調理の下処理

【調理の下処理10】野菜の「アク抜き」方法3つと、アクが抜ける訳

野菜の「アク抜き」は、苦味・渋味・エグ味を取り除くほか、色をきれいに仕上げるための下処理です。今回は、「アク抜き」の方法を3つと、アクが抜ける理由をご紹介します。野菜に含まれるアクの成分は、水に溶けやすい特徴があります。しかし、水に浸けるだけでは、アク抜きが不十分な野菜もあります。野菜に合わせたアク抜き方法をお伝えしますね。

 

アク抜き1:水に浸ける

水に浸けてアク抜きする野菜は、ゴボウ、レンコン、ナス、サツマイモ、ジャガイモなどがあります。これらの野菜は、切って空気に触れると色が変わりやすいアクの成分が含まれています。水に浸ける時間は5~10分。ゴボウやレンコンは、酢水に浸けるとより色良く仕上がります。酢水は、水500mlに対して、酢小さじ1が目安です。水や酢に浸けることで、変色の原因が取り除かれるので、きれいな色に仕上がります。

 

アク抜き2:熱湯で茹でる

熱湯で茹でてアク抜きする方法は、ホウレン草を始めとする青菜、山菜などで使います。野菜を茹でると細胞が壊れるので、アクの成分が溶け出します。熱湯でさっと茹でたら、水にさらしましょう。水にさらす時間は、野菜の種類で異なります。青菜は野菜が冷えるまで、山菜は苦みが抜けたか味見をしてから取り出しましょう。

 

アク抜き3:米ぬか、米のとぎ汁、重曹を加えて煮る

米ぬか、米のとぎ汁、重曹には野菜を柔らかくする働きがあるので、繊維が多く、アクの強い野菜に使います。繊維が多い野菜は、熱湯で茹でてもアクが溶け出しにくいからです。主に、タケノコ・ダイコン・ワラビなどで使います。タケノコ1本を下茹でするときは、鍋へひたひたの水、米ぬか1/2カップを入れます。皮付きのまま茹でて柔らかくなったら、煮汁に浸けたまま冷ましましょう。ダイコンは、米のとぎ汁をひたひたに入れて、柔らかくなるまで煮たら、煮汁に浸けたまま冷まします。ワラビは500gに対して、水1L、重曹小さじ1を入れて煮ます。重曹が多いとワラビが溶けてしまうので注意しましょう。

 

野菜に含まれるアクの成分

野菜に含まれるアクは、種類によって成分が異なります。ホウレン草やタケノコの「シュウ酸」、ゴボウやレンコンなどの「ポリフェノール」は聞いたこともあるかもしれません。シュウ酸は、大量に食べ過ぎると尿路結石の原因になるため、アク抜きをした方が安心です。ポリフェノールは、主に変色に関わるので、アク抜きをせずに食べても問題はありませんが、料理の見た目が悪くなります。アクの苦みなどが野菜の風味となり、アク抜きをしっかりしなくても良い場合もあります。水にさらす、茹でるなど野菜に合わせた方法で、アクを取り除きましょう。

 

 

じゅん(管理栄養士)

チョコレートと漬物が好きな管理栄養士です。現在、子育てに奮闘中。体力の衰えを感じながら、子どもと公園を走り回っています。家事の効率化とシンプルライフを目指して、日々の生活を見直し中です。