家電レビュー
紙パックでゴミ捨てがラク! シロカ「らくらクリーナー」
2024年5月13日 08:05
いまメーカー各社から紙パック式のスティック掃除機が、続々とリリースされている。選択肢が増えたことで、これまで紙パック式が欲しかったけれど、自分に合うモデルがなかったという人には朗報だ。
そんななか、2月にはシロカからも新たに紙パック式コードレススティッククリーナー「らくらクリーナー SV-SK151」が発売された。直販価格は24,860円。さっそく実機を借りて、その実力を試してみた。
必要十分な吸引力で気軽に使える
まずは箱から出して、組み立てを開始。本体は大きく、バッテリーを内蔵するハンドル部、モーターと紙パックを収納するモーター部、それに延長パイプとフロアヘッドで構成されている。
ユニークなポイントは、いずれのパーツも、接続部の口径が同じ点。つまり、ハンドル→モーター部→延長パイプ→フロアヘッドの順で組み立てて使っても良いし、モーター部と延長パイプの順番を逆にして接続しても使える。
これは何が便利かというと、重量のあるモーター部を下にして取り回ししやすくもできるし、モーター部を上にすれば、ベッドやソファ下のような狭いすき間掃除にも対応しやすい。また、延長パイプを外せば、短いハンディクリーナーとしても役立てられる。
いずれの形にしても、一般的な掃除機と同じように使える。操作は簡単で、ハンドル部にある電源ボタンを押すことでON/OFFでき、運転切替ボタンで強/標準を切り替えられる。メーカーの仕様表によれば、強で約15分、標準で約25分の掃除が可能。少人数世帯の都心のマンションであれば、部屋のほとんどを掃除できるだろう。また一戸建てなどで掃除範囲が広い場合には、サブの掃除機として使える稼働時間といえる。
吸引力は一般的という印象で、この手ごろな価格ながら他メーカー製に劣っているとも思えない。掃除中に「これはいいな」と思ったのは、排気口の位置が横向きではなく、本体前面に配置されている点。このため前方斜め上に排気される。特にハンディクリーナーとして使った時に、横方向に排気されるモデルと異なり、床などのゴミをまき散らすことがなかった。
多くの人がメインで使うだろうフロアヘッドは、ローラーなどがなく、中央に穴が開けられているだけのシンプル設計だ。そのため、比較的に大きなゴミでもスルッと吸い込む。例えばクシャッと丸まったティッシュはもちろん、ブロック玩具やプラモデルのパーツなども抵抗なく吸い込むし、玄関などに落ちている細かい砂利なども難なく吸引する。
フロアヘッドの構造で、好みが大きく分かれそうなのが、直進性を付加するパーツがないこと。いちおうフロアヘッドの裏側、床に接地する面には、4つのタイヤが配置されている。だが、実際に掃除してみると、アイススケートのように……というのは少しいい過ぎだが、ほとんどなんの抵抗もなく前後はもちろん左右や斜めにも動かせた。
一方でヘッドにモーターが付いた製品のような直進性はないため、もし曲がらずまっすぐ前後に動かしたいなら、筆者にとってはそうとう意識してハンドル操作する必要があった。
これを掃除しやすいと感じるか、掃除しにくいと思うかは、人それぞれだろう。ちなみに筆者は、もう少しで良いので直進性がほしいと感じた。直進性がないと、床を隅から規則正しく掃除していくのが、難しいように感じるためだ。一方、壁際などでは、フロアヘッドを横にスライドさせながら掃除できるので、便利ともいえる。この点は、本当に好みだろう。
ゴミ捨てが簡単な紙パック式
「らくらクリーナー SV-SK151」で最も重要なのは、紙パック式だということ。製品の梱包を解くと、まずは紙パック1つが、既に本体に装着されている。その他に、同じ使い捨ての紙パックの予備が、6枚同梱。紙パックの交換目安が約1カ月に1回なので、購入してから約7カ月は、追加購入せずに使えるということだ(もちろんゴミの量により異なる)。
また「交換用の紙パックを切らせてしまった!」という時に困らないよう、使い捨てではない不織布製のダストバッグが付属。紙パックと同じように使えるうえ、溜まったゴミを捨てれば、繰り返し使える。これは、紙パックのストックを切らせてしまう、筆者を含む多くのウッカリさんにとって、とてもうれしい付属品だ。
なお、交換用の純正紙パックは、シロカのオンラインストアで購入可能(6枚入りが660円)。
紙パックにゴミが溜まり交換時期になると、本体の「点検ランプ」が赤色に点灯する。
ゴミが溜まった紙パックの処理は、とても容易だ。紙パックが収納されているモーター部にあるボタンを押すと、カパッとカバーが開いて、装着されている紙パックが見える。この紙パックは、ホルダーと呼ばれるアダプターに装着されている。そのホルダーごと引っ張っると、紙パックも外れる。あとはゴミ箱の上で、ホルダーの両端にあるツマミを押せば、紙パックが落ちていく。ほとんど手を汚さずにゴミ処理ができるのは、やはり紙パック式の利点だなと実感する。
意外と便利かもしれない充電方法
同機に充電スタンドは付属しない。同梱の電源ケーブルを、バッテリー内蔵のハンドル部に直挿しすれば、充電開始だ。
使っているうちに気がついたのは、ハンドル部をモーター部などから外しても、なんら問題なく充電できること。例えば掃除機を置いておきたい場所と、コンセントが離れている場合には、このハンドル部だけを外して充電できるということ。例えば本体部はクローゼットの中などに収納し、ハンドル部だけを充電しておくといったこともできる。
またバッテリーをハンドルから取り外せるのも、うれしいポイントだ。外す際は、ハンドル上部の「電池ロック解除レバー」をスライドさせながらバッテリーを引っこ抜くだけ。少し力が必要だが、難しくはない。
バッテリーが外せるため、数年後に同機を使わなくなって、処分したくなった時にラクだ。バッテリーだけは家電量販店などで処分し、そのほかは粗大ゴミとして処理可能となる。
また今後、対応バッテリーが販売されるようになれば、バッテリーを交換したり、スペアのバッテリーを用意したりできる。
紙パック式でリーズナブルな価格の選択肢
昨今のコードレスクリーナーは、軽量化がトレンドだ。その点、シロカの「らくらクリーナー SV-SK151」のスティッククリーナーでの使用時は約1.55kgと、軽いとはいえない。延長パイプを外してハンディクリーナーとして使う際には、正直、重たいとすら感じた。ただ、筆者の家では、ハンディクリーナーとして使う回数は多くないので、この辺を気にするかどうかは人によるだろう。
同機は、コードレスのスティッククリーナーで紙パック式を採用しているのがポイント。さらに機能や付属品を最低限とし、実売価格25,000円前後を実現している。紙パック式のリーズナブルモデル……しかもスッキリとしたデザインのコードレスクリーナーを探しているのなら、買い替え候補として挙げて良い掃除機といえる。