走るライター南井正弘のコレはホントにスグレモノ!

小気味よいリズムで走れる、プーマ「ヴェロシティ ニトロ 3」はコスパ高い

実際に履いて使って走ってから書く、ライターの南井正弘が「コレはホントにスグレモノ!」と太鼓判を押すスポーツアイテムを、毎週レコメンド!
PUMA Velocity NITRO 3(ヴェロシティ ニトロ 3)

今年の箱根駅伝では、昨年よりも13人多い、20人のランナーがプーマのランニングシューズを履いていた。そのことから分かるように、同社のランニングカテゴリーは躍進を続けている。それは箱根駅伝を走るようなトップレベルのアスリート向けプロダクトだけでなく、一般ランナーをターゲットとした製品においても当てはまる。そんなプーマのランニングシューズにおいて、特に人気なのが「ヴェロシティ ニトロ 3」だ。

「誰もが弾む、ブレない厚底」をテーマにした「ヴェロシティ ニトロ 3」は、爆発的なスピードを提供するNITRO FOAM(ニトロフォーム)と、安定性と耐久性を与えるPRO FOAM LITE(プロフォームライト)を搭載。これらの組み合わせにより、弾むようなライド感を感じながらも、ブレずに安定した走りを実現している。

また足を包むアッパー部分は、通気性の高いエンジニアードメッシュを、PWRTAPE(パワーテープ)で補強。かかとのロールカラー構造は、快適さとフィット感を高めている。

さらにアウトソールには、耐久性の高いラバーを使用しており、様々な路面でトラクションを発揮。すべてのランナーにスムーズな履き心地と最適なクッショニングを提供してくれる。

アッパーは通気性の高いエンジニアードメッシュを採用。長時間の走行でも快適な履き心地をキープしてくれる
アッパー土踏まず部分はPWRTAPE(パワーテープ)で補強し、足とシューズの一体感を高めることに成功

実際に足を入れると、使用している木型は、足長が若干長めで、足囲はピッタリとした形状であることがわかる。

立っている状態では、ある程度硬度のあるPRO FOAM LITEの効果もあって、安定性が高いことも理解できた。この安定性の高さは走り始めたあとも同様で、柔軟なNITRO FOAMの下にこの素材を配しているので、着地時のグラつきがなく、小気味よいリズムで走ることができた。

徐々にペースを上げるとNITRO FOAMの存在感が増し、高い反発性を感じられ、さらにアッパーの土踏まず部分のPWRTAPEのサポート性も顔を出してくる。

ミッドソールは爆発的なスピードを提供するNITRO FOAM(ニトロフォーム)と安定性、耐久性を与えるPRO FOAM LITE(プロフォームライト)を組みわせることにより、弾むようなライド感を感じながらもブレずに安定した走りを実現

プーマグリップのアウトソールは、粘度が高く舗装路で他ブランドよりも明らかに高いグリップ性を発揮する。ある程度刻みの深さがあるので、公園の土の路面や芝生といった非舗装路でもしっかりとグリップしてくれたのは有り難い。

アウトソールには、耐久性の高いプーマグリップのラバーを使用しており、様々な路面でトラクションを発揮。すべてのランナーにスムーズな履き心地と最適なクッショニングを提供してくれる

最近のプーマのランニングシューズというと、「ディビエイトニトロ」のような上級モデルを履く機会が多かったが、このレベルのプロダクトの優秀性を体感することができた。

ちなみに税込で1万4,300円という価格設定は、現在のランニングシューズマーケットではかなりお買い得。アメリカでの希望小売価格は135ドル(約21,000円)であり、他ブランドの同価格帯のシューズの、日本での価格はずっと高い。このことも同プロダクトのコストパフォーマンスの高さを証明している。

南井 正弘

フリーライター、『ランナーズパルス』編集長。1966年愛知県西尾市生まれ。スポーツシューズブランドのプロダクト担当として10年勤務後ライターに転身。雑誌やウェブ媒体においてスポーツシューズ、スポーツアパレル、ドレスシューズに関する記事を中心に執筆している。主な著書に『人は何歳まで走れるのか?』『スニーカースタイル』『NIKE AIR BOOK』などがある。「楽しく走る!」をモットーに、ほぼ毎日走るファンランナー。ベストタイムはフルマラソンが3時間50分50秒、ハーフマラソンが1時間38分55秒。