ぷーこの家電日記

第473回

何もしない時間の贅沢。のんびりピクニックが楽しかった

ゴールデンウィークが終わった直後から、電車通勤の人がものすごく増えた気がする。私が利用している路線は「通勤電車混雑ランキング」で1位とか2位とか言われている結構過酷なラッシュを味わうことができるうえに、私は一番混雑している時間帯とエリアを通って通勤している。それでもこの数年は混雑しているとはいえ、テレワークが増えた影響からか、「ギュウギュウ」と言うより「ギュウ」程度の混雑だった。

それがゴールデンウィーク明けに体感的にグッと増えた。駅のホームで「あら? 今日は事故でも起きてダイヤ乱れてる?」と一瞬疑うほど多くの人がいた。電車に乗り込む時ももちろんお尻からグイッと。久々に真のラッシュアワーを思い出してしまった。コロナが5類に移行したことで、また生活様式が変わってくるのかなと感じているのであります。

そんな感じでどんどん活動的になってきたなと思う今年のゴールデンウィークは、本当に数年ぶりの「普通」のゴールデンウィークな気がして最高だった。旅行に出かけるでもなく、遠出するでもなく、かといって「わー、ダラダラ過ごして何もしない間に連休が終わってしまった。もったいなさすぎる!」と後悔して落ち込んだりすることもなく、程よくリフレッシュ程よくダラダラ、程よく予定を決めて程よく無計画な感じで過ごした。

数年ぶりに友人の家に出かけたり、一人でのびのび畑仕事をしたり、昼から飲んで背徳感を楽しんだり、友人とホームパーティーしたり。ゴールデンウィーク最終日には、これまた数年ぶりの野球観戦に出かける予定でワクワクしていたけれど、大雨で試合が中止になってしまったのは少し残念。それでも概ね充実していて、春というか初夏っぽい気持ちのいい連休をかなり満喫した今年のゴールデンウィークだった。

そんなゴールデンウィークのうちの一日、友人とピクニックに出かけた。ワーカーホリックという言葉では足りない程に仕事人間だった友人にとって、社会人になって初めてのゴールデンウィークだったのではないだろうか。土日も盆も正月もゴールデンウィークもいつも仕事していて、いつも忙しそうだった。そしてセルフネグレクトというか、自分のことはいつも二の次だった友人、先日ちょっと大病を患い、強制的に人間らしい生活を送ることになったのだ。

私もいつも「また今度ご飯でも行こう!」なんて言いながら、コロナ禍だったり忙しそうだったりで、なかなか一緒にご飯を食べたり遊んだりしていなかった。この「また今度」が当たり前にあるわけじゃないと、人生において何度か学んだはずなのに、すっかり忘れていたようでガツンとまた頭を殴られた気持ちになったんだ。

ということで、ゆっくりした時間を過ごすことに全然慣れていない友人と、何もしない贅沢を味わいたくてピクニック。季節的にバーベキューもいいし楽しいのだけれど、バーベキューは火を起こしたり「焼けたよ!」とか「焦げる!」とか、ゆったりした時間とはちょっと違う。ボケーっとしたりお弁当を食べたり、ただお喋りをしたり、そんな時間を過ごすにはピクニックが最高なのである。

ピクニックといえば、まずはお弁当。ダラダラと時間を無駄に過ごすことの大先輩として私が担当(笑)。年に数回しか活躍の場がないけれど、何かの時に「これかわいいな」と思って買った3段のランチボックスが最高に便利ですごく気に入っている。

簡単ながら自分が上機嫌になるお弁当を作っている間に、約束の時間が迫ってバタバタと待ち合わせ場所に向かった。出会った瞬間に、友人2人と私の3人、全員がものすごく浮かれた休日の格好をしていて、それだけで笑えて楽しい。予定していた大きな公園に向かう途中、公園の駐車場に向かう渋滞が酷くて「ゴールデンウィーク凄いね。これはヤバい! 退散!」と、急遽友人宅近くの公園に行き先変更! たどり着いた公園はかなり広いのに人も少なく、程よい木陰が多く、ピクニックには最高の穴場だった。

外で人と食べるお弁当はとにかく美味しい。そして友人が100均で買ってきてくれたバドミントンラケットとおもちゃの柔らかいボールでソフトテニスなんてやったけれど、すぐに息が切れてしまう。一番盛り上がったのは、これまた100均で買ってきたというトランプ! トランプも本当に久しぶりにやって、「ちょっと待って。ルール忘れた。教えて!」みたいなゲームもあったけれど、ただババ抜きをするだけでもゲラゲラ笑えてとにかく平和な休日を過ごした。「こんなにゆっくりとした休みの日を過ごしたことなかった」と、しみじみしながら何もないことの幸せを噛みしめる私たち。

ピクニックっていいなぁ。しっかり準備しなくても、ベランダでランチ食べるだけでも十分ピクニック気分味わえるし、インドア派の人もかなり楽しめる簡単アウトドア。火を使っていい公園でコーヒー入れたりホットサンド焼いたりもしたいけれど、ふらっと予約せずに出かけて火気OKな場所はなかなか周りにはない。予約含め事前に時間を決めたりしっかり計画を練ることが苦手な私たちには、お弁当を持って行くのが合うんだろうな。本格的な夏が来る前にまたトランプでも持ってピクニックに行きたい! 次のお弁当には何を入れようかなぁ。と、すでにワクワクしながら考えているのでありました。

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まないアラフォー世代。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。