調理の下処理
バレンタインに欠かせない「チョコレートの湯せん」、溶かし方のコツ
第82回
2019年2月8日 06:30
バレンタインデーにチョコを手作りするなら、チョコレートを溶かす作業は欠かせませんね。チョコレートは、基本は湯せんで溶かします。そこで今回は、チョコレートの刻み方から溶かし方まで、「チョコレートの湯せん」のコツをご紹介します。手作りチョコレートを美味しく仕上げるには、溶かす温度が重要です。チョコレートの特徴と併せて参考にしてくださいね。
チョコレートは、溶けやすいようにサイズを揃えて刻む
お菓子作りに使うチョコレートは、板状、ブロック状、粒状などさまざまな形があります。板状やブロック状のチョコレートを使う場合、溶けやすくするために包丁で刻みましょう。
サイズは5~10mmくらいが目安です。できるだけ細かく、サイズを揃えて刻むとチョコレートに熱が伝わりやすくなります。粒状になったチョコレートがあれば、刻む手間がなく湯せんが始められますよ。
道具は水分と汚れをしっかりと拭き取ってから使う
ボウルやヘラなどの道具は、きれいに洗ったつもりでも水分や油分などの汚れが残っていることがあります。チョコレートに水や汚れが混ざると、チョコレートが分離しやすくなってしまいます。道具は汚れをしっかりと落とし、水分をよく拭き取ってから使用しましょう。
湯せんに使う道具は、ボウル2個、ゴムベラ1個です。湯せんでは1つのボウルにお湯を張り、もう1つのボウルにチョコレートを入れて、湯の入ったボウルへ乗せ、底をお湯に当てて溶かします。
チョコレートを溶かすボウルが小さいと、下側のボウルから上がる水蒸気がチョコレートについてしまうので、ボウルは同じ大きさにするか、チョコレートを入れる方のボウルを少し大き目にして、湯を張ったボウルにピッタリとはめて使いましょう。ボウルは鍋でも代用できます。
温度に注意してチョコレートを溶かす
チョコレートを湯せんするには、50~55℃のお湯を用意します。チョコレートを入れたボウルをお湯の入ったボウルへ乗せましょう。作業中にお湯の温度が低くなった場合は、お湯を足して温度を50~55℃に保ちます。
固形のチョコレートは油脂であるカカオバターのなかに、カカオマス、砂糖、粉乳、水分などを混ぜて、絶妙なバランスを保っています。このバランスが崩れると風味が落ちてしまいます。高温でチョコレートを溶かすと、油脂に溶けていた水分などが分離して元に戻らなくなってしまうのです。
そのため、チョコレートが高温になってしまう直火や、沸騰したお湯での湯せん、加熱ムラができやすい電子レンジは使用せず、50~55℃の湯せんが基本となります。
湯せんしたチョコレートは、熱を伝えてから混ぜる
バレンタインなどの寒い時期は、チョコレートが冷えて溶けにくくなっています。溶かしやすくするために、湯せんを始めたら2分ほど待ちましょう。チョコレートに熱が伝わって柔らかくなったところで混ぜ始めます。チョコレートが溶けて滑らかになったら湯せんは完了です。
湯せんで溶かしたチョコレートは、お菓子作りに利用します。例えば100円ショップなどで売られているチョコレートの型に流して固めると、オリジナルの型抜きチョコレートが出来上がります。ほかには、カップケーキやドーナツなどの表面に掛けてコーティングするなど、食材と組み合わせて利用してくださいね。
ツヤのあるチョコレートにするために必要な「テンパリング」
手作りチョコレートの仕上がりにもこだわるなら、テンパリングを行ないましょう。テンパリングとは、1度溶かしたチョコレートを温度調節する作業を指します。ツヤのあるチョコレートにするには、テンパリングをしてから固めます。
温度調節は3段階です。まず、50~55℃の湯せんでチョコレートを溶かし、チョコレートの温度を40~45℃にしましょう。次に、水を張ったボウルに、溶かしたチョコレートのボウルの底を当て、チョコレートの温度を26~27℃に下げます。最後に、50~55℃の湯せんにチョコレートのボウルの底を当て、チョコレートの温度を30℃にしたらテンパリングは終了です。テンパリングをマスターすると手作りチョコレートの仕上がりがアップしますよ。