家電レビュー

アクアのハンディクリーナーは、最も汚れが気になるリビングに置きたい

コードレスハンディクリーナー「HANDY DUO! (ハンディ デュオ) AQC-HH700」

我が家では、畳敷きの和室をリビングのように使っている。座るのは座椅子で食事はちゃぶ台……現代風に言えばローテーブルで過ごす時間が長い。そうした生活では床までの距離が近いため、床の上の細かいゴミや髪の毛が気になることがある。そこでササッと掃除したいと思うことも多いのだ。

アクア(AQUA)のコードレスハンディクリーナー「HANDY DUO! (ハンディ デュオ) AQC-HH700」は、そうしたニーズに応えてくれるかも、ということで同機を使ってみることにした。

梱包品を床に並べてみた

発売時の店頭予想価格が22,000円ということで、ハンディクリーナーとしては安くない製品だ。まずは厳重かつ丁寧な梱包を解いて、いくつものパーツを取り出した。本体に付属の専用バッテリーを装着し、主に2パーツに分かれている充電台を組み立てる。その充電台に本体をカチッとセットすれば、充電が開始される(電源コードをACコンセントにつなげる必要がある)。

本体のダストカップは半透明で、フィルターもよく見える。このあと掃除をしてみると、ゴミが溜まっていく様子がわかりやすかった。なおフィルターは、メッシュフィルターとダストフィルターの2つを搭載。いずれも水洗いが可能だが、ダストフィルターについては消耗品なので、破れたり吸引力が弱くなったと感じたら、交換する必要がある(別売の交換用フィルターの価格は770円)。

充電器は取り外しが可能。こちらも運転時間が短くなったら(バッテリーがヘタったと感じたら)、別売の交換用バッテリーと取り替えられる(価格は12,100円)。

付属の充電台を組み立てて本体をセット(充電)
半透明のダストカップからはフィルターが見える。掃除すると、ゴミが溜まっていく様子が分かりやすい
フィルターは、メッシュフィルターとダストフィルターがある。いずれも水洗いが可能だ
本体の白い部分は、柔らかい触り心地。プラスチックなのだが、少ししっとりとして高級感がある

フル充電された本体を取り出して、電源ボタンを押すと、ブフォ〜っと音がして掃除が始められる状態になる。床の上の見えるゴミをササッと掃除してみる。吸引力は抜群で、小さなゴミやホコリを勢いよく吸い込んでいく。

勢いよくゴミやホコリを吸い込んでいく

そのまま使っても良いのだが、筆者はもっと本格的な床掃除がしたい。ということで、付属する3つのノズルの中から「ミニ回転ノズル」を本体先端に取り付けてみた。ノズルを装着して電源を押すと、まさにノズル内のブラシが高速回転する。そのまま座りながら畳の床を掃除していく。今度は長い髪の毛も巻き込みながら取り除いていった。気持ちがいい。

ただしブラシというか吸引口の幅が、一般的なスティッククリーナーと比べて狭いため、床全体をきれいにしようとすると、なかなか大変だ。やはりハンディクリーナーは、広い範囲を掃除するというよりは、気になるところをササッと掃除するか、念入りに掃除するのに適していると感じた(当たり前だが……)。

なお、吸引モードは「強」と「弱」で切り替えられ、「強」で掃除した際のバッテリー駆動時間は、だいたい7〜8分だ。

「ミニ回転ノズル」を本体先端に装着
ノズル内に回転ブラシを備えている

例えばテレビの裏側に溜まったホコリを掃除するのには、最も適している。本体の先端にはLEDライトを搭載するため、ホコリなどが視認しやすいのもポイント。またクルマの車内清掃にも適しているだろう。屋根付きの駐車場で、車内が暗くなりがちでも、LEDライトで照らしながら掃除できるのは良いだろう。

テレビの裏側を掃除。LEDで照らしてくれるので、溜まっているホコリが視認しやすい

もう一つ気になったのは、排気口の位置と向き。一般的な長いスティッククリーナーのように、同機を含むハンディクリーナーには延長パイプがない。当然、排気口と床との距離が近く、電源を入れると、本体の両脇から勢いよく風が出てくるのだ。その風を考えないで掃除を始めると、逆にゴミを散らかすことになりかねないので、注意が必要だ。

エアコンのフィルターを掃除するのに大活躍した(3wayノズルを装着)
ついでにエアコン本体も掃除した

ブロワー機能も備えている

「HANDY DUO! (ハンディ デュオ) AQC-HH700」には、ブロワーノズルが付属している。風を吹き付けるブロワー機能を使う時に装着するノズルだ。例えば窓サッシに溜まったホコリや、クルマの車内のゴミを、吹き出すのに便利。

使いたい時は、まず本体のダストカップ部分を外す。代わりに、本体の両脇にある排気口をしっかりと覆うように、ブロワーノズルを本体に装着する。この状態で電源ボタンをオンにすると、今まで吸い込んでいた空気を、排気口から出られなくすることで、ブロワーノズルの先端から排出する。

本体からダストカップ部分を取り外し、ブロワーノズルを取り付ける
ブロワーノズルを装着したところ。本体脇の吹出口をパカッと閉じる

通常の吸引モード時と同様に、吐出(としゅつ)空気量、ブロワーの強さは「強」と「標準(弱)」の2段階で切り替えられる。「強」の場合は、吸引力と同じで、けっこう強力に細かい砂やホコリはもちろん、小さな石ころまで吹き飛ばしてくれる。

試してはいないが、ブロワーノズルの先端に、付属するゴム管の「エアーパイプ」と「ポンプアタッチメント」とを装着すれば、ビーチボールや浮き輪、庭で使うような子供用プールを膨らませられる。なお、自転車、サッカーボールやバスケットボールなどに空気を入れるためのアタッチメントは付属せず、おそらくそこまで圧が高くないのだろう。

ブロワーノズルを装着した後の、全体の形はこんな感じだ
浮き輪などに空気を入れる際には、「エアーパイプ」と「ポンプアタッチメント」とを装着する

まとめ

今回の「HANDY DUO! (ハンディ デュオ) AQC-HH700」というよりも、コードレスハンディクリーナーを使ってみての感想は、スポット的に狭い範囲で掃除するのには、とても良い製品だなというもの。

コンパクトなので、床に置いておいても邪魔に感じないし、棚などの上に置いておいても良いだろう。そして目についたゴミなどをササッと掃除する。コードレススティッククリーナーも便利だが、さらにササッと掃除できるのがうれしい。

特に、小さな子供がいる家庭では活躍する機会が多いだろう。食後や遊んだ後に、サッと取り出して掃除する……または、コンパクトだから子供に掃除させるのにも良い。筆者の息子は、プラモデルをよく作るので、作業後に同機で掃除させようと思っている。

ちなみに当初期待していた、床全体の掃除については、前述の通り適しているとは言い難い。ひと部屋分の床や廊下全体を掃除するというよりも、やはり狭いエリアを気軽に掃除できるのが魅力だ。

河原塚 英信