ぷーこの家電日記

第510回

今年は全力応援。マラソンは観戦も楽しかった

先の3月3日に開催された東京マラソンを、今年は夫が走った。去年走った私は、今年も応募していたのだけれど、倍率が高い人気の大会のため、今年は落選して応援係。そもそも夫は「走ってみたい!」という強い希望があって応募した訳ではなく、「せっかくなら一度くらい東京のど真ん中を走ってみたくない? 一緒に出られたらめちゃくちゃ楽しそうじゃない?」と言う私にそそのかされて応募。そして私が落選し、夫だけが当選したのだった。

それが2020年開催予定だったはずの大会。「走れる気がしない。無理だ」と言いながらもコツコツ練習をしていたのだけれど、コロナが流行し始めて、大会直前で中止になった。その年の当選者は2022年~2024年開催の大会のどれかに振り替えることができる権利を貰え、夫は気持ち的に先送りの先送りで、最後の今年に振り替えたのである。そして先送りした今年はやってきた。

コツコツと練習に励みつつ、やっぱり今年も憂鬱な夫。2月後半からどんよりとテンションは低め。去年の自分を考えると、気持ちが分かりすぎる。でも「楽しんで! 走った後は不思議とめちゃくちゃ楽しかったしか残らなかったよ!」なぁんて慰めるくらいしかできない。大会1週間前は逆に自分で「楽しみだなー!(棒読み)」みたいなポジティブな言葉を声に出しながら、自分で暗示をかける作戦に出て、その作戦はそこそこ効果があったようで、天気も気持ちもバッチリ快晴で、大会当日を迎えた。

スタートは9時過ぎなのだけれど、ランナーの受付が7時半からなので、6時過ぎには家を出て新宿の都庁前を目指す。私も一緒に出発して、現地でお見送り。地下鉄を乗り換えて現地に近づくにつれて、ランニングウェアに身を包んだランナーたちが増えていく。去年を思い出して懐かしい感じとか、今から始まるんだというちょっとした緊張と、ワクワクするような高揚と、いろんな気持ちになる。

最寄駅で降りてスタート地点まで人の流れに乗ってゾロゾロと歩いていく。ここからはランナー以外は入れませんという地点で、別れる時には私の方が不安と心配でイッパイ。姿が見えなくなるまで見送って……。「朝ラーメンしよーっと」と、人混みに逆らって、新宿の街を抜けてラーメン屋さんを探してラーメンを食べた(笑)。スタートまで時間もいっぱいあるし、さらに記録を持たないランナーは、スタート地点に移動するだけでも30分くらいかかるのである。

私はプロ級の方向音痴な上に、普段あまり出かけない地方出身者なので、観光客並みに土地感がない。このマラソン大会は私にとっても、どこまで応援追っかけをできるかの戦いでもあるのだ(笑)。

去年夫が応援のプロのように全力で応援してくれて、走っても走っても沿道に現れてくれて、とても嬉しかったし励みになった。同じレベルでスムーズに移動できる自信は全くなかったので、欲張らず無理せず、確実に移動しながら全力応援。

「応援Navi」というアプリを使えば、名前かゼッケン番号で検索したランナーが大体どこを走っているか見ることができる。それをチェックしながら移動し、夫が現れるまで見知らぬランナーを全力で応援する。

去年の一度だけだけど、私は一度フルマラソンを走りきった人間だ。応援する顔にもその風格は出ていただろう(笑)。「ナイスラン! 頑張れ!」と、恥ずかしげもなく、去年自分がずっと言われ続けて嬉しかった言葉を見知らぬ市民ランナーにかけ続ける。

きっと過去の私ならちょっと恥ずかしくて声を出して応援とかできず拍手するくらいだっただろう。そして応援も真剣にやるとものすごく楽しいし感動する。ランナー1人1人が本当にいい顔をしているのだ。去年いっぱい応援してくれた人たちも、いつかいっぱい応援してもらった人なのかもしれない。こうやって自分が走らなくても応援として参加するのもすっごい楽しいなと、毎年の楽しみになりそうな予感がした。

最初は「応援navi」アプリが全く動いてくれず、最初いろいろ手こずったり、応援につまずいたりもしたけれど、思ったよりも結構スムーズに移動もできた。途中で一緒に応援してくれる同僚と合流してランチしたり、歩き疲れて1人でちょっとビール飲んで待っていたりと、夫が必死に走っているというのに、私は丸1日東京観光を全力で楽しんでいた。

苦手な地下鉄の乗り換えも上手くいって、いいポジションで待ち構えることもできたし、天気も良くて、1駅2駅歩いたりするのも苦痛じゃなかった。久々に週末に1日中歩き回って遊んだ気がする。

そして家を出てからほぼ10時間。へとへとに疲れ果てた夫が東京駅前のゴールに辿り着いた時はちょっと泣きそうになるほど感動した。自分がゴールした時の感動とはまた違う感動である。

合流した後、「めちゃくちゃきつかったけど、楽しかった? 感動した?」と、去年の私の感動を思い出しながら聞いたら、「ぜんっぜん楽しくはなかった」と、全く共感はしてもらえなかったけれど、ちょっと完走した誇らしげな顔はしていた(笑)。まっすぐ家に帰って軽い慰労会。今度は一緒に走れたらもの凄く嬉しいなぁと思うけれど、その機会が来なかったとしても、これからは完走したもの同士、本気の応援を楽しみに、東京マラソンを満喫しようと思っているのでありました。

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まないアラフォー世代。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。