家電レビュー

半端ない吸引力で隅々までピッカピカ! Ankerロボット掃除機X8で驚くほどゴミがとれた

アンカー・ジャパンの「Eufy RoboVac X8 Hybrid」

筆者宅では、これまで合計で3台のロボット掃除機を使ってきた。残念ながらいずれも故障してしまい、ここ1年ほどはロボット掃除機不在の期間を過ごしていた。とはいえ、それほど広くもないマンション住まいのため、スティッククリーナーで掃除すれば十分だと感じ、ロボット掃除機がなくても特段の不便を感じていなかった。

そんな筆者宅に久しぶりにロボット掃除機がやってきた。2021年11月に発売された、アンカー・ジャパンの「Eufy RoboVac X8 Hybrid」だ。同社の最上位モデルにあたり、価格は59,800円。水拭きにも対応し、部屋の形をリアルタイムにマッピングして効率的に掃除できるという。

本体の裏側。写真の左側が後方で、ダストボックスが配置されている
本体裏側の、ブラシ部分

吸引力の強さは本当だった!

ロボット掃除機に限らず、掃除機で気になるのが、まずは吸引力。どれだけ床をキレイにしてくれるかだ。掃除性能に関して、同機は最大2,000Paの吸引力を生み出すタービンを、2つ搭載しているという。ちなみに、同じく同社上位機の「Eufy RoboVac L70 Hybrid」の吸引力は最大2,200Pa。「Eufy RoboVac X8 Hybrid」は、その7.5倍の吸引力なのだという。

「Eufy RoboVac X8 Hybrid」は、エリア指定ができるなどいくつかの掃除モードがあるが、まずは掃除性能を試すべく、電源ボタンを押して、掃除をスタートさせた。

充電ステーションに置いた状態で、電源ボタンを押して、「自動モード」で清掃を開始
本体前方の天面にある電源ボタン

これは毎回のことだが、電源ステーションを出発すると、同機ははじめ「位置調整中です……位置調整中です……」と言いながら、あたりをうろちょろ動き回る。どうやら周囲のだいたいの間取りや大きなモノの位置を確認して、既知の場所なのかを確認しているようだ。しばらくすると「清掃を開始します」と言いつつ、本気で清掃をはじめる。

多くのロボット掃除機と同様、はじめは部屋の隅を左回りに移動。隅が終わると、規則正しく短冊状に右から左へと移動する。

清掃をスタートさせると、はじめは部屋の隅をぐるっと掃除した後に、右から左へと規則的に掃除していく

数日に分けて何度か同機を走らせた後に、ダストボックスを見てみると、ホコリとゴミでいっぱいになっていた。筆者宅は、ほぼ毎日のようにスティック掃除機で掃除している。そのため「こんなにゴミがあったの!?」と、かなり驚いた。スティック掃除機では届かないベッドの下も走行していたためもあるだろうが、それにしても……という印象を抱いた。

驚いたのは、ホコリやゴミの量だけではない。けっこう質量の重そうな小さな釘や、吸い込まないだろうと思っていたレゴブロックも中に入っていたからだ。

ダストボックスに溜まっていたホコリやゴミ
釘やレゴブロック、えんぴつのキャップなども入っていた

スティック掃除機でもプラモデルのパーツなどを吸い込むことはあるが、このサイズのレゴブロックを吸引したことはない。

淡々と隅々まで巡って掃除するロボット掃除機の利点に加えて、強力な吸引力がはじめに使ったときから実証された形となった。以来、外出する際や、足裏にゴミを感じたときなどは、同機の電源ボタンをポチッと押して掃除してもらう癖がついた。

マッピングは正確だった!

同機は、「A.I Mapテクノロジー」を搭載。部屋の形をリアルタイムにマッピングし、自己位置を把握して、どういう経路だと効率が良いかを考えながら、掃除する。また、複数階のマップをアプリに記録し、フロアごとに効率的に掃除する。

そのマッピング用のレーザーやカメラセンサーを本体の前方と天面に備えている。センサー類は、障害物検知にも使われているようで、壁などに近づくときに、ときどきだが、そっと近づいていく様子を見かける。

本体の前方や天面にマッピング用のセンサー類を搭載
本体天面のセンサー

どんなマップを作成しているかを見るには、「Eufy RoboVac X8 Hybrid」を専用アプリを入れたスマートフォンと接続し、Wi-Fi設定をする必要がある。Wi-Fi設定自体は、アプリの指示などに従って行なえば、それほど難しくない。

スマートフォンのアプリとの接続が完了したら、アプリを起ち上げたままで、自動モードで清掃を開始してみる。まずはカメラなのかセンサーなのかで前方を中心に、空間を認識していることが、アプリ画面で確認できる。いよいよ動きだすと、ハッキリとマップを作成していく様子が分かり、どんどんアプリに部屋の間取りが現れてきた。もちろん、掃除をしながらだ。

本機がマッピングする様子を、アプリ画面で見られる。マップ完成後には、侵入禁止エリアの設定を行なった

出来上がった間取りを見ると、かなり正確。

マップが出来ると、アプリで侵入禁止エリアを指定したり、「リビング」や「キッチン」などとエリアを分けられる。侵入禁止エリアを設定すれば、もちろん本機は侵入しなくなる。

また部屋を分割することで、「今回はリビングだけを掃除させよう」とか、「今日はキッチンだけ掃除しておくれ」などと掃除させられる。また、複数のマップを保存して認識させられるため、戸建てであれば、1階と2階で分けたりすれば便利だろう。

(左画像)完成したマップをエリア分けして、それぞれ任意の名称を登録。(右画像)マップに侵入禁止エリアを設定

一戸建てなど複数階&複数部屋のある家で活躍する!

数週間使ってみたのち、今では、ほぼ毎日のように掃除してもらっている。

狭い筆者宅ではマッピング機能が絶対に必要とも言い切れないが、吸引力の高さはハイエンド機ならではだろう。

通常の掃除のほかに、水拭き掃除も行なえる。その際は、本体裏面にモップを付けた水タンクを追加で装着する。わざわざ水タンクを装着する必要があるのと、通常の掃除で十分に満足しているため、筆者の場合はあまり使用機会はなかった。ただ、砂などの細かいゴミが目立つような時は、活躍するだろう。もしかすると、スポーツをしている小中学生のいる家庭であれば、もっと有用かもしれない。

久しぶりにロボット掃除機を使って、スティッククリーナーを使って自分で掃除する場合は、こまめに掃除しているつもりでも、見落として掃除していないエリアが出てきてしまうことも、思い知らされた。「え!? こんなにゴミやホコリが溜まってたのか!」と、前述の通り、感嘆することもしばしばだ。特に、普段は掃除していないベッド下のホコリを一網打尽にしてくれるのもうれしい。

だが、本機の能力を存分に発揮できそうなのは、やはり複数の部屋があるだけでなく、1階、2階と分かれている一戸建てなどだろう。勝手に1階の掃除が終わったら2階へ自動でのぼっていく……という機能はさすがに実現していないが、他の階へ持っていってスタートボタンを押せば、効率的に掃除しておいてくれるのはうれしい。

結論としては、最もポテンシャルを発揮するのは一戸建てなど広い家での活用。ただし、広くない家に住む家庭でも、この吸引力を求めて購入するのも、悪い選択ではない。

河原塚 英信