ぷーこの家電日記

304回

ものっ凄くコスパ良すぎる家電、我が家の「バリカン」

 週末に髪の毛を切りに行った。バッサリ切ったので、ダイエットしててもお肉なんて1gも減っていないのに、ちょっと痩せた気がするくらいにさっぱり軽くなった。美容院という場所がとても苦手で、行きたいのに予約を入れるのがいつも億劫。「美容院行きたいー」と言いながら大体半年ほど引き伸ばし、「やばい、今すぐ切りたい!」みたいな衝動に駆られてから、やっと予約を入れる。

 行ったら行ったでめっちゃテンションも上がるし、ご機嫌になって「もっとちゃんとこまめに行こう♪」と毎回思うのに、また放置してしまうズボラ&人見知り。美容院という場所がオシャレで綺麗で、場違いみたいな気がして苦手なんだと思う。そして美容師さんもとてもオシャレで綺麗なもんだから、「何かワタクシメがすみません」みたいな気になるのだ(笑)。

 ようやく予約を入れてから、「今週末美容院行ってくる」と夫に言うと、「行ってらっしゃーい。美容院って2時間とかかかるんでしょ?」と言うので、「いや、3時間とか平気でかかっちゃうよ」と答えると、「俺は2分!」と妙に得意げに言われて、笑ってしまった。

 本連載をお読みの方はご存知かもしれないけれど、我が夫の頭はきめ細かい艶肌だ。サイドはどうしても生えてきちゃうので、2週に1回くらいのペースでバリカンで刈っている。結婚当初は1,000円カットなどに行っていたけれど、「特にこだわりがなかったら、バリカンで刈ってあげようか?」と言ったら、「こだわりあるわけないじゃん!(笑)」とバリカン案を快諾して家で刈るようになった。

 「伸びてきて気持ち悪いー!」「仕事忙しくて床屋に行けないー!」というストレスがなくなって、なかなか快適のようだった。3,000円程度で買ったバリカンには、いろんな長さやスタイルに合わせて使えるアタッチメントが付いていたけれど、夫は3mm以外不要。使うこともないからと、3mmのアタッチメント以外は箱と共に早々に捨てちゃって、しばらく3mmのアタッチメントを付けて刈っていた。

 6年前の3月末日だったと思う。自宅で二人で晩酌をしてて良い感じで酔っ払っているときに、「あー! 髪の毛を刈ってもらいたかったんだった。もうロン毛過ぎて」と夫が言いだしたので、「OK!」と風呂場でいつものようにバリカンで髪の毛を刈ることに。酔っ払って陽気な私は「ねぇねぇ、この3mmのアタッチメントっているの? やっぱり全然違うもの?」と聞いたら、「え? えー? アタッチメントなし!? それは……。ま、いっか!」な感じで夫も同じく陽気(笑)。

 「行っきまーす!」とアタッチメントなしのバリカンを通したときの盛り上がりはなかなかのものだった。「めっちゃ楽しんでるじゃない!」と言われながら、「そりゃ楽しいでしょ」と爆笑して誕生したほぼスキンヘッドに近い髪は、なかなか似合う。

 「頭の形が綺麗でよかったね! こっちの方が格好いいじゃん」と褒めちぎって断髪式(?)を終えたけれど、翌日から4月。期始めに気合十分で、「みんなどんな反応するだろうね?」とワクワクしながら出社していった。帰ってきて、「みんなどんな反応だった?」と聞いたら、「それがさぁ、4月に異動で入ってきた人が、全く同じ髪型でさ(笑)」というまさかのオチでこれまた爆笑。

 それ以来3mmのアタッチメントともサヨナラして、シャワー浴びるときに髭を剃るように自分でキレイに刈るようになって早数年。そんな夫が「バリカン買ってー」と言い出した。刃の部分は全然問題ないけれど充電がダメになってしまったらしい。いやぁ、6年間もよくもったなぁとコスパの良さに感心してしまった。

 そうして買い換えることになったバリカン。「同じのでいいの?」と聞いたら、「もっとテンションが上がる格好いいのが良い」と言うので、「格好いいバリカンというものが私にはわかりません(笑)」と言って自分で選んでもらった。本人曰く「とっても格好いい青色のバリカン」をゲットして「これは格好いい!」と喜んでいる。刈り心地もとても良いらしい。私が1度美容院に行く値段で10個近く買えそうで、「家計に優しい髪型だねぇ~!」と感謝しちゃう。

 スッキリした清潔感あふれる素敵な頭だけれど、夏は下手したら火傷しちゃうし、冬は寒いを通り越して痛いらしい。背が高いので、不意にぶつけて流血してしまったり、髪の毛って何気にすんごい頭を守ってるんだなぁと実感する、脆弱でデリケートな頭。そろそろ寒くなってくるし、今年も可愛い毛糸の帽子でも編んであげようかなぁと思っているのであります。

徳王 美智子

1978年生まれ。アナログ過ぎる環境で育った幼少期の反動で、家電含めデジタル機器にロマンスと憧れを感じて止まない30代後半。知見は無いが好きで仕方が無い。家電量販店はテーマパーク。ハードに携わる全ての方に尊敬を抱きつつ、本人はソフト寄りの業務をこなす日々。