家電レビュー
ちょい足し暖房にシロカ「ぽかエコー」が大活躍!
2025年2月4日 08:05
東京は1月に寒さが少し厳しくなったとはいえ、人によっては日中エアコンをつけっぱなしにするほどは寒くない日もあったのではないだろうか。さらに昨今は、電気代が高くなっているため、なんとなく程度だがエアコン利用を抑えたい気持ちも起きがちだ。
そうしたこともあって、2024年11月末に発売されたシロカの「リフレクトヒーター ぽかエコー SH-LF151(以下:ぽかエコー)」を借りて使っている。実売価格は20,000円前後。
これが我が家の環境では大正解だった。同ヒーターのどこが良かったのか、どんな点がフィットしたのかを記していく。
インテリアに馴染みやすいシンプルなデザイン
「ぽかエコー」は、四角と円だけのシンプルな要素でデザインされている。外観は四角いのだが四隅は丸みを帯び、白とグレーとシルバーの本体カラーと合わせて、全体としては柔らかいイメージを作り出している。「わたしオシャレでしょ?」という雰囲気もあまり強すぎないためか、洋室でも和室でもインテリアに溶け込みやすい。
実際に自宅に置いてみると、「意外に大きいな」といったこともなく、製品画像だけでイメージした大きさどおりだった。
本体の天面には、タッチ式の操作パネルが配置されている。出力(消費電力)は200/400/600Wの3段階で切り替えられ、ファンや首振りのオン/オフ、それに1/2/4時間のオフタイマー設定などが可能だ。
必要なエリアをスポットで効果的に暖める
「ぽかエコー」は、前面から見えるほぼ真ん中に、丸型のヒーターが配置されている。熱源であるヒーターは本体背面に向いており、半球形の反射板に熱を反射させて部屋を暖める仕組み。
メーカーの公式サイトには「(搭載されている反射板により)600Wの消費電力でも2倍の1,200W相当のあたたかさに」と記されている。これは「最大出力が600Wなのに、同1,200Wのヒーターと同じくらい部屋をあたためられる」という意味ではない。
反射板やファンを搭載していないヒーターの場合、暖かさが拡散されてしまうという。それらと比べて「ぽかエコー」は、暖かさを集中して狙った場所に届けられるということ。そのポイントに限り「600Wなのに、同1,200Wのヒーターと同じくらいにあたためられる」ということ。あくまでイメージとしては……だが、太陽光エネルギーを集中して照射する、アニメ「機動戦士ガンダム」のソーラ・システムに近いような気がする。スピーカー(音)にたとえれば、音を拡散させずに特定の場所に届けるのに適した、指向性の高いモデルといったところ。
どれくらい暖められるのか、ふすまから70cm離した場所に本機を設置し、ふすまの表面温度を測ってみた(出力600W)。70cmという距離は、いつも筆者が、だいたいこれくらい離して使うと、暖かさがちょうど良いと感じているからだ。これはあくまで実験として行なったものだが、危険なので真似しないでほしい。
結果、照射前の温度が18.4℃だったのが、約50分後に25.5℃になった。意外と低いけれど、日中の室温が17〜19℃前後だと、このくらいで十分で、長時間当たっている場合には出力を200Wや400Wに落としてちょうど良いくらいだ。
ただしスタンドを使わずに床に直に置いた場合でも、床面はほんのりと暖かくなる程度なので、足先が冷えるという人は、また別の対策を取る必要があるだろう。
ちなみに本体前面から30cmくらいのところで手をかざしていると、10〜20秒くらいでやけどするかも……というほど熱くなる(出力600W)。もちろん本体の前面を直接触ればものすごく熱いはず。
本体前面は勇気がなくて触れずにいるが、天面や側面、背面は、一瞬触って「アチチッ!!」となるほどではない。出力600Wで1時間稼働させた後に測った温度は、それぞれ36.2 ℃、31.5 ℃、44.9℃。
背面の44.9℃に関しては、最も熱い狭い範囲を測った場合の温度で、背面でもそこを除いた場所は、ずっと触っていても温かいくらいにしか感じない。メーカーの取扱説明書には、本体の後方は壁から4.5cm以上離すよう注意されている。試しにふすまから5cm離して1時間くらい使ってみたが、ふすまの表面温度が上がった様子はなかった。
本体の前面以外はそれほど熱くならなかった……とはいえ、衣類などの可燃物が接触したまま稼働させるのは危険だし、乳幼児がいる家庭にはおすすめしない。
本体前面の下部には約30cm以内の物を検知する赤外線センサーが搭載されている。試しにセンサーを手で遮ると、すぐに自動で運転が停止した。ただし、この「安心センサー」は、出荷時には「切」に設定されている。初めて使う時には「首振り」ボタンを3秒長押しして「(安心センサーを)入」にしておきたい。
また上述の通り、この「安心センサー」は本体前面の“下部”に配置されている。例えば子供やペットなどが近づき過ぎれば反応するだろうが、タオルや衣類が本体の上部半分を覆ってしまっても、このセンサー部まで覆わなければ停止することはない。その場合は「異常過熱検知機能」で停止する可能性もあるが、いずれにしても期待しすぎるのは禁物だ。
そのほか運転中に強い衝撃や揺れがあった時、本体が倒れたり傾いた時には「転倒・振動検知機能」が働き、ただちに停止する。
ちょい足し暖房として春まで活躍する
筆者の場合は、下半身をコタツで温めて手元をはじめ上半身を「ぽかエコー」で温めている。そのほか別の部屋のテーブルで仕事をする場合には、同機で主に足元を狙って設置している。
部屋の空間をくまなく暖めるエアコンや大型のファンヒーターなどとは違い、当世風にいえば「ちょい足し暖房」や「スポット暖房」といった使い方だ。
筆者は使わなかったので詳細を記さなかったが、本機にはスタンドも付属している。またファン機能を搭載するほか、自動の首振り機能も備えている。ファンに関しては、本当に若干だが暖かさを広める効果が期待できるかもしれない。
冬でも寒さが和らぐ日があると、暖かい春はもうすぐ来るんじゃないか? とも思ってしまいそうだが、2月は今季最強とされる寒波の到来など、油断はできないだろう。「ぽかエコー」の活躍も、まだまだ続きそうだ。