走るライター南井正弘のコレはホントにスグレモノ!
楽しくなる走り心地も健在 ミズノ「ウエーブライダー27」
2023年12月15日 06:30
1997年に初代モデルがリリースされて以来、ミズノのランニングカテゴリーをリードしてきた「ウエーブライダー(WAVE RIDER)」。着地安定性や衝撃吸収性、反発性を高いレベルで兼ね備えることで、これまで数多くのランナーを魅了してきたロングセラーシリーズだ。
そんな人気シリーズの第27弾は、ソールユニットのボリュームを増すことで、特にクッション性を向上させている。
同シリーズは、アシックスのゲルカヤノ、ナイキのエアペガサスとともに、スポーツシューズ業界を代表するモデル。着地安定性と衝撃吸収性、反発性の絶妙なハーモニーで知られてきた。だが前作の「ウエーブライダー26」は、従来のシリーズと比較すると、若干ではあるが、衝撃吸収性が目立つスペックとなった気がした。
一方、今作「ウエーブライダー27」では前作からのソールユニットを継承しつつ、踵(かかと)部分の構造を見直した新しいアッパーを採用。進化したフィット感と軽量化を実現している。ウエーブライダーらしい安心感のあるサポートを維持しつつも、よりソフトでスムーズな履き心地を実現する、新設計のヒールカウンターを採用している。
実際に足を入れてみると、踵部分をはじめとして、前作よりもフィット感が向上していることが分かる。自分が履いたのはレギュラータイプのウィズ(足囲)だが、足が幅広のランナーのためにスーパーワイドも用意されている。
走り始めると、着地安定性、衝撃吸収性、反発性のトータルバランスに優れ、初心者から中級ランナーまで幅広く対応することが理解できる。
前作からクッション性がある程度強調されたセッティングとなったが、やりすぎていないので、ウエーブライダーらしさはしっかりとキープしている。
以前のウエーブライダーよりも前足部の接地感は感じられなくなったが、着地から中間動作を経ての蹴り出しまで、走っていて楽しくなる走り心地も健在だ。
他ブランドではランナーからの要望や、マーケットのトレンドを取り入れ過ぎて、シリーズが継承してきた歴史や特性をスポイルしてしまうこともあるが、ミズノの「ウエーブライダー27」はそのあたりをクリアしつつ、上手くアップデートすることに成功している。
また、昨今の原材料高もありランニングシューズは軒並み大幅な値上げをしているが、このシューズに関しては前作からの据え置き価格。こうした部分も、ランナーからポジティブな評価をされている。