家電製品レビュー
材料をいれるだけでOK! ヘルシオホットクックは料理が苦手な人にこそおすすめ
2017年10月18日 07:00
無水調理、材料を入れるだけでOKなほったらかし家電などで、一大ブームを巻き起こしたシャープの「ヘルシオ ホットクック」。遅ればせながら、ようやく使ってみた。簡単さ、おいしさ、手軽さ、どれをとっても素晴らしく、なるほど、これは人気が出るわけだ、と納得できる製品だった。
メーカー | シャープ |
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製品名 | ヘルシオ ホットクック KN-HT24B |
価格(編集部調べ) | 47,900円 |
ホットクックは2015年の秋に発売して以来、人気を集め、一時は品薄状態も続いていたほどだが、最近は安定してきた。容量1.6Lタイプのスタンダードな製品や、今月末には無線LANと音声発話機能を搭載した最新モデルも用意するが、今回選んだのは、大容量2.4Lの「KN-HT24B」。キャベツひと玉が丸ごと入る大きさが魅力のモデルで、基本的な機能はスタンダードモデルと同等。無水調理や自動調理、予約調理にも対応する。
本体は、炊飯器と同じくらいのサイズ。内鍋や内フタが外れる構造も炊飯器と同じだ。一番の特徴は、フタの内側に取りつけて使う「まぜ技ユニット」だろう。このユニットが回転して、材料を混ぜてくれるので、ユーザーは材料をセットして、スイッチを押すだけで、おいしい料理ができあがるというわけだ。
噂の無水カレーは確かにおいしかった!
まず、作ったのが、ホットクックといえばコレ! と代名詞のようにもなっている「無水カレー」だ。手羽元にトマト、セロリ、玉ネギ、しょうが、ニンニクなどの材料に市販のルーを入れればOKという手軽さで、水を一切使わずに調理する。手羽元の以外の材料は基本的に全てみじん切りして、生姜とニンニクはすり下ろす。あとは、全ての材料を付属の鍋に入れてスイッチを押すだけだ。
そのときにまぜ技ユニットをセットするのを忘れずに。そこから、約65分間調理する。調理時間が常に表示されるので、できあがりまでの時間がわかりやすく、例えばサラダやスープなどの副菜を用意する場合も、作業がしやすい。
できあがりは期待以上! 材料からして割と淡泊な仕上がりになるのかなと勝手に予想していたが、とんでもない! しっかりコクのある、大人なカレーが完成した。手羽元のほろほろ加減や野菜の甘みは、自分ではなかなか再現できないおいしさだ。
材料を入れてから、完成まで全てお任せできるというのも素晴らしい! しかも、ホットクックでは、朝に材料をセットして、帰宅時間に合わせて料理を完成させることもできる。生のお肉を使うので、衛生上大丈夫? と不安になるが、ホットクックでは最初に食材に火を通して、食品が腐敗しやすい温度帯を避けて、保温することでその問題をクリア。仕上げを予約設定時間直前に行なうことで、おいしさも確保している。働く母にとってはありがたすぎる便利機能だ。
料理好きの母も白旗! 鰯の梅煮は何回もリピ
今回、ホットクックはメーカーから約1カ月間お借りして、自宅で色々と試してみた。その中で一番意外だったのが、60代の母がホットクックに食いついたこと。仕事柄、家にはたくさんの調理家電が並び、日々あれこれと使っているがほとんどの場合、母は無関心。というのも、母は自分で居酒屋を経営していたほどの料理好きで、基本的に調理家電というものを信用していないフシがあるのだ。
そんな母がホットクックに惚れ込んだきっかけは「鰯の梅煮」だった。付属のレシピを見ながら、私が作ったものを出したところ一気にテンションがあがったのだ。身崩れしていないのにも関わらず、ホロっと柔らかいその仕上がり。味付けも含めて、「満点!」だと言い、製品をお借りしている間、何回も鰯の梅煮を作ったのだった。
朝食の一品メニューにも
一方、夫が気に入ったのは、クラムチャウダー。ニンジン、玉ネギ、ジャガイモなどの材料を細かくみじん切りして、小麦粉をまぶして、アサリやコンソメ、バター、牛乳といった材料をセットしたらあとはスイッチを入れるだけだ。我が家ではこのメニューを朝食の一品として何度か作った。
普通だったら、「朝からクラムチャウダーを作れ? 勘弁して」となるわけだが、ホットクックなら材料を切って、入れるだけで完成するので、忙しい朝でも躊躇無く作れる。ちなみに、我が家の場合、みじん切りは全てフィリップスのマルチチョッパーを使っている。朝から調理家電をフル活用することで、忙しくてもおいしい朝ご飯を味わえるというわけだ。
鯛一匹を丸ごと調理、ごちそうメニューもお任せ
息子の1歳の誕生日にチャレンジしたのが、鯛一匹をまるごと使ったアクアパッツァ。できあがりは豪華で、ごちそう感満載のレシピだが、材料さえあればこちらも簡単。この鯛も近所のイオンで500~600円で購入したもので、鱗取りや内臓の処理は全てお店の方にやってもらった。
自宅でやったことといえば、アサリの砂抜きとプチトマトのへた取り、ニンニクのカット、そして調味料の計量くらい。材料を全て鍋に入れたら、後はスイッチオン。25分ほどの加熱で身はふっくら、オリーブとワインの香り漂う、アクアパッツァが完成。見た目の豪華さはもちろんだけど、味もバッチリ。鯛の良いダシが出たスープはパスタやリゾットを作ってもおいしそう。こちらのメニューも手軽さと、おいしさに惹かれて、1カ月で2回も作ってしまいました。
お料理が苦手な人にこそ
材料を入れるだけで、簡単においしい料理ができるので、料理が苦手な人にこそオススメしたい一品。感心するのは、レシピの完成度の高さ。60代の母が満足して、また食べたいと思える和食から、アクアパッツアや無水カレーなど、ちょっと特別感のあるメニューまで幅広い。ここらへんのレシピのチョイスや、味付けは、日本メーカーならではだなと感じる。
唯一残念だなと思ったのが、本体の液晶画面の見にくさと、設定のわかりにくさ。例えば看板メニューの無水カレーを作ろうとした時、液晶画面では「1-1」と表示される。それで間違いないのだが、本当にこれでいいの? と不安に感じる。オーブンレンジではカラー液晶タッチパネルが当たり前に普及している中、数字だけの液晶表示は落差が大きく、時代が逆行しているかのような使いにくさを感じた。
ただ、今月末に発売する最新モデルでは、メニューの表示に関しても大幅に改善しているという。無線LANやAI(人工知能)を搭載し、専用アプリも用意。外出先から、予約メニューの仕上がり時間を変更するという機能も備えるなど、共働き母にとってはかなり魅力的だ。
ただ、メニュー表示以外の使い勝手に関しては現行機種でも、十分満足できた。付属の部品も扱いやすく、お手入れしやすい。炊飯器のような構造で、迷わず使えるというのも、嬉しいポイントだ。難しい操作があると、途端に触らなくなる母も、ホットクックに関してはすぐに使いこなしていた。従来の調理家電とはもはや別モノ、新しい価値を提供してくれる新ジャンルの調理家電だと言える。調理時間が限られている働くママや、料理が苦手な人は、買う価値アリです。