e-bike試乗レビュー

折りたためるVOTANIのミニベロ電動アシスト自転車で軽井沢を走ってみました

1年前に坂の多い街に引っ越し、初めて本気で電動アシスト自転車の購入を検討することになった筆者。しかし、今まで電動アシスト自転車に乗ったことがなかったのに、乗りこなせるのだろうかという不安もあったので、以前にBESV(ベスビー)が扱うセカンドブランド「VOTANI(ヴォターニ)」の電動アシスト自転車「Q3(キュースリー)」を試乗させていただきました。

そこで初めて、坂道が坂道ではなくなるという驚きの体験をし、「今までの苦労はなんだったんだろう」と愕然としてしまいました。さっそく同じものを購入しようと思ったものの、懸念点が1つ。わが家は、駐車場や駐輪場が道路面にあり、階段を上ったところに家があるため、電動アシスト自転車が盗難されてしまうのでは、と心配になったのです。

そんな相談をe-bike Watch編集部にしたところ、「VOTANIから折りたたみ式が出ているので、試乗してみますか」と提案していただきました。確かに折りたたみできるなら、上に運んで家の中にしまえるかも。

それが今回試乗した「F3(エフスリー)」。Q3と同じくタイヤサイズ20インチのミニベロですが、実際は「H3(エイチスリー)」という別モデルのイメージを活かしつつ折りたたみ式にしたモデルです。価格は208,000円。

今回試乗したF3は白に見えますが、カラーは「ライトグレー」。ほか「ライトオリーブ」もあります。なお前カゴはオプションです。一見すると折りたたみには見えません。ミニベロはやっぱりオシャレ

折りたたむと収納や運搬がこんなにラク! Q3と変わらぬ快適な乗り心地

基本的な使い方や仕様は、Q3とほぼ同じでしたので、すぐに乗りこなすことができました。左ハンドルの小型ディスプレイで電源を入れ、アシストモードを「1(エコ)」「2(ノーマル)」「3(パワー)」「A(オート)」の4段階から選んだら、漕ぎ始めればOK。久しぶりの心地良いクルージング感を味わいました。タイヤが小さくて安定感があるし、坂道もスイスイ走るし、日常的に乗るにはピッタリ。

基本的にA(オート)モードにしておけば、BESVのオリジナルアルゴリズムで最適なアシストを自動出力してくれるそう
F3はQ3と違って低床ではなく、フレームがあるために跨いで乗ることはできません。Q3よりアクティブなイメージ
自転車で通学している高校生の息子に乗ってもらいました。F3に乗ってヘルメットかぶって、行ってきます~
坂道の通学はラクにはなったものの、思ったほどスピードが出ないので、息子は同じ電動でもクロスバイクタイプのe-bikeに乗りたいそう

次はF3ならではの折りたたみにチャレンジしてみました。車体が真ん中から半分に折りたためるほか、ハンドル、ペダルも折りたためるので、かなりコンパクトになります。ただし車体重量が20.8kgあるので、全身を使いながら折りたたむことになりました。

フレームロックを解除し、左側に折りたたみます。前輪と後輪が近づくと、マグネットでピタッとくっついて安定
この状態になれば自立スタンドで自立するので、安定して次の工程に移れます
ハンドル部分もロックを解除して簡単に折りたためます
前カゴを装着したまま、こんなにコンパクトになりました! 折りたたみ時のサイズは、990×465×735mm

結構な力はいるものの、どこがどのように動くか把握できれば、2回目以降は効率的にたためるようになります。注意しなければいけないのは、ケーブルを引っ張ったり、挟んだりしないこと。筆者も一度、乗ろうと思ったら全然アシストが効かずにエラーが出てしまい、「まさか壊した?」と焦りましたが、プラグが抜けていただけでした。おそらくたたむときに引っ張ってしまったのでしょう。

コンパクトになったから、さっそく階段の上に上げてみよう! と思いましたが、ここが誤算。車体重量約20kgで、非力の私には持ち上げることができませんでした……。ただ夫や息子が階段で持ち上げてくれたので、無事家の中に入れることができました。

玄関にも難なく収まり、存在感はあるものの、邪魔になりません

これだけコンパクトになるなら、わざわざ上に持って上がらなくても、車庫の裏に入れてカバーをかけておけば、人目には触れません。防犯面から見ても、折りたためるメリットは大きいと思いました。

軽井沢でリゾートらしさを満喫!

お借りしている期間中、ちょうど軽井沢旅行へ行く予定があったので、F3を持って行ってみることにしました。これができるのも、折りたたみ式だからこそ!

F3を乗せても、十分のスペースがあるので、家族(3人+犬)の荷物も余裕で乗せられました

軽井沢は、場所によっては坂が続くところが結構あります。リゾート地ゆえにレンタサイクルでサイクリングしている人が多くいますが、ときに坂道を苦しそうに上っている人もいて、「私もこの歳になると、もう無理だな」と諦めていました。でも今回は電動アシスト自転車がある!

朝早起きして、クルマから下ろしたF3を組み立て、息子と交代で軽井沢を走ってみました

筆者が宿泊したホテルは坂道が多い場所だったので、出たらさっそく坂道が続いていましたが、スイスイ気持ち良く走れました。駐車場を気にせず移動できるのは本当に快適です。中軽井沢駅前から、星のや軽井沢やハルニレテラスが並ぶ国道146号を上りました。

通りの一本裏側は別荘や保養所が点在し、散歩やサイクリングにちょうどいい自然が広がっていました。ぐるっと一周回って、再び国道へ。軽井沢の自然を満喫しています。そろそろ交代しよう

これまで何度も軽井沢には遊びに来ていましたが、いつもクルマで移動していたので、景色も車窓から楽しむのみでした。でも自転車なら心地よさが肌で感じられます。またハイシーズンは人気のお店は駐車場が満車だったりして、訪問を諦めざるをえないこともありますが、自転車で人気のパン屋さんにフラッと寄るとか、やってみたいですよね。

今回自転車が1台しかなかったので、移動というよりサイクリングを楽しむに留まりましたが、軽井沢の新たな楽しみ方を見つけてしまいました。これがふつうの自転車だったら、筆者は絶対にやろうと思わなかったはず(笑)。次に軽井沢に来ることがあったら、電動アシスト自転車のレンタルを探したいと思います。

電動なのに折りたたみは汎用性が高かった

以前借りたQ3では、電動アシスト自転車の魅力を体感することができましたが、今回のF3では、折りたたみができることで、さらに便利な使い方、楽しみ方を実感できました。ただ跨ぎやすさという点で、筆者にはQ3が合っているような気もするし、迷いどころもあります。いずれにしても、早く決めて、快適な“電アシライフ”を始めたいと思っています。

折りたたみのF3か、低床で乗りやすいQ3か、いまだ迷い中です
田中 真紀子

家電を生活者目線で分析、執筆やメディア出演を行なう白物・美容家電ライター。日常生活でも常に最新家電を使用し、そのレビューを発信している。専門家として取材やメーカーのコンサルタントに応じることも多数。夫、息子(高校生)、犬(チワプ―)の3人と1匹暮らし。