に納得!

 蓄積された毎日の睡眠の様子を元に、睡眠の傾向はグラフ化され、健康的な睡眠へのアドバイスが表示される。グラフは「1日」、「週間」、「体内時計」の3種類。アドバイスは、「ねむりタイプ」として、特徴を9種類の動物にたとえて分類・評価。タイプに見合ったアドバイスをしてくれる。ねむりタイプは1週間刻みでアップデートされ、睡眠改善を長期的に促してくれるのだ。

1日グラフは、昨夜の睡眠時間を24時間の流れで確認できる(中央)。寝つきや起床にかかった時間、スヌーズの回数まで確認できる(右)。「?」で説明文が確認できる(左)

 自宅仕事の自分はどうしても夜中に仕事をすることが多く、就寝、起床時間が乱れがち。結果を公表するのはとてもお恥ずかしい限りだ。2週間のデータから分析されたことは、体内時計に乱れが生じるほど、就寝・起床時刻がバッラバラ……。一方で、睡眠時間は十分。ストンと眠り、パッと起床できているのがわかる。改善点は、とにかく決まった時刻に就寝と起床を心がけろ、ということだ。

週間グラフ(左)は、1週間分の平均睡眠時間が確認できる。体内時計グラフ(中央)は1カ月のデータを元に作成される。就寝時刻、起床時刻のバラつきが可視化される

 自分の生活リズムについて、人に指摘されるのは必ずしも気分の良いものではない。だが、具体的な自分の睡眠傾向が掴めると、おのずと「もう少し早く寝るように心がけよう」という気持ちが素直に沸き起こる。自分の睡眠を冷静に客観視できるのが良い。

は、恥ずかしい!昼夜逆転気味の筆者は「ルーズなライオンタイプ」と判定された。それでも良く寝ているのです(右)

 何よりも嬉しいのは、搭載されている「呼吸法」で本当に寝付きが良くなり、「スッキリアラーム」で確実にパッと目覚められるようになった事だ。それまでは、「寝坊したらどうしよう」という不安で寝つきが悪くなり、目覚めも悪かった事が頻繁にあった。

 ところが、ねむり時間計を使うようになってからは、それらがほぼ解消されたのだ。むしろ「ちゃんと起きられる」という自信がつき、安心して眠れるようになったのは本当に嬉しい驚きだ。

ねむりの特徴は9タイプの動物に例えて分類される。できることなら、パーフェクトを目指したい

 もちろん個人差はあるだろう。だが、価格以上の効果が実感できたのも事実。少しでも睡眠に不安や改善を感じているのなら、是非とも試して欲しい。

藤原 大蔵