ぷーこの家電日記
第41回:プリントしてからが写真? アナログ父とデジタルカメラ
by 徳王 美智子(2014/7/18 07:00)
我が家の父60代後半。とてもお茶目でダジャレセンスはピカイチの九州男子である。
アナログな父親が携帯を持った時は私にとって衝撃的だったが、それ以来、父とはちょこちょこメールをしてた。そんな10年程前の師走のある日、ピローンとメールが飛んで来た。
「お父さん、デジタルカメラが欲しいなぁって思ってまーす。教えてー! 」
というメールが。
父がデジカメ!? と驚きつつ、「どんなカメラが欲しいの? コンパクトで持ち運びやすいものがいいとか、少し大きめでもいいからいい写真が撮れるのがいいとか、欲しいなって思ってるイメージを教えて」って返信すると、「○万画素以上で、○倍ズームとかで、コンパクトで軽くて、xxx-xxx(型番)かyyy-yyy(型番)か、zzz-zzz(型番)とかがいいかなーって思ってます。予算は3万位かな」と。めっちゃ調べてるじゃねーか! (笑) そして、電気屋でたくさんカタログを貰ってきて、話を聞いてウハウハしてるのが想像つく(笑)
指定してきたスペックは、当時のコンパクトカメラではMAX上位。すげー最新のすげーいい条件だった。その数値の意味分かってないだろ! 絶対電気屋のにーちゃんに聞いた受け売りだろ! 3万じゃ買えないだろ! (笑)
と、もう心の中で突っ込みつつ爆笑しながらも、私の好きなデジタルの世界に、アナログ父親が自ら興味を持って来たのがすんごく嬉しかった。
「その3機種とも、全部光学ズームついてないけど、よい? 」と聞いたら、「光学てなーに? 」と、カワイイ返信。デジタルズームとはね、光学ズームとはね、と簡単に説明したら、欲しくなっていた機種に迷いが出始めたらしい。それで私がすんごい気になってた機種を薦めてみた。その時期、光学3倍ズーム搭載機としては「世界最小・最軽量・最薄型」っていうミノルタのDiMAGE Xシリーズの「DiMAGE Xg」だったかな。すげーーーって、私がヨダレを垂らしそうになりながらチェックしてた機種だったのだ(笑)
「DiMAGE Xgとかはどう? 」というメールの返信には「ダンディなお父さんにも似合う? 似合う? 」だった(笑)ヤバい。父可愛い。父親萌えだ。
「似合う似合う。いい子にしてたらサンタさんが持って来てくれるかもしれないよ」「いい子にしてまーす! 」
というやり取りの元に、プレゼントする事に。(どこがダンディなんだか 笑)
自分用に買うには(価格的に)中々決断しかねる機種だったけど、あの世代の人は(私の周りだけかもしれないが)本当にモノを大事にする。1回買ったらずいぶん長い期間使うだろうなと思ったので、妥協して買うよりも、良いものを買おうと思ったんだ。
予想通りものすごく喜んでくれて、そのカメラはいつもどこでも持ち歩き、ホントに大活躍。
買ったはいいけど使わず……ということには全くならず、いつでもどこでも持ち歩き、本当に使い倒してくれた! そして大事に大事に使ってくれた!
が、ですよ。ですが、ですよ。
父親にとって、プリントして初めて写真になるらしい。プリントしないデータは写真ではないのだ! 写真を撮ってはカメラ屋さんにプリントをしに足繁く通い、プリントに出すのがフィルムからメモリに変わっただけだった(笑)。プリントに出す前に、PCで選別だけはしているけれど。
「どこどこに行ったよー」とか、「結婚記念日に撮ってもらったー」など、私にも写真を送って来てくれる。宅急便の荷物に混ぜて……(笑)。やっぱりアナログなのだ。
「あの時の写真、何枚いる? 」とかって聞かれたりするときは、「えっと……3枚? 」なんて答えるわたくしなのですが、これが我が家流なのだと思って、「メールで」なんて野暮なコトは絶対に言わない(笑)
そんな父のデジカメは今は2代(台)目となり、私がプレゼントしたコンパクトデジカメ一眼と併せて2台使い。アナログ父はどんどん進化していくのであーる。それでも写真はプリントなのであーる! 今度はフォトプリンタでも探してプレゼントでもしようかな。アナログな父に対して私はデジタルで答える(笑)
そして、プリントしてこその写真という我が家の文化に対して、ぐうたらで面倒臭がりの私が抱えてる大きくて大事な宿題。
実は半年程前に挙げた結婚式の写真を、まだ両親に渡せていないのである。ただのプリントじゃなくてフォトブックにして贈ってあげようと決めてたのに、時は流れ流され気付けばもう半年経っちゃった! ヤバい。ヤバすぎる。親不孝してるじゃないか!
今月中に写真を選んで構図決めて、フォトブックを注文して、メッセージカードを添えて両親に贈るのだ。宣言の力! フォトブック作りについては、また後日……。次回とは書かないのが逃げかもしれない(笑)