家電レビュー

1人用こたつ、ポカポカ快適でした 狭くても使える

LITHON(ライソン)「巻くコタツ くるみプラス ~着る毛布付き~ KSHT-004A」

寒い季節になるとなかなか出たくなくなるのがこたつ。冷えがちな足を温めるのにぴったりの暖房器具ですが、いざ設置すると部屋が狭く感じる、掃除がしづらいなどのデメリットもあり、使用しない家庭も増えているのだとか。

同様の理由で筆者宅もこたつを設置せず、エアコンやファンヒーターなどで暖を取っていたのですが、やはり足元が冷えるのが悩みでした。足冷え防止に何か良いアイテムはないかと探していたところ、ライソン「巻くコタツ くるみプラス ~着る毛布付き~」(直販価格は9,980円)の存在を知り、さっそく使ってみることにしました。

新しい1人用こたつ! 足の周りがぬくぬくあたたかい

ライソン「巻くコタツ くるみプラス ~着る毛布付き~」は、足元をぐるりと囲める“パネルヒーター(巻くコタツ)”と、“頭からかぶって着用する毛布(着る毛布)”がセットになった、パーソナル暖房器具です。パネルヒーターをバケツのような形になるよう設置し、足を入れて毛布を着用して裾部分で上部を覆うようにすれば1人用こたつが完成します。

1人用こたつが簡単に完成

バケツ型に組み立てたパネルヒーターは、大人の足がすっぽり入ります。ふくらはぎあたりまで高さがあるので、膝から下の足回りはぬくぬく暖かく、快適です。

大人の足がすっぽり入る
ふくらはぎあたりまで高さがある

パネルヒーターの底になる部分には、“足裏加熱マット”が付いています。床からの冷気をシャットアウトするだけでなく、つま先や足裏をじんわりと温めてくれるので、末端冷え性の筆者でも足の冷えを感じませんでした。ちなみに足裏加熱マットの表面にはPVC素材が採用されており、汚れや水濡れに強く、お手入れもしやすいです。

足裏加熱マット

パネルヒーターはアルミ箔フィルムヒーターの採用により、約30秒で急速に加熱されるので、すぐに温まるのも魅力。外側には断熱性、保温性、防水性などに優れたXPE(架橋発泡ポリエチレン)素材が使われていて、熱が逃げにくく効率良く温められる仕組みです。

このパネルヒーターと足裏加熱マットの相乗効果で、足回りはかなりポカポカ。私たちがよく知っている、あのこたつとは異なるビジュアルですが、1人用こたつの呼び名にふさわしい暖房器具だと思いました。

“着る毛布”は必ず着用すべし! 熱を逃がさず、体もポカポカ

パネルヒーターは開いて使用することも可能。床に座って使うときは、バケツ型よりも、側面をオープンにした方が使いやすいです。

パネルヒーターは開いて使用することも可能
床に座って使うときは、側面をオープンにした方が使いやすい

ただし、すき間から熱が逃げやすいので、本機の利点を生かすならパネルヒーターはバケツ型にして使う方が良いと思いました。加えて、付属の“着る毛布”を併用することもマストだと実感しました。「バケツ型のパネルヒーター+着る毛布」の組み合わせは、筆者の中ではパーフェクトと言って良いくらいの快適な1人用こたつだったからです。

毛布のサイズは約70×150cm。スリット部分から頭を通してかぶると、体の前側がすっぽり隠れます。160cmの筆者が着用すると、前側は足首までの長さがあり、後ろ側は背中の半分くらいまでが隠れるサイズ感です。

毛布のサイズは約70×150cm
スリット部分から頭を通してかぶる
体の前側がすっぽり隠れる

生地は肌ざわりが良いものの、薄手なので、使用前は本当に体がポカポカになるのか半信半疑でした。でも、パネルヒーターを組み立てて毛布をかぶり、熱が逃げないように裾でヒーター上部をしっかり覆って使ったところ、想像以上に暖かくて驚きました。

毛布の生地は薄手
毛布の裾でヒーター上部を覆うと想像以上に暖かかった

本機は3段階の温度設定(高:約50℃、中:約45℃、低:約40℃)が可能です。ヒーターに付いているボタンを長押しして電源を入れると、すぐに高温(赤ライトが点灯)で加熱がスタートします。以後はボタンを押すたびに中温(緑ライト)、低温(青ライト)に切り替わり、もう一度押すと再び高温に戻る仕組み。温度がループするので、ヒーターを切りたい場合はボタンを長押ししてオフにします。

ボタンを長押しして電源を入れると高温(約50℃)で加熱スタート
中温(約45℃)
低温(約40℃)

寒がりの筆者は、もちろん“高温”と思っていたのですが、バケツ型ヒーターと着る毛布で暖を取っていると、足裏加熱マットの発熱も相まって足回りが熱く感じるほど暖まり、中温、場合によっては低温に温度を下げたほど。(ちなみに、取扱説明書には、裸足や靴下を履いた状態で長時間使用すると低温やけどの可能性があるため、スリッパや靴を着用するようにとの注意書きがあります)

毛布を着用していると、膝上、腿に加えて上半身も冷えを感じにくいので、本機を使う際は毛布を併用するべきだと思いました。

なお、パネルを開いた状態で毛布をかける方法も試したのですが、どうしても隙間ができてしまい、熱が逃げて本機の実力を出し切れない印象を受けました。やはりバケツ型のパネルヒーターに足を入れて毛布で覆うスタイルがおすすめです。

パネルを開いた状態で毛布をかけても、隙間から熱が逃げてしまう

そうは言っても、やはり真冬に本機だけで温まろうとするのは厳しいかなと思いました。晴れて日中の気温が高めの時間帯や、断熱性に優れた家に住んでいる場合は別として、毛布で覆いきれない腕や手先は冷えを感じることがあるので、他の暖房器具や防寒グッズを一緒に使うのが理想です。

倒れたら自動で電源OFF! 安全にも配慮されている

本機は安全にも配慮されています。まず、電源プラグをコンセントに差し込んでも、平らな場所でパネルをきちんと立てた状態でないと、ボタンを押しても電源が入りません。また、パネルが傾いていたり、倒れてしまったりといった場合は、自動で運転が停止する設計です。

平らな場所でパネルをきちんと立てた状態でないと電源が入らない
パネルが傾いたり、倒れたりすると自動で運転が停止する

加えて、自動オフタイマー機能が搭載されており、使用から約4時間経つと自動で電源がオフになります。うっかり電源を入れっぱなしにしても、自動でオフになるので心強いなと思いました。

自動オフタイマー機能により約4時間経つと電源がオフになる

省電力でお財布にやさしい! 省スペースで設置できるのもうれしい

本機の消費電力は195Wほど。一般的なこたつの消費電力が300~600Wとされているので、電気料金をおさえられるのも魅力です。

ランニングコストが安いのもありがたいのですが、何よりも好きな場所に省スペースで設置できるのがうれしいなと思いました。パネルヒーターの組み立て時のサイズは42×32.5cm(直径×高さ)ほど。サイズがコンパクトである上、移動もラクにできるので、机やテーブルの下に設置すれば、かつての日本の冬の風物詩“こたつでみかん”も再現できます。

ワーキングデスクの下に設置すると、こたつにあたりながら仕事をすることも可能。毛布を着用していても、デスクワークの邪魔になることはほとんどありません。いわゆるこたつとは異なりますが、十分なほど暖かく、仕事中もポカポカ快適なので、1度使うと手放せなくなるあったかグッズだなと思いました。オフィスではさすがに使いづらいですが、冬の在宅ワークにはうってつけの暖房器具です。

使用しないときは、毛布と一緒にくるくる丸めて付属のバンドで留めておけば収納場所をとりません。丸めると、箱ティッシュ2箱を重ねた状態より少し大きいくらいのサイズになるので、保管しやすいと思いました。

ライソン「巻くコタツ くるみプラス ~着る毛布付き~」は省スペースで設置できるので部屋が狭くならないですし、掃除しづらいこともありません。筆者のように、末端や足元の冷えに悩んでいる人は、本機の購入を検討してみてはいかがでしょうか。

収納時は毛布と一緒に丸めて、付属のバンドで留める
丸めると箱ティッシュ2箱分より少し大きいくらい
野本 美樹