家電レビュー
ソニーの着るエアコン、軽くスリムなのに冷却パワフル! 第6世代の実力は?
2026年5月13日 08:04
“着るエアコン”としておなじみの、ソニーのウェアラブルサーモデバイス「REON POCKET」シリーズに、今年は2つの新しいモデルがあります。既に4月にはフラッグシップモデルの「REON POCKET PRO Plus」が先行発売されていますが、5月12日には立て続けに第6世代の最新スタンダードモデル「REON POCKET 6(RNP-6)」が登場しました。
これまでのシリーズが追求してきた軽快な装着性能をさらに研ぎ澄ませつつ、上位のREON POCKET PROの開発から培われた先進的な冷却テクノロジーを惜しみなく投入。2024年モデルのREON POCKET 5と比べて「最大-2℃の冷たさ」を実現しました。
PROとの違いにも注目しながら、REON POCKET 6の実機による体験をレポートします。
スリムなのに「さらに-2℃」の冷たさを実現
REON POCKET 6(以下:RNP-6)における最大の進化のポイントは、スタンダードモデルのコンパクトなサイズ感を維持しながら、フラッグシップモデルであるPROから採用する「DUALサーモモジュール」を搭載したことです。
冷却の要となるペルチェ素子は、1個あたりのサイズが40mm四方だったPROに対して、RNP-6では30mm四方のよりコンパクトなモジュールを採用しています。専用のモジュールにより、限られた電力でも効率よく冷却性能を引き出しやすくなり、さらに本体の小型化や省電力化にも寄与しています。
2基の独立したペルチェ素子を組み込むDUALサーモモジュール構造として、冷却面の温度を前世代のモデルよりもさらに低く抑えています。
メーカーのソニーサーモテクノロジーが独自に実施した検証では、室温35℃の環境下で、被験者が安静状態のまま10分間運転を続けた場合、REON POCKET 5(以下:RNP-5)では23.3℃だった接触部分の体表面温度が、RNP-6では21.1℃まで低下するとされています。
筆者もソニーサーモテクノロジーのデモルームでその実力を体験しました。室温を33〜35℃前後に設定して、計測センサーを取り付けたRNP-6を背中に装着します。REON POCKETアプリから運転モードは「SMART COOL」に設定。オプションは「強冷」を選んでいます。
アプリの画面からは設定されたターゲット温度に向かって、接触部分の体表面温度がスムーズに下がっていく様子が視覚的にもわかります。デバイスは”冷たさ慣れ”を避けるため、数分ほどをかけて抑揚を付けながらターゲット温度の21℃周辺まで到達して、心地よい涼しさが継続します。
35℃ぐらいの環境であれば、RNP-6で十分な冷たさが感じられると思います。このところ日本の夏のシーズンには、35℃を超えてくる猛暑日が続くことがあります。本当に暑い時期には上位のREON POCKET PROシリーズが真価を発揮します。このレポートの結論を先に伝えてしまうと、筆者は「PRO Plusと6の2台持ち」を理想のレオンポケット・スタイルとしておすすめします。
スタンダードモデル初の「くの字」デザイン
冷却効果を最大化するため、RNP-6はPROと同様に本体を特徴的な「くの字」デザインとしています。
REON POCKETは、ペルチェ素子を内蔵するパネルを首もとの肌と直に接触させて使うデバイスです。パネルを肌により密着させた方が冷たさも効率よく伝わることから、背骨のラインにフィットする「くの字」にデザインして、上下に1枚ずつペルチェ素子を組み込む設計をPROから継承しました。
DUALサーモモジュールを効率よく動かすアルゴリズム「コンティニュアスクーリング」により、専用アプリから「SMART COOLモード」を選択すると、安定して快適な涼しさが得られます。
放熱機構にもPROを継承するノウハウが反映されています。RNP-5も、ペルチェ素子の熱をヒートシンクと放熱ファンで外部へ逃がす構造でした。一方、RNP-6ではPROから採用するベイパーチャンバーを追加したことで、2枚の独立したペルチェ素子から発生する熱をより効率よく拡散・放熱できます。つまりは、パワフルな冷却とデバイスの安定性を高い次元で両立させています。
RNP-6のカラーは“ライトグレー”。ソニーのフラッグシップヘッドホン「WH-1000XM6」の“プラチナシルバー”を彷彿とさせます。ホワイトよりもややベージュに近い色合いなので、白いビジネスシャツの下に着用しても透けにくく、ビジネスからカジュアルまで幅広い装いとナチュラルに馴染むと思います。
改良されたネックバンドとエアフローパーツ
装着感の要となるネックバンドにも、大幅な改良が施されました。4月にソニーが発売したREON POCKET PRO Plusと同じ「アダプティブ・ホールドデザイン」を採用しています。
RNP-5のネックバンドよりも、バンドの追従性が高くなっています。内部には柔軟に曲がるメカニカルフレキシブルチューブを備え、首の形状に合わせて自在に形を調整できます。首まわりの推奨サイズは28〜46cmに最適化しています。
ヒンジカバーにスリットを設けているのもPRO Plusから。スリットがストッパーの役割を担うことで、バンドが首もとからズレにくくなります。さらにバンドの先端にはシリコン製のサポーターを配置し、先端が身体にあたるストレスを大きく軽減しています。
装いや好みに合わせて選べるよう、大小2種類のエアフローパーツも同梱しました。大きいサイズの方は先端が伸び縮みして、排気口の角度が変えられる「アジャスタブル・エアフローパーツ」です。RNP-6の本体色に合わせて、エアフローパーツも少しベージュがかった肌着に近い色合いなので、襟元から先端が顔をのぞかせた状態でも目立ちにくくなっています。
RNP-6の上から春もののシャツを1枚羽織ってみましたが、エアフローパーツを伸ばして折り曲げると自然に着こなせると思います。
エアフローパーツは着脱式でありながら、RNP-6の本体と一体感のあるルックスに仕上がっています。本体との“継ぎ目”の部分は、よく目をこらさないと、どこから外れるのかがわからないほどです。
2020年7月に初代REON POCKETが誕生して以来、約6年にわたって磨き上げられてきたエンジニアリングの蓄積が、付属するアクセサリーまで細部の至るところに反映されています。実機に触れながら使い込むほどに、その完成度の高さをあらためて実感できると思います。
海外取材で実感! REON POCKET 6は抜群のハンドリング
筆者が今回の検証で、REON REON POCKET 4POCKET 6の真価を最も強く実感したのは、生活のスピード感や身体の温度変化が、通常の生活よりも大きく移り変わる海外取材の現場でした。
筆者は4月下旬にアメリカのニューヨークを訪れた時に、RNP-6を持参しました。滞在中は日中の気温が25℃近くまで上がり、夜間は10℃前後まで冷え込む気候が続きました。そのうえ、屋内外を頻繁に移動する機会もありました。
このような環境の中にRNP-6を持参して本当に役立ちました。本機はスリムでコンパクトなので、持ち歩きも苦にならず、さらに「ハンドリングの良さ」も際立ちました。首もとに装着した状態で、早歩きで移動してもバンドがしっかりとポジションをキープします。SMART COOLモードによる冷却効果が、身体に無駄なく伝わってきます。
屋外から屋内へ入った際の、冷却効果の「即効性」にも驚きました。筆者は今回の滞在期間中に、アメリカでも公開されたばかりの新作『Michael』を見るため、ホテルから映画館まで、日中の一番暑い時間帯を早歩きで移動しました。館内に入って落ち着いた途端、汗がにじみ始めましたが、RNP-6のスマート冷却モードのオプションを「冷」から「強冷」に切り替えると、本機がターゲット温度としている21℃前後まで数分ほどで到達して、火照った身体の汗を速やかに引かせてくれました。RNP-6の冷却パワーは充実しています。
予告の上映がスタートする直前まで身体を冷やしてから、本体側面にある電源ボタンを押せば即座に動作を止めることができます。もっともRNP-6は動作音も静かなので、一番強いクーリングモードに切り替えても、冷却ファンの動作音は基本的にはとても静かです。筆者は映画鑑賞のマナーとして、電源をオフにしました。
RNP-6は、首もとからの着脱がとても素早くできるサイズ感も魅力的です。例えばスマートフォンをバッグから取り出して、アプリの画面を操作できないような状況でも、本体のボタンを押すだけでON/OFFや冷却レベルの切り替えもできます。カメラを構えたまま、あるいは混雑した公共交通機関の中で、瞬時に最適な設定へ変更できる機動力は、屋外移動の多いユーザーがすぐに魅力を実感できるポイントになると思います。
内蔵バッテリーによる連続稼働時間は、やはりPRO Plusよりも少し短くなります。そのぶん、RNP-6は新型のチャージICを搭載したことで充電にかかる時間を短くしています。60分で80%まで充電できるスピード感を実現しました。例えば移動の合間にモバイルバッテリーでクイックに充電しておくことで、次の移動にも万全の状態で臨めます。これから夏本番を迎えますが、通勤による移動の前、身支度をする時間にもバッテリーを素早く充電できます。
3つのREON POCKETを賢く使いわける
フラッグシップモデルであるPRO Plusと比較すると、RNP-6のキャラクターがより鮮明に浮かび上がります。
PRO Plusは大型バッテリーを活かした圧倒的なスタミナと、SMART COOLモード使用時にはフル充電の状態から最長15時間、ほぼ1日中持続する強力な冷却パワーを備えています。本機については4月の発売時期に詳しくレポートしていますので、あわせてご覧ください。
対して、RNP-6は通勤や短時間の外出、あるいはアクティブに動き回るシーンにおいて、その軽快さとスムーズに着脱できる取り回しの良さ、そしてスマートな操作性が特長です。
RNP-6では冷却性能を高めることを優先した結果、バッテリーの持続時間は前モデルのRNP-5よりも若干短くなっていますが、それを補って余りある機動力と冷却の強さが備わっています。
筆者の場合、真夏のとても暑い時期、あるいはその頃に外出時間が長くなることが予想される日にはPRO Plusを選び、気温が30℃前後に留まる日や、軽快なフットワークが求められる場面ではRNP-6を使い分けたいと考えています。
あるいは標準的な体型の方や、より軽快な装着感を好むユーザーにとって最新モデルのRNP-6は、冷却性能とハンドリングの良さを両立したとてもバランスの良い“着るエアコン”として活躍するはずです。
さらに、2万円を切るエントリーモデルとしてREON POCKET 5も販売が継続されます。冷却パワーは最新のRNP-6に劣りますが、バッテリーのスタミナでは負けていません。“着るエアコンのある生活”を初めて体験して、色々な発見を得たい方には最良の選択肢になると思います。
REON POCKET 6はスマホアプリを介さずにモード切り替えができる本体ボタンの追加、スピード充電機能、防塵防滴仕様の採用など、各所にふだん使いの利便性向上を追求しています。小型化され、カラビナで着脱も簡単にできるようになった外付けウェアラブルセンサー「TAG 2」をセットにしたキットモデルも同時に展開されますが、RNP-6は以前の「TAG 1」との互換性も確保しています。
TAG 1は2023年モデルの「REON POCKET 4」と同時に発売されています。「4から6に買い替え」たり、2025年にTAG 1と一緒にREON POCKET PROを買った方は、TAGはそのまま使い続けることができるので、この機にRNP-6を「本体のみ」アップデートするのも良いかと思います。価格はオープンですが、市場想定価格は本体のみのパッケージが25,000円前後、TAG 2付きのキットは27,500円前後です。
REON POCKET 6は、メーカーであるソニーサーモテクノロジーがPROの企画開発により獲得したノウハウを惜しみなく注ぎ込んだ、スタンダードモデルの集大成として位置付けるべき最新モデルです。暑い夏のフットワークがこれまで以上に軽くなりそうです。
































