ぷーこの家電日記

305回

納豆ご飯が大好きすぎて、大豆から育ててみた

 人より結構食いしん坊の部類に入るという、自覚はある私。食への執着が人よりちょっと強いのかな? と気付いたのは、実はここ最近のこと。食べるって楽しいし、幸せでしかない。年々省エネ化してくる体に、「胃袋のスペアと燃やせる体が欲しいー!」と願ってしまう程に食べることが好きだ。

 でも食べる物にこだわりがあるのとは全く違う。ジャンクフードだって大好きだし、バランスを度外視したものだって大喜びで食べちゃう。「どれも違って全部いい!」ですよ。そんな私の大好物の上位に確実に入ってくるだろうなと思う食材の1つに納豆がある。

 もう、納豆ご飯があったらそれだけで結構幸せなのだけれど、一人暮らしの時よりは食べる頻度が減っている気がしている。

 何でだろうと考えてみたら、1人だったら「納豆ご飯、以上!」という献立で全然満足できるけど、さすがに「ほれ、晩ご飯」と、夫に納豆ご飯だけを出すのは抵抗がある。じゃあお味噌汁でも作るか、あともう1品くらい作るか……、ってなると、今度はそのおかずだけで十分ご飯が食べられちゃうもんだから、納豆ご飯よりも白飯が良い。そうすると納豆ご飯の頻度がどうしても減ってしまうのだ。

 納豆ご飯は納豆ご飯だけで食べたい私。そのせいか、夫が出張などで今日はいないってなると、私の晩ご飯は大体「納豆ご飯」だ。「今日はひとりかぁ……。売っている中で1番高い納豆買って、熱々ご飯と思い切り混ぜて、ひとりで贅沢してやるぜー! ひゃっほー!」と、妙にテンションが上がるのである(笑)。

 1番高い納豆と言っても、普段買う"3パック100円"の納豆が"1パック200円"になるくらい。それでも、「5倍以上もする高級納豆!」と、200円くらいで超セレブ感に浸れるうえに、夫に隠れて1人でいいもの食べちゃってる背徳感も味わえて、なかなか楽しい1人時間になるのだ(笑)。

 そんな感じで、密かながらかなり納豆を愛している私は、ときどき美味しそうな大豆を見つけては「美味しい納豆を食べたい」と、自分で納豆作っちゃったりもしてた。でも、納豆って作るのにそこそこ時間がかかる。

 一晩水に浸けて、翌日は豆を柔らかくなるまで炊いて、そこに納豆菌を混ぜてヨーグルトメーカーで24時間、味が落ち着くまで1日~2日。そうして出来上がった納豆は、それはそれはとっても美味しい。

 けれど、「明日出張になった」などと夫が言い出して、「うおー! 納豆ご飯!」な時がやってきても、作るのに時間がかかるので間に合わない(笑)。でも、手作り納豆ってやっぱり美味しいんだよなぁ。

 春頃にテレビで、農家の人が豆を育ててから納豆作っているのを見て、「私もこれやろー!」と釘付けになってしまった。6月にジャガイモを収穫したあとに、納豆にもちょうど良いサイズの小さい黒豆を畑に蒔いた。面倒くさがりなくせに、半年がかりで納豆食べようだなんて、私、納豆にめっちゃくちゃ執着あるじゃないか(笑)。

 夏は虫と戦い、台風になぎ倒されそうになりながらも、たくさんの豆を付けて成長した黒豆。試しに枝豆のときに数株収穫した。思っていたよりも大きく育って、凄い量の豆を付けてる。

 引き抜いた枝豆を家に持ち帰り、枝から鞘をチョキチョキと切り落としていく。凄い量の豆に「くっそ面倒臭い!」と思いながらひたすらチョキチョキ。途中で疲れて「私は一体何をやっているんだ!?」という気分になったりもした(笑)。

 そして、頑張った甲斐もあって、かなりの量の枝豆が採れた。それをお湯でさっと茹でてから、今度は枝豆を鞘からピッピと取り出していく。これもなかなか面倒な作業。それでも、若い枝豆から黒豆になりかけの豆まで混ざって、グリーンのカラーパレットみたいで感動的な美しさ!

 取り出した豆を再びお湯に投入して、今度は柔らかーくなるまで茹でていく。柔らかく茹で上がった枝豆が熱いうちに納豆菌を合わせてヨーグルトメーカーへ。42℃で24時間セットして、私の作業は完了であーる。この後は納豆菌がただひたすら働いてくれるのを待つだけのお仕事。頑張れー。

 丸1日経ったあと、上に掛けてた布巾(納豆は非常に呼吸をするので密閉せず、蓋を軽くずらして開けて、息ができるようにキレイな布巾を上に掛けておく)をジャーン! と取り外すと、見るからに納豆! そして枝豆だったのに、黒豆納豆らしい黒い納豆になっている。感無量だ。

 すぐ食べたいところだけれど、納豆菌は豆のタンパク質を分解する時にアンモニア臭を発生させるので、納豆菌が活動してる出来立ては美味しくないので我慢。蓋をして、冷蔵庫に2日間寝かしておいた。

 そろそろ納豆食べるぞー♪と思っていたちょうどその時、「今日会社の飲み会が入った」と夫が言い出して、「めっちゃ納豆ご飯日和だわ!」と、妙に嬉しくなった。決して夫に食べさせたくないわけではないけれど、納豆ご飯をガガガガ! と無心で掻き込むには、やっぱり1人がちょうど良いのである(笑)。

 仕事が終わってスキップしながら帰って、納豆ご飯を準備。卵を入れるのも好きだし、チャンジャ納豆なんかも美味しい。でもまずはスタンダードな納豆ご飯。色が暗いので、ベランダからちょっとだけニラを収穫してパラパラと乗せ、お醤油をチョロリ。1人なのに「いただきまーす!」と大きな声で言ってから一気に掻き込む。

 さいっこうに美味しい! 数日掛けて、何なら数カ月かけて作った納豆なのに、食べるときはほんの一瞬。5分もしないうちに完食。労力も味のうちなのか、今まで食べた納豆の中で1番美味しかった!

 週末に残りの全ての黒豆を収穫する予定なので、今度は枝豆じゃなくて黒豆でも作ってみよう。しばらくベランダに豆を干しておかなきゃなので、洗濯物はしばらく外に干せない(笑)。美味しい納豆を食べるチャレンジはまだまだ続く。来年も大豆育てるぞー!

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まない30代後半。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。