ぷーこの家電日記

306回

猫の防寒グッズ、なにを買えば良いかわからないまま本格的な冬到来

 もう12月が目の前なので、当たり前と言えば当たり前なんだけれど、いきなりぐーんと寒くなって、「え? どうしたの?」と体が戸惑っている。朝起きて着替えるときに、「昨日暖かかったしなー」などと思いながら、同じように着替えると大変なことに。前日から10℃以上気温が違うなんてこともあって、体だけじゃなくて脳みそが混乱している。そして今日はめちゃくちゃ寒くなるんでしょ? なんて厚着すると、室内の暖房の暖かさに気分悪くなったりも。自分のちょうど良いが全然わからないまま、本格的な冬に突入した。

 私にとっての冬の楽しみのひとつは、猫との距離が近くなること。夏の間は冷たい床でドベーっと寝ていた猫たちも「寒い寒い」とべったべたに寄ってきて添い寝をしてくれる……はずだった。

 うちの猫2匹は我が家に来て2回目の冬。去年は「君たちは、このお布団という素晴らしい魔法を知らないのか!」と、1度入ると中々抜け出せないお布団の魅力を教えようと思っていたけれど、全然伝わらず1回も布団に潜ってくれなかった。

 今年も急に寒くなってきて、「そろそろ『寒い寒い! 中に入れて!』と言い出すんじゃないか?」なぁんて淡い期待をもってしまったが間違いだった。中に入る気も全くなければ、私がお布団に潜ると、座っていると膝に乗ってくる子ですら、すーっと離れていく。そういえば、前に飼っていた猫もお布団の中では寝ない派だった。布団を被っている私の胸の上で寝る子で、重いけれどめっちゃ可愛いかった。

 「寝るよー」と言うと「はーい」と着いてきて、私が布団に入るのを待ってから登って来て寝る。スピースピーと猫の寝息を聞きながら私も眠りにつくのが幸せだった。でも、猫が熟睡すると少しずつずり落ちて来て私の口と鼻を同時に塞いで「こ、殺す気か!」と目が覚めたりしてた(笑)。天国に行っちゃって、楽しい思い出として懐かしくなるけど、やっぱり寂しい。

 今の2匹は私の枕元か足元で寝ることはあっても、基本私には触れない距離を取って寝る。これも寂しい。ソファに座っていると膝には乗ってくるので、ブランケットをコソッと少しずつ掛けて「あれ? なんか暖かい!」と目覚めさせる作戦に出ているけれど、上になにかが掛かるのがきっと嫌なんだろう。途中で気付いて抜け出して行っちゃう。でも肉球は冷えて冷たいし、寒いだろうに……。

 お猫様ファーストなので、嫌がることはいたしません。と、私の添い寝願望は捨てるとして、この冬にぬくぬく暖かく過ごしてもらわなきゃ心配だよーと思って、猫の暖かグッズなどを探してみている。猫用のこたつなんてあるのかー! これは可愛い! と買いたいのだけれど、布団にも入らない子だし、使ってくれる気が全くしない。見向きもされないまま部屋の真ん中に鎮座する小さなこたつが目に浮かぶ。

 そして、こたつにしてもホットカーペットにしても、留守中にスイッチ入れたままにするのは怖いので結局普通の猫用ベッドかなぁ。でも猫用ベッドもあまり使ってくれないことは経験済み。留守番中は、ソファの上で2匹で寄り添って寝てることが多い。

 ビーズクッション的なのを気に入って、以前毎日のように乗っていたけれど、爪が引っかかって小さな穴がたくさん空いて、中からビーズがポロポロとこぼれ出してすぐにダメになった。なのでできたら別のものが良い。レンジで温める湯たんぽとか置いてみるかな。でも湯たんぽは硬いから昔飼っていた犬にも不評だったんだよなぁ。

 などなど考えながら、「期待してはいけない。正解もない。使ってくれないということを前提で買わなきゃ何も買えないぞ!」という結論に達した私は、メルカリで中古の暖かグッズでも探してみるかな、と覗いてみた。

 さすがにたくさんの商品が並んでいて、何を買えば良いのか完全に迷宮入り。どうせ使わない前提で考えると、あまり考えずパッと買えるかと思いきや、逆にどれもこれも「これだ!」とならないので決断できないものだな。

 そして、いろんな商品の商品ページを見ていると、「ほぼ新品です。うちの子に買ったのですが、見向きもしてくれませんでした」みたいな文章が結構並んでて、爆笑しながら「わかるー!」とすごく共感してしまった。いろんなページで同志を探しては「だよね、だよねー」と勝手にひとりで盛り上がるという、全く違う遊びになってしまった(笑)。

 結局まだ何もゲットできていない。どうせなら、同じく愛猫に振り回されている嘆きの飼い主さまから買いたいので、もう少し哀愁漂うメルカリ商品紹介を楽しもう。本格的に寒くなってきたので、急いで対策してあげたいけれど、「ほら、公園にいたときよりも家の中にいるだけで暖かいでしょ? 身を寄せ合う相手もいるしさ!」などと、猫には言い訳している。

 きっと本ニャンたちは、2匹猫団子で案外困ってないんだろうなぁ。こうやって猫の下僕となって振り回されるのに喜びを感じてしまう私だけど、「お布団に入ってきてくれてもいいんだぞ」などと、一縷の望みを捨て切れていないのであります。さて、なにがお気に召すかなー。

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まない30代後半。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。