ぷーこの家電日記

第474回

我が家の古米問題その後……我が家は米粉天国

5月も中旬なのに、早くも夏のような暑さを感じる今日この頃。暑がりで汗かきの私は、ご飯を食べただけで暑くて暑くて早くもエアコンを入れたいくらい。でもエアコンを使う前にきちんとお掃除したい。暑さの限界を迎える前にエアコンクリーニングをお願いするのだ。ただ、こういう点検とか工事とかクリーニングとか、室内で作業する時に家主の自分は、どうしているのが正解なのかが分からず、ものすごく苦手。横でじっと見ていられても迷惑だろうし、放置して別の部屋にいるのもはばかられるし、話しかけた方がいいのか黙っていた方がいいのか、もうどうにも分からなさすぎて非常に困る。どうしているのが正解なのか誰か教えてほしい(笑)。

さてさて、先日書いた我が家の古米ストック問題の解決に期待しながらも、半信半疑で買った山本電気の「万能粉ひき NEWよめっこさん Y-308B(以下:NEWよめっこさん)」について。「大活用のお話はまた後日」なぁんて書いちゃったし、本日は後日談をば。

感想を一言で言うならば「すっごぃ! 期待以上!」だった。

ただし、開封して第1印象は「そうだよねぇ。やっぱりなんの変哲も無いミルだよねぇ」だった。我が家にも気に入って使っている電動ミルはある。ほぼスパイス専用になっている電動ミルだけれど、けっこうなパワーだし、ステンレス製で匂いも付かず非常に気に入っている。そんな高性能なミルでも米を挽くと、パッと見ちゃんと米粉になった感じには粉砕される。けれど、指でつまむと指先にちょっとした粒々を感じるのだ。指先で粒感を感じるということは、舌だともっと粒感を感じてしまう。歯触りとか舌触りとかすごいなぁと、人体の不思議というか精密さに感動するんだけれど、イマイチ日常的に使える米粉を、作ることはできなかった。

「やっぱり家で使えるレベルでの米粉を、家庭で作るのは無理だよねぇ」と思いつつ、ダメ元で買った「NEWよめっこさん」を使って挽いてみる。スイッチを入れた瞬間に、分速18,000〜24,000回転という高速回転であっという間に細かく砕かれていく。我が家のパワフルミルは消費電力160Wに対して、「NEWよめっこさん」は220Wのモーターを搭載! さらにパワフルなのだ。

見た目も音も、たいして変わらない電動ミルなんだけれど、これはなかなかすごい。でもここまでは通常のミルと同じくらい。本当の感動は運転30秒を超えたあたりからだった。粉砕されて米が刃に巻き上げられた時に、かなり細かく軽くなった粒子がゆっくり舞って落ちるようになって、まるで泡立てたホイップクリームに泡立て器の跡が残るような感じで表面が波立ってきたのだ。さらに10数秒で細かくなった粒子が静電気を持つのか透明な蓋に付いて曇るような感じになった。これは今まで使ったミルでは、感じたことが無いほどの、ふわふわな粒子感。「わぁ! 凄い凄い凄い!!」と思わずはしゃいでしまった。そして挽き終わった粉を指で摘んでみると、全然ざらついた感じがしない。

完全に粉!

ひとつまみ口に入れてみると、舌ではほんの少しだけ粒感を認識できる。米粉としては及第点だし、これが家でできるとなると、花丸を付けたいくらいに素晴らしい!

ということで、我が家でけっこう頻度が高い粉もの料理は、かなりの部分が小麦粉から米粉に置き換わった。しかも玄米を挽いた米粉を使うことで、食物繊維やビタミンミネラルなどの栄養素までアップしている。自家製粉はただでさえ市販の米粉よりもキメが粗いうえに、玄米の癖もあるので、お菓子作りなどにはあまり合わないけれど、料理によっては全く気にならない。

1番マッチするのは唐揚げの衣だった。もともと鶏肉に味が付いている上にザクっと揚げられているので、気にならないどころか、夫はおそらく気づいてもいないだろう(笑)。お好み焼きもちょっと糠の香りがするけれど、ソースをかけて食べるので玄米でもさほど気にならない。

たこ焼きは粉の硬さや質感が小麦粉とちょっと違うので、扱いに苦慮したというか出汁の分量と返しのコツを掴むのに少し時間がかかったけれど、小麦粉よりも米粉で作ったたこ焼きの方が私の好みの美味しさだった。さらに玄米よりも白米で作ったたこ焼きの方が断然美味しかった。たこ焼きはきっと繊細な食べ物なのだと思う(笑)。

1番我が家で食べるのは、もんじゃ焼き。もんじゃは野菜がもりもり食べられるし、作るのも片付けるのも簡単だし、お酒のおつまみにもぴったりなので、「夕飯何にしようかな」と悩んだ時はもんじゃ焼きにすることが多い。米粉のもんじゃ焼きは小麦粉のもんじゃ焼きと似ているようで、別の料理みたいになる。そのもんじゃと呼んでいいか分からないような名前の無い料理も、非常に美味しいので気に入っている。パンを焼く時だけは小麦粉の種類でも大きく仕上がりが違うし、グルテンを含まない米粉だけで美味しいパンを焼くのは私には難しいので小麦粉を使うのだけれど、粉の4分の1程度を米粉にするとモチッとした仕上がりになって、気のせいか腹持ちも良い気がして好きだ。普通に炊いたご飯も含めると、我が家の米消費量はめちゃくちゃ伸びている!

米粉の話に終始したけれど、米を挽く以外にも、きなこや出汁パックにアーモンドパウダーにピーナッツバター作りなどなど、とにかくはかどる。凄いパワーでどんどん粉砕してくれるので、見ているだけでもかなり気持ちが良い。米粉やきなこを作るときは、一度ちゃんと浸水させてから天日か低温オーブンで水分を飛ばして乾燥させて(きなこの場合は大豆を炒って)から挽くのが、家庭用なりに1番きめ細かい美味しい粉ができるコツかなと思う。キッチン家電が大好きで、けっこう知っていて、けっこう持っていると思っていたけれど、全然知らなかった「NEWよめっこさん」。知る人ぞ知る隠れた逸品というものはまだまだ沢山あるんだろうなぁ。またこんな感動するマイナーな凄いやつに出会いたいなぁと、ますますこの世界の虜になっているのでありました。

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まないアラフォー世代。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。