家電レビュー
おつまみもスイーツも作れる! 挟んでプレスするだけのせんべいメーカーが面白い
2025年2月7日 08:05
堅焼き、薄焼き、海苔、ごまなど、せんべいには幅広い種類があります。草加せんべい、ぬれせんべい、炭酸せんべいといったご当地せんべいも有名です。スーパーのお菓子コーナーにも数多くのラインナップが揃いますが、日常で焼きたてのせんべいを食べる機会はそうそうありません。
でも、サンコーの「せんべいメーカー」を使うと、味も大きさも自分好みに調節できる上、できたてを食べられます。さらに好きな食材を挟んでプレスするだけの簡単操作でオリジナルせんべいを作れるのも魅力。そこで、実機を借りてさまざまなせんべい作りに挑戦しました。その使用感やレビューをたっぷりお伝えします。
好きな食材を挟んでプレス! 簡単にせんべいが作れる
サンコー「プレスでパリパリなんでもせんべいメーカー2」は、身近にあるさまざまな食材を挟み、プレスするだけで簡単にせんべいが作れる調理家電です。直販価格は4,980円。
使い方もとてもシンプルです。上下に配置されている2枚のプレートを加熱し、十分に温まったら下側に食材を乗せ、上側のプレートを被せて挟み、付属のハンドルを使って上から圧力をかけるだけ。使用する食材により、数秒から数分ほどでおいしいせんべいが焼き上がります。
一般的なせんべいの基本の材料はお米ですが、本機はタコやイカをはじめ、パン、おにぎり、まんじゅうなど好みの食材を使ったオリジナルせんべい作りが可能。加えて、その場で焼き上がったばかりの熱々&パリッとしたせんべいを食べられるのもうれしいポイントです。
商品名に「2」のワードが入っていることから想像できるとおり、本機には前モデルが存在します。従来機よりもハンドルの強度が上がってプレスしやすく、プレートにくぼみを施すことで具材のはみ出しを軽減できるようになったところが、今回の改良点です。
実際に使用したところ、確かにハンドルは押しやすく、プレートから具材がはみ出したり、水分が漏れたりすることはなかったです。余った白ご飯を使い、白ごま、青のり、だし醤油、ごま油を加えて混ぜ合わせたものを焼いたところ、お米の粒感が残る、パリパリで香ばしいせんべいが完成しました。特別な材料をわざわざ用意しなくても、家のあるものを使っておいしくアレンジできるのは良いと思いました。
おやつ・おつまみ作りにもぴったり! 流行りのスイーツも手軽に作れる
本機ではさまざまな食材をプレスしながら焼き上げられますが、直径8cm以下、厚さ3cm以下のサイズのものを使うのがポイント。サイズオーバーすると、プレートからはみ出してうまく焼けなかったり、ハンドルに過度な負担をかけて故障の原因となったりする可能性があるので気を付けましょう。
注意点を守れば、使用する食材はほぼ何でもOK。タコ、イカ、エビといった魚介をまるごと使えるほか、炊いたご飯、ゆでた麺、パン、まんじゅうなどあらゆる食材をプレスしてせんべいを作れます。
魚介類を使ったせんべいは、おやつやお茶請けはもちろん、おつまみにもうってつけ。あらかじめ熱したプレートに釜揚げしらす、水で溶いた粘度高めの米粉(小麦粉でもOK)を乗せ、数十秒ほどプレスして焼いたところ、パリパリのせんべいに仕上がりました。しらすに強い塩味があったため、味つけをする必要もなく、簡単にお酒に合う一品を作れるのは良いと思いました。
なお本機は約45~230℃の範囲で無段階での温度調節が可能です。温度コントロールは、電源部に配置されている温度調整ダイヤルを回すだけ。プラグをコンセントに差し込むと電源がオンになり、POWERランプ(赤色)が点灯するので、ダイヤルを回して好みの温度帯に設定します。ダイヤルを温度調節開始位置からMAXの間に合わせると加熱がはじまり、プレートが温まる仕組み。加熱中、プレートは閉じたままにしておきます。
食材に焦げ目をつけたくない場合は中温程度でじっくり焼き、パリッと仕上げたいときは中温~MAXに設定して高火力で焼き上げるのがおすすめです。
READYランプ(緑色)が点灯すればプレートが温まったサイン。食材を乗せて調理を開始できます。メーカー公式サイトの記載によると、プレートの中心よりもやや奥側に食材を乗せるのが上手に焼くコツなのだそう。
ちなみに、ダイヤルをMAXに合わせてREADYランプ点灯までに要する時間を計ったところ、約3分かかりました。そのため、プレートが温まるまでの間、材料を準備したり、下ごしらえをしたりすれば待ち時間を有効に使えると思いました。
小さな乾燥エビやカニカマなどを使い、青のりもプラスして、しらすせんべいと同様の方法で調理したところ、カラフルな海鮮せんべいがたくさんできあがりました。魚介類を使うとカルシウムなどの栄養も摂れるのも利点です。
そのほか、クロワッサンと中ザラ糖を使って韓国のクルンジ風スイーツ、あんまんやカレーまんをプレスして焼き上げる中華まんせんべいなど、アイデア次第で多彩なオリジナルせんべいを作れるのが楽しいと思いました。お菓子作りが好きな人にもおすすめです。
蒸気が出るのでヤケドに注意!
変わり種では、ゆでたパスタや中華麺を使ったせんべいも面白いです。筆者は焼きそば風のせんべいを作ってみようと、ゆでた中華めんにソースで味をつけ、紅ショウガと青のりを加えて調理してみました。
具材に含まれる水分が多かったためか、温度調整ダイヤルをMAXに合わせて加熱しても、表面をパリッと仕上げるのに何分かかかりました。
できあがった焼きそばせんべいは、かた焼きそばとも異なる、これまで食べたことのないパリパリとした食感。表面が香ばしく、風味はソース焼きそばというユニークな一品でした。麺の種類や味つけを変えることで、まだまだ面白いせんべいを作れそうだと思いました。
水分量が多い食材を使用する際は、調理に時間がかかることに加えて、加熱中に水蒸気が上がるのも注意点です。プレートのすき間などから熱い蒸気が出てくるため、ハンドルを持ってプレスをかけているときはヤケドをしないように気をつける必要があります。水分量が多いほど、蒸気の量も増えるので注意しましょう。
拭くだけの簡単お手入れ! ケーブルもスマートに収納できる
本機は構造上、水洗いができません。そのため、使用後はかたくしぼった布巾などを使って汚れを拭き取ります。よほど油分が多い食材でなければ、サッと拭くだけできれいになるので、お手入れがとても簡単です。汚れが気になるときは、洗剤を薄めたお湯に布巾を浸して、かたく絞ってから拭き取ります。
取り扱い説明書では、プレートが完全に冷めてからお手入れをするように推奨されていますが、完全に冷め切らないうちに汚れを拭き取った方が、汚れ落ちが良いように感じました。ただし、ヤケドをしない程度に冷めるまで待った方が良いのは確かです。
調理家電の電源コードは収納しづらいことが多いですが、本機では本体下部の脚部分に巻きつけることが可能。見た目がスッキリする上、保管しやすいのもうれしいポイントです。
本機は、食材を挟んでプレスして焼くだけというシンプルな機能ですが、使用する材料、味つけなどを変えることでバラエティ豊かなせんべいやスイーツを作れるのがスゴイところ。人が集まるイベントやパーティーなどのおもてなしメニューのひとつとして、できたてを提供すると目新しくて喜ばれそうです。
我が家の子供たちに好評だったのは、市販のミニクリームクロワッサンで作ったクルンジ風の一品。もともと甘いので味つけの必要がなく、高温で数秒プレスするだけなので、手間も時間もかかりませんでした。複数個を同時に調理できるのもミニサイズならでは。子供のおやつ作りにぴったりの食材です。
本機は「せんべいメーカー」という名前ではありますが、スイーツ作りにも活用できるのが良いと思いました。せんべいが好きな人はもちろん、手軽に焼きたてのおやつやおつまみを楽しみたい人にもおすすめの調理家電です。