家電製品レビュー

ねっとりクリーミー「超蜜やきいも」を専用トースターで! 冷やしてもおいしい

「超蜜やきいもトースター」。ブラックで落ち着いたデザインです

さつまいもから出た蜜で皮までしっとりする焼き芋を自宅で焼けるという、「超蜜やきいもトースター」。約2,000本以上のさつまいもをひたすら焼いて、焼いて、焼きまくって開発したという、こだわりの家電です。これを使って「超蜜やきいも」がどんなものなのか、さっそく焼いてみました!

「超蜜やきいもトースター」は、東京の人気店「超蜜やきいもpukupuku」が監修したやきいも専用トースター。カップ焼きそば専用ホットプレートの「焼きペヤングメーカー」や、1台でおでん/焼鳥/熱燗が1台で楽しめる「せんべろメーカー」などのユニークな家電を手掛けるライソン(LITHON)の製品です。同社公式サイトでの「超蜜やきいもトースター」の価格は18,480円。

実は現在は再販待ちの状態です。トーストなど他の調理にも使えますが、実際に作ったやきいもの感動をいち早くお伝えするため、今回は「やきいも」にフォーカスして紹介します。

大きな特徴は、特別な温度管理で、いもから蜜を引き出すという「超蜜やきいもモード」を備えていること。専用メニューは、他にも「トースト/冷凍パン/ロールパン」があります。トーストの場合、一度に焼けるのは2枚。「トースト/冷凍パン/ロールパン」メニューは温度調節はできませんが、時間調節は可能です。「超蜜やきいも」メニューは温度・時間ともに固定のため、変更できません。

このほか、温度・時間を2段階で設定できる「セルフセッティングボタン」を備えています。温度の設定は60~250℃、時間設定の範囲は2段階トータルで120分まで設定可能です。

上下にヒーターを備えています
操作部はタッチボタンです
スイッチを入れるとボタン部分がオレンジ色に!

専用ケースにいれてじっくり焼き上げる

「超蜜やきいも」を作る場合の特徴は、「やきいも専用ケース」を使うところ。近赤外線効果で、さつまいもの中までしっかり加熱するとのこと。フタ付きの「やきいも専用ケース」は、専用の「ケースハンガー」を使って取り出します。

やきいも専用ケースは、フタと本体で構成。焼く時はケース内に取り外し可能なアミ台をセットします。右側の細長い栓抜きのようなものが「ケースハンガー」です
ケースの穴にケースハンガーを差し込み引き出します

本体サイズは約355×315×210mm(幅×奥行き×高さ)。重さは約4.5kg。消費電力は1,300W。コード長は約1.2m。やきいも専用ケース/アミ台/ケースハンガー/やきいも読本が付属します。

蜜芋を作るために熟成芋を購入

さっそく「超蜜やきいも」モードで焼いてみましょう。本機の開発に協力した焼き芋専門店pukupukuのホームページには「さつまいもを極限まで糖化させた究極の焼き芋が『超蜜やきいも』です」と記載されています。蜜が滴るようなやきいもが、本当に自宅で焼けるのかとても気になります。

今回使ったのは千葉県の石田農園の熟成 プレミアムべにはるか(2kg、2,200円)。石田農園によると、プレミアムべにはるかは「気温の寒暖差でさつまいもにストレスをかけて甘く熟成させたもの」なのだそうです。ちなみに、熟成いもは、やきいもや蒸しいもに向いているのですが、煮物にしたところボロボロに崩れてしまいました。保存方法で向いている調理が変わるのは、おもしろいですね。

小ぶりのいもです。見た目は普通のいもと変わりません

手順は、さつまいもの両端を1cmほどカットして洗い、アルミホイルに包みます。小さめのさつまいもの方が蜜が出やすいそうです。

アルミホイルに包んださつまいもを専用ケースへ。専用ケースの中には網をセットしています。次に水をさつまいも全体に回しかけます。約300ccたっぷり注ぎます。

アルミホイルをたっぷり使い包みます
アルミホイルをふんわりと巻き、上から水をかけます
ケースにフタをしてトースターの中へ

あとはケースにフタをして「超蜜やきいも」モードに設定。焼き時間は120分と長めです。ライソンによると気になる電気代は「約37円です(料金単価は1kWhあたり25.8円で計算しています)」とのことでした。

焼いている間、いい香りが部屋中に広がります! 焼き上がると「い~しや~きいも~おいも♪」のメロディが流れるのが楽しいです。

加熱を開始すると調理完了までの残り時間を表示します
上下ヒーターでしっかりと火を通します。タマネギなど野菜も焼けます
メロディが鳴るのは「超蜜やきいも」モードだけ!

「超蜜やきいも」、焼きたてでも冷やして食べてもおいしい!

焼き上がった後、そのまましばらくおくと、さらに蜜がでるというので20分ほど放置。焼き上がったさつまいもがこちら!

蜜があふれ出してさつまいもの表面がツヤツヤです!
ねっとりとして柔らかい焼き上がり。甘い蜜がたっぷり

想像以上に柔らかく、ねっとりとした仕上がりになりました。食べてみるとびっくり。スイートポテトを食べているような濃厚な甘さがたまりません! クリーミーなためスプーンですくって食べました。

ちなみに、近所のスーパーで買ってきた、べにはるかを使って同様に「超蜜やきいも」で試したところ、この日はしっかり蜜が出る焼き上がりになりました。食感は熟成いもで作った方がよりなめらか。熟成いもで作った方が濃厚でコクがありますが、スーパーで買ってきたべにはるかはあっさりした味わいでした。

スーパーで買ってきたべにはるかも「超蜜やきいも」に!
熟成いもで作った「超蜜やきいも」に比べるとねっとり具合がおだやかです

ライソンによると、「さつまいもは、ねっとり系(べにはるか、安納芋、甘太くんなど)、しっとり系(シルクスイートなど)、ホクホク系(紅あずま、鳴門金時、紅こがねなど)の3種類に大別されますが、超蜜やきいもに向くのは、ねっとり系・しっとり系の品種で、糖度が高いいもとなります。更に、熟成されたいもであることがより成功度をアップさせます」とのこと。

今回はたまたまスーパーで買ったべにはるかでもうまく超蜜やきいもができましたが、確実に楽しみたいなら、ネットでもお取り寄せできる熟成いもを選ぶ方が良さそうです。

ちなみに焼き上がった「超蜜やきいも」は、冷蔵保存や冷凍保存が可能。冷凍した場合は自然解凍して食べます。

食べてみて驚いたのですが「超蜜やきいも」は冷やしてもおいしいです。クリーミーで濃厚で、アイスクリーム感覚で食べられるため夏にもぴったり。やきいもの楽しみ方が広がりますね。

冷蔵の場合は2~3日、冷凍の場合は1カ月ほどで食べきりましょう

ホクホク系の鳴門金時は「セルフセッティング」モードで

ホクホク系のいもの場合は「超蜜やきいも」モードではなく「セルフセッティング」モードを使います。これは温度と調理時間をそれぞれ2段階でセットするモード。レシピブックを参考に180℃ 60分で、水を入れずに焼きます。

2段階で調節できる「セルフセッティング」モードは、「ステージ1」「ステージ2」の両方をセットしないとスタートできない仕様のため、「ステージ1」を180℃調理時間0分で設定し、「ステージ2」を180℃60分に設定します。とはいえ、わざわざ0分に設定するのはちょっと面倒なので、今後新しいモデルが出るならこの辺が省略できると、もっと使いやすいかもしれません。

「ステージ1」で温度と時間を設定します
その後「ステージ2」で温度と時間を設定します
鳴門金時を焼きました。ホクホクした食感がおいしい

鳴門金時は、昔ながらのやきいも。食べごたえがあります。こうして比べてみると、味や食感の違いがよく分かるので、毎日食べても飽きないかも! 例えば「ステージ1」で低温でじっくり焼いたあと、「ステージ2」で温度を上げて皮をパリッと仕上げるなど、自分好みのやきいもを研究できそう。

取扱説明書の最後のページには、「焼き芋MEMO」があるので、家族の好みをメモしても楽しそうですね

お手入れは、たわしや食洗機が不可

「やきいも専用ケース」「アミ台」などをスポンジでよく洗い、乾燥させます。何度か作っていると蜜がこびりつくことがあったのですが、研磨剤やたわしは使用不可、食洗機も使用不可とのことだったので、お湯でふやかしました。重曹は使っても大丈夫だそうです。

「超蜜やきいもトースター」は、120分連続で調理することから、天板部分などが結構熱くなります。設置スペースについては「前面及び片方どちらかを開放、側面10cm以上、背面10cm以上、天面10cm以上」となっています。安全のために充分な設置スペースが確保できるか確認すると良さそうです。

再販は秋頃の予定

やきいもの新たな魅力を教えてくれる「超蜜やきいもトースター」ですが、人気につき現在のところ完売。同社広報に確認したところ「次回の販売は秋頃を予定している」とのこと。

これまでの量産品の一部で「やきいも専用ケース」に水を入れて長時間加熱する場合、蒸気が扉に水滴として残り、扉をつたって少量の水が漏れる場合があることが分かった」そうで、こうした調整も含めると秋頃になるようです。秋といえば食欲の秋、そしてさつまいもがおいしくなる時期です。「超蜜やきいもトースター」の再販、今から待ち遠しいです!

伊森 ちづる