調理の下処理

【調理の下処理9】「魚と肉の臭味消し」臭味の原因と、3つの臭味消し方法

生の魚や肉の臭味は苦手な人も多く、「臭味消し」は下処理の大切な過程の1つです。今回は、魚や肉の臭味の原因と、「霜降り」など臭味を消す3つの方法にをご紹介します。肉や魚の臭味消しは、実は、同時に味付けや食感も良くしてくれます。またレシピや使う材料で、臭味消しの方法はさまざまです。臭味の原因を抑えながら、魚や肉を美味しくいただきましょう。

 

魚の臭味の原因

魚の臭味の原因は、鮮度の低下や血液です。新鮮な魚は臭味がほとんどなく、水揚げから時間が経つほど、臭味の成分が作られ、また脂肪が酸化していきます。そのほかに、魚の血液が腐っていくことも臭味の原因になります。これが、青魚や血合いの多い魚の臭味が強い理由です。新鮮な魚を買い、内臓や血液をきれいに取り除くと臭味を抑えられます。

 

肉の臭味の原因

肉の臭味の原因は、主に脂肪の酸化やエサの違いです。肉は熟成期間を終えると、脂肪が酸化して臭味に変わっていきます。また食べるエサが、肉質や脂肪に影響するため、香りも変わってきます。外国産牛肉の独特な臭味は、牧草を食べているから。臭味のある牛肉を避けたいときは、国産を手に取るのが無難です。とは言え、匂いはいろいろな条件で変化しますので、国産でも臭味がある可能性もあります。肉の表面に付いている水分には臭味が含まれるので、キッチンペーパーで拭き取るようにしましょう。

 

【方法1】調味料を使って臭味を消す

臭味消しに使われる調味料は、塩、酒、酢などです。塩を振ると、魚や肉から水分が出てきますよね。出てきた水分には、臭味が含まれています。塩を掛けて10~30分置いたあと、表面に出てきた水分をキッチンペーパーで拭き取ると、臭味が取れます。酒を使う理由は、蒸発しやすいからです。臭味成分も蒸発しやすい特徴があるので、酒と一緒に蒸発して臭味を消すことができますよ。酢は、アジの南蛮漬けやマリネに使いますよね。酢の成分が臭味成分と中和するので、臭味を消すことができます。

 

【方法2】香りの強い野菜やスパイスで香りを付ける

魚や肉料理に欠かせないのが、ショウガやニンニクです。香りが強い野菜は、食材に香りをプラスして臭味を隠します。中華料理では、レバーとニラの組み合わせも多いですね。ハンバーグの玉ネギも、味を良くするだけでなく、臭味を隠す役目もしています。野菜のほかに、スパイスやハーブも効果的です。臭味を消す食材は数えきれませんが、魚や肉の種類に合わせて、使いこなしていきたいですね。

 

【方法3】お湯を掛けて臭味を消す

魚や肉の煮込み料理の下処理に「霜降り」があります。魚や肉にお湯を掛けて、臭味を抜く方法です。臭味は水に溶けやすく、煮込み料理の煮汁に移ってしまいがち。そのため煮込み料理は、揚げたり、焼いたりするよりも、臭味が残りやすいのです。お湯を掛けると、臭味の原因である血合いを取り除くことができ、同時に臭味を含む余分な水分と脂が抜けます。霜降りにしたあとは、水で洗い流してキッチンペーパーで水分を拭き取りましょう。

 

臭味消しの方法は組み合わせると効果的

臭味消しの方法は、1つだけ取り入れるのではなく、組み合わせて活用してみましょう。例えばブリ大根は、ブリを霜降りにして、ショウガを入れた煮汁で煮込みます。そうすることで、ブリの臭味が消えやすくなり、風味もアップします。臭味の感じ方は人それぞれ。魚や肉に少しでも臭味が残っていると、食べられない子どももいます。臭味消しを組み合わせて、美味しくいただきたいですね。

 

 

じゅん(管理栄養士)

チョコレートと漬物が好きな管理栄養士です。現在、子育てに奮闘中。体力の衰えを感じながら、子どもと公園を走り回っています。家事の効率化とシンプルライフを目指して、日々の生活を見直し中です。