ぷーこの家電日記

第356回

何も無かったようで、色々ありすぎた私の2020年

12月に入って本当に急に寒くなってきた。冬が来たなぁと、お布団の中でぬくぬくするのが最高に幸せだ。我が家には3匹の保護猫だった猫がいるのだけれど、我が家に引き取る際に「冬になったらお布団で一緒に丸くなって寝る」という密かな楽しみがあった。ところが一緒に丸くなって寝るどころか、布を掛けられるのも絶対に嫌という感じで布団で寝てくれない。猫同士では寄り添って寝てるのに、私は全然相手にしてもらえないのだ(涙)。まぁそんなところも可愛いのだけれど、毎年ほんのりと期待をしてしまうのです。また来冬の心変わりに期待!

そして、そんな中、春から我が家に仲間入りした保護犬の爺様が、私の腕枕でお布団を首まで掛けて寝ます。という犬になってしまって、神経の図太さに笑っている(笑)。(お爺犬が我が家の犬になった経緯はこちら)

さて、そんな12月も気付けばもう中旬だ。本連載も今年はあと3回!? 本当に毎年あっという間に年が暮れて行くのだけれど、今年は本当にコロナ一色という感じで、何もせずに何も起こらずに1年が終わってしまう。出かけず騒がずのんびりあっという間に……。と思って今年を振り返り始めたのだけれど、何もなかったどころか、ものっすごく変化だらけだったし、私にとっては悪いことばかりではなく、貴重な年になった。

まずはe-bikeとの出会い。今年に入って新型コロナが流行し始めて、「電車に乗りたくないよぉ~!」と言っていたのをきっかけに、e-bikeの沼にズブズブとハマっていった。元は結構なインドア派だったので、目的もなく自転車に乗ることが自分の趣味になるなんて、去年の自分に言っても絶対に信じないような気がする。誰とも会わずただ川沿いを走るとか、自粛生活をしながらもアクティブに動くという、一見矛盾しているようなことも両立できて、この時代とe-bikeの相性の良さも実感した。

夏休みに夫と2人で出かけた片道75kmのe-bike旅は最高に楽しく! 最高にいい思い出となった。年末年始の冬休みも夫と2人でどこかへ繰り出すつもり。生活に制限がある負の状況から出た副産物が新しい趣味で、こんな状況にならなければ、この楽しさに気づくことはなかっただろう。

そして、もうひとつこの状況で得たものというか、感じたことは、「自分が大切にしている人やことがハッキリした」かもしれない。有事の際は人の本性が出るし、自分とも嫌でも向き合うことになる。防疫への考え方ひとつ取っても人それぞれだし、生活様式がガラッと変わったこの「大きな変化」への反応も人それぞれだ。

私は「変化した」という前提で、その中で何をどうするか考えるタイプで、変化はそこそこ柔軟に受け入れる方かもしれない。夫の場合は逆。この制限の中でどれだけ同じようにできるかを探していくタイプで、私から見ると変化が苦手で変化が嫌いなように見える。そんな夫に対して「へぇー」と新しい発見もあったし、自分に対しても「へぇー」と意外な発見があった。

そして、生活が変わり今までの当たり前が当たり前じゃなくなって「あの人に会いたい」「あそこに行きたい」「あれがしたい」と思うたびに、自分が大切に思っているのはこれなのかぁと結構はっきり分かって面白かった。毎日が当たり前で「また今度」なんて平気で言ってたけれど、その今度は来ないかもしれないということを肌で感じて、これからは今回はっきり分かった大切な人やことに気持ちと時間を使っていきたいなぁと思えたのは大きな成果なのかもしれない。

ちょっと特別な1年になり、悪いことばかりではなかったのだけれど、それでもこの不安な生活を来年以降もずっと持ち越していくのは嫌だなぁ。どれだけネットや技術が進化しても、同じ空間で過ごすリアルとは程遠い。早く家族や友人とも気兼ねなく会いたいし、同じ空間で同じ時間を過ごしたい。

仕事も遊びも、必要か不要かの両極端なところではなく、曖昧などちらでも良いようなことに大切なことがたくさん詰まっているなぁと非常に感じた。どうでもいい時間の中から生まれる感性や感情が一番人間らしい感覚で、それを大切にしないと、心が止まってしまうと学んだんだ。

この状況で今自分ができることは、とにかく心身ともに健康で、毎日を楽しく明るく過ごしていくということだけだ。暗いニュースに心を振り回されず、自分がやりたいことや行きたいところや会いたい人を想像しつつ、そして自分の手が届く距離にいる家族を大切にしていこうと思います。みなさまもどうぞご健康にご安全に。今年の総括みたいになっちゃったけれど、また来週!

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まないアラフォー世代。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。