家電製品レビュー
1カ月ゴミ捨て不要! 東芝のロボット掃除機は主婦に嬉しい機能が満載
2016年9月27日 07:30
ロボット掃除機もいよいよ一家に一台を検討する時代になってきた。カメラを搭載したルンバやダイソンをはじめ各メーカーが、機能性の高いモデルを次々に打ち出すなど、しのぎを削っている。
そんななか、東芝のロボット掃除機の方向性はかなりユニーク。充電台がダストステーションになっており、充電するたびに本体のゴミを吸引してくれる。しかもこのダストステーション、“電動ちりとり”的な役割も果たしてくれるのだ。
今回は、そんな東芝のスマートロボットクリーナー「TORNEO ROBO(トルネオロボ) VC-RVS2」を1カ月間使ってみたので、その使用感をレビューしたい。
メーカー名 | 東芝ライフスタイル |
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製品名 | TORNEO ROBO(トルネオロボ) VC-RVS2 |
実売価格 | 71,146円(Amazon価格) |
まず本体について。サイズは、350×87mm( 直径×高さ)と、ルンバ980などメジャーな高機能ロボット掃除機とほぼ同程度だ。グランホワイトカラーは、家電特有のメカメカしさを打ち消してくれる爽やかさがある。
裏面を見ると、静電気の発生を抑えるという回転ブラシ。本体幅に比べ、長さが短く感じるが、65mmと長めのブラシだろう。両側についているため、部屋の隅から集めたゴミを、一気にブラシまで運んでくれそうだ。吸引ファンモーターの回転数は約1万4,000回転で、大きめの紙ゴミも吸引できるという。
そして最大の特徴ともいえるのが、充電台兼ダストステーション。充電台なのに、キャニスター掃除機と同じ12気筒のサイクロン機構を備えたダストカップが搭載され、本体が戻ってくるたび自動でゴミを吸引してくれるのだ。しかも吸ったゴミは、約5分の1に圧縮されるため、ゴミ捨ては1カ月に1回程度で済むという。
見た目ランダム走行で16畳のリビング・ダイニングがすっきり
さっそく、約16畳のリビング・ダイニングを掃除してみた。基本操作は、本体の丸いボタンを押すか、リモコンの「自動」ボタンを押す。「自動モードで掃除を始めます」とアナウンスがあり、動き始めた。
動き方は、見たところ自由気ままなランダム走行のようだが、実際は超音波センサーと赤外線センサーを駆使し、70以上の行動パターンを搭載しているという。それを証拠に、壁に当たると壁沿いにすーっと走ったり、いすの足まわりをくるっと一周回ったり。部屋の隅に来ると、クリクリと体を左右に揺らすところなど愛らしい(笑)。
ただし一見ランダム走行に見えるため、同じ場所ばかり掃除しているように見えることもあるし、「ここにたくさんゴミがあるのに……」という場所に、なかなか来てくれず、もどかしいこともある。しかし、同じ場所を平均4回掃除するため、気づけば部屋中のゴミがほとんどなく、キレイに掃除されていた。お掃除性能は、ほぼ問題ないといっていいだろう。
充電するたびにゴミを自動吸引するから、ゴミ捨ての手間が激減!
さて1時間程度掃除し、筆者としては満足したのだが、本体がなかなか充電台に戻らない。そこで、リモコンの「充電」ボタンを押したところ、「充電台に戻ります」とアナウンスがあり、充電台に戻り始めた。しかし、それから5分。決して広くない部屋だが、どうしても充電台に戻れない(笑)。そこで、充電台の前に連れて来て、再度「充電」ボタンを押したところ、無事充電台に戻ることができた。
ここで実際に、充電台に戻り、自動でゴミを吸引する様子をご覧いただきたい。
カチッと充電台に収まった瞬間、ものすごい勢いで吸引が始まった!! 知らない人は、何の騒ぎかと驚くほどの音量だが、7~8秒程度なので我慢してもらえるレベルだろう。吸引が終わったところでダストカップを見ると、確かにゴミが溜まっている。
これは本当に便利!! なにせロボット掃除機のダストカップは容量が小さいものが多いため、使うたびのゴミ捨ては基本だが、できればほったらかしにしたい掃除機なので、わざわざゴミ捨てしようという気になれない。それで、次に運転する前に捨てるか、ゴミがいっぱいになってゴミ捨て合図が出てから捨てることが多いのだが、ゴミがいっぱいだと当然、パフォーマンスも落ちてしまう。
その点、この毎回の面倒を省いてくれたダストステーションには、お見事というほかない。これで、タイマー予約機能で掃除する曜日と時間を設定すれば、1カ月間勝手に掃除して、本体のゴミ捨てをしてくれる……はずだった(笑)。
エラーは1回の運転で平均3~4回……
使い続けて気になったのが、エラーの多さだ。一番多かったのが、巻き込み事故。掃除前は、できるだけ床に物を置かないようにしたが、端に寄せておいたつもりのコードによく絡まった。
またわが家の場合、カーテンが床まで伸びているため、これには毎回確実に絡まっていた。そこで掃除するときは、カーテンを持ち上げておくなどの事前準備が必要だ。
あとは少々厚めのラグとの相性もあまりよくなかった。ほとんど上らなかったため、床にあったものをとりあえずラグに乗せるという避難場所になったほど。しかし、たまにうっかり乗ってしまうと、慌てて降りるか、立ち往生してエラーになる。
そんなこんなで、1回の運転中のエラーは、平均して3~4回程度。そのたびに、絡まったものを取り除いたり、場所を移動したりする必要がある。もちろん最初から障害物を徹底的に排除した部屋なら問題ないかもしれないが。
筆者の場合、掃除は主に自分が別の家事をしている最中に行なっていたので、トルネオロボがエラーで助けを求めたとき、駆けつけることも苦にはならなかった。むしろ吸引力は高いので、放っておいたら掃除してくれるメリットのほうが大きいように思う。
しかし外出中に掃除をしたい、という場合は、どんな障害物を苦手とするか、把握したうえで部屋を整えてから外出したほうがいいだろう。
この機能が欲しかった!! 集めたゴミを吸引するダストポケット
このダストステーションには、もう1つの大きな機能がある。それは、フロアワイパーなどで集めたゴミもダストポケットから吸引してくれるのだ。お掃除用品レンタルのCMで、このような機能の製品を見て、本気で検討するほど気になっていた機能だけに、期待大だった。
集めたゴミをダストステーション横のダストポケット近くまで移動させたら、「ダストポケット」ボタンを押す。すると本体のゴミを吸引するときと同じように、サイクロンが回り始め、ゴミを吸引してくれる。ゴミがなくなったと思ったら、もう一度ボタンを押せば、吸引が止まる。
これは、ちょっとしたゴミを集めたときに、すごく便利な機能だ。そもそもフロアワイパーで集めたゴミは、ある程度はシートにくっつくが、大半がかき集められて残ってしまう。それを結局、ハンディクリーナーで吸ったり、ティッシュや雑巾で集めて捨てたりしなくてはいけなかった。その不満を、まさかのロボット掃除機の充電台が解決してくれたのだ。
吸引力◎! ダストステーションも◎! 運転中に見守れる人には便利
さて使い始めて1カ月超。実際には、3日に1回程度運転をしてみたが、いよいよメンテナンスの合図が出たので、ダストボックスを確認してみると、思った以上に溜まっていた!! しかも、ちゃんと圧縮されていたらしく、開けても粉塵もあまり舞わないので、咳き込むこともない。
ゴミを捨てると、多少は粉塵がこびりついているが、気になるときは丸ごと水洗いすればOK。乾いたホコリをかき出したりする必要がないため、ゴミ捨てからお手入れまで、ホコリっぽさに悩まされることなく行なうことができた。
1カ月使ってみて、トルネオロボの得意なところと苦手なところがハッキリ見えた。ロボット掃除機として一番重要な吸引力はなかなか優秀で、吸い残しも少ない。また1カ月間ゴミ捨て不要、ダストポケットのゴミ吸引機能の恩恵にも大いに預かった。
その一方で、充電台への帰還率の低さ、コード類への絡まりやすさも気になった。この点は、運転中に見守れればカバーできるが、外出中に使いたい人にはネックになるだろう。
個人的には前者のメリットのほうが大きく、主婦にとっては便利で楽しいロボット掃除機だと感じたが、購入の際は両者をよく検討してみてほしい。