調理の下処理

ひな祭りやお祝い・行楽に! ちらし寿司や茶巾寿司に便利な、破れにくい「薄焼き卵」ときれいな「錦糸卵」のコツ

第83回

 ひな祭りや春のお祝い・行楽には、ちらし寿司や茶巾寿司で食卓を彩る人もいるでしょう。どちらにも欠かせないのが「薄焼き卵」です。今回は、卵白と卵黄のムラがなく、破れにくい「薄焼き卵」を作るコツをご紹介します。ちょっとした手間できれいな「薄焼き卵」を作ることができますよ。また、「薄焼き卵」から「錦糸卵」を作る方法もお伝えします。鮮やかな黄色の錦糸卵は、料理を華やかにしてくれますよ。

破れにくい薄焼き卵は茶巾や錦糸卵に活用できる

破れにくくするために水溶き片栗粉を加える

 茶巾寿司を作るとき、薄焼き卵で酢飯を包もうとすると破れてしまうこともありますね。薄焼き卵を破れにくくするためには、水溶き片栗粉を入れます。片栗粉のデンプンによってしっかりして破けにくくなるため、焼くときにも裏返しやすくなります。味付けはお好みで砂糖や塩を加えましょう。

材料(直径約25㎝2枚分)

・卵Lサイズ:2個
・砂糖または塩:少々
・片栗粉:小さじ1
・水:小さじ2

水溶き片栗粉を加えて破れにくくする

ザルで濾して卵白の固まりを取り除く

 薄焼き卵の卵白と卵黄をムラなく仕上げたいときには、卵白の固まりを切るように混ぜます。切るように混ぜることを「卵白のコシを切る」と言います。ボウルに卵を割り入れたら、菜箸でボウルの底に線を描くように左右に動かしましょう。ときどき菜箸で卵白を持ち上げ、固まりを切ります。卵白の固まりが気にならなくなったら、砂糖または塩、水溶き片栗粉の順に加えて良く混ぜます。そのあとザルで濾し、卵白の固まりを取り除けば、下準備は完了です。

ザルで濾して卵白の固まりを取り除く

熱したフライパンは、1度冷ましてから卵液を流し入れる

 フライパンを中火で熱し、キッチンペーパーで油を薄く引きます。フライパンが温まったら、1度濡れ布巾にフライパンの底を付けて冷ましましょう。ジューという音がしなくなったら卵液を流し込み、フライパンを回して卵液を全面に広げてから火に掛けましょう。火加減は弱火です。約3分経つと縁まで固まってきます。菜箸で縁から剥がして裏返し、裏面を約30秒焼いたら薄焼き卵の完成です。

卵液を全面に広げたら弱火で焼き上げる

幅を揃えて切ると美しい錦糸卵になる

 ちらし寿司を作るには錦糸卵が欠かせません。錦糸卵を作るときは、フライパンで焼いた薄焼き卵の粗熱を取ってから3~4等分に折り畳み、端から包丁で切ります。幅を均一にすると美しく仕上がりますよ。使い切れなかった錦糸卵は、ラップに包んで保存します。冷蔵庫で約2日が目安です。錦糸卵を作り置きしておくと、ちらし寿司のほかにお弁当やサラダなどに利用できるので便利です。

幅を揃えて切るのがコツ

じゅん

チョコレートと漬物が好きな管理栄養士です。現在、子育てに奮闘中。体力の衰えを感じながら、子どもと公園を走り回っています。家事の効率化とシンプルライフを目指して、日々の生活を見直し中です。