片付け過ぎない片付け術

【片付け過ぎない片付け術53】「捨てられない人」でも片付く、3つのコツ

「片付け=捨てる」という考え方が主流のいま、「捨てるのが苦手」な人は「捨てられないから片付かない」と思い込んでしまっていませんか。今回は、「捨てるのが苦手な人におすすめの片付け方」を3例ご紹介します。もちろん、捨てたり、手放すという行動がなければ物は減りませんが、むやみに捨ててしまうと、後悔したりリバウンドしたりすることも。自分や家族に合った片付け方を見付けて、お部屋も心もスッキリさせましょう。

 

「捨てる」と「片付ける」は異なる行為

捨てる(あるいは「手放す」)という行為は、一連の「片付け」作業の中の1ステップ。捨てたあとには、残った物を使いやすくするための「分類」や「収納」などの作業が必要です。しかし、昨今の片付けブームを見ていると、「捨てる」ことが「目的」になっているように見えることがあります。

 

捨てることは、片付けに必要な「物を管理しやすくする」ための手段なので、捨てられない場合でも、物を管理しやすくすることが大切です。そこで今回は「自分の物」「家族の物」「思い出の物」の3つに分けて、そのやり方をご紹介しますね。

 

1:自分の物は「分類しやすい方法」で「分ける」

「〇年着ていなければ捨てる」などデータで、物を処分する基準を決める方法は分かりやすいですが、「ときめき」などの感情が優先するタイプの人がこの方法で捨ててしまうと、あとから「本当は気に入っていたのに」と悔やむことに。まずは自分がやりやすい方法で「分けて」みましょう。洋服なら「季節別」「色別」「目的別」、もちろん「着用頻度」などのデータや「好き・普通・嫌い」などでもOKです。すると、それぞれの分類を通して「大切」や「不要」が見えやすくなります。明らかに不要な物だけを手放し、迷う物は「とりあえずボックス」へ一時保管して一定期間後に見直しを。残った物を出し入れしやすく収納すれば、管理が楽になりますよ。

 

2:家族の物は「本人の価値観」で残し「専用スペース」へ

家族が物を捨てられないからと、頼まれてもいないのに勝手に捨てるのはいかがなものでしょう。家族には家族の価値観があります。どうしても物を減らしてほしければ、ぜひ一緒にじっくりと、物と向き合ってみましょう。誰かと一緒に片付けることで、要・不要の判断や選択がしやすくなることが多いものです。また、共用スペースに私物を放置しないなどの決まりを設けたり、部屋の一角へ専用の収納スペースを作り、そこへ入るだけの量を保つと決めてもらうのも有効です。我が家では、書類を溜め込みがちな夫専用にカゴを用意し、そこから溢れたら、中を整理してもらっています。

 

3:思い出の物は「とっておき収納」で「捨てない」選択も

「過去の思い出よりも、今使う物のためにスペースを空けましょう」とも言われますが、捨てられない思い出の品もあるはず。物は捨てたら元には戻りません。失いたくない思い出の品は捨てないで、きれいな箱などへ入れて取っておきましょう。ただし、ときどきチェックして「こんなに大切に取っておくほどの物かしら」と思うようになったら、その思い出も「手放し時」かもしれません。また、大切な思い出を取っておくための収納スペースがないなら、他に手放してもいい物を探す方が建設的です。思い出の物の片付けは時間も掛かるので、ほかの不要な物を処分してから取り掛かかるといいですね。

 

まとめ

TVやSNSなどで「今日は〇個捨てました!」「すごいですね!」という話をよく聞きます。捨てられない人が多いから、「捨てる」ことがすごいと思われるのですね。でも、捨てられない、捨てることに罪悪感を覚える人にとっては、この風潮を辛く感じることもあるのではないでしょうか。

 

片付けにおいては、必ずしも「捨てる」=「美徳」ではありません。捨ててスッキリする人はいいですが、そうでないなら「捨てる片付け」ブームに乗るよりも「捨てない代わりにどうするか」や「手放しやすくする仕組み」を考えることが大切です。自分に合った無理のない手放し方、片付け方を見付ければ、暮らしがうんと楽になりますよ。

 

 

NON(ライフオーガナイザー)

暮らしをシンプル=簡単にすることで、もっとラクに、ハッピーになれるアイデアをいつも探しています。片付け過ぎない片付け術、ラク家事、かんたん料理や手芸、子育てなどをテーマに、等身大のヒントを発信していきます。ブログは「のんびりシンプルライフ~NON*troppo」