そこが知りたい家電の新技術

はじめての注文住宅購入レポート その2~建てた後の維持費も考えたハウスメーカー選び

千葉の君津にある新昭和の住宅展示場

 どうも、ただいま鋭意マイホーム計画実行中の瀬戸です。前回は自分が40歳にしてマイホーム購入計画に踏み切ったいきさつや、今がとっても家の買い時じゃないか? といった内容をお伝えしました。

 さて、家を建てると決めたら、次はどのハウスメーカー(あるいは工務店)で建てるかになります。こればっかりは予算感や、何に重きを置くかによって、文字通り100人いれば100通りの答えがあります。今回は、筆者が「あーでもない、こーでもない」と悩んで決めた様子をお伝えできればと思います。

 その1はこちら

初めて聞く名前のハウスメーカーと契約

 結論から言うと、筆者が決めたのは「ウィザースホーム」です。With Earth HOME→WITHEARTH HOMEで、ウィザースホームと読みます。初耳だと思われる方もいるでしょう。ええ、ワタクシもそうでした。ウィザースホームはブランド名で、会社名は新昭和。これまた初耳でしたが、千葉の君津に拠点を構えていて、千葉ロッテマリーンズをスポンサードしているので、もしかしたら千葉の方と野球好きの方はご存じかもしれませんね。

 ほかにクレバリーホームを展開している会社だそうです。「くらべればクレバリー♪」っていう宣伝を、見たことある人はいるんじゃないでしょうか。クレバリーホームは、新昭和がフランチャイズで全国展開しているブランドで、ウィザースホームは、関東圏を中心に新昭和が直営で展開するブランドになります。

 ちょっと話がそれますが、家を建てる場合、ざっくりと分けてウィザースホームのようなハウスメーカーか、あるいは地元の工務店などに頼むかになります。工務店の中でももちろん独自に家を建てるところもありますが、クレバリーホームのようなフランチャイズに加わったり、あるいはなにかしらの規格に沿った工法を取り入れているところもあります。その方が大量生産によるコストダウンが期待できるワケですね。

 価格はおおむねハウスメーカーの方が高くて、工務店のほうが安いです。ハウスメーカーの中でも低価格なメーカーはありますが、ウィザースホームは中間ぐらいのハウスメーカーになります。

大手ハウスメーカーの営業マンは性能が違う!?

 家を建てるにあたって、とりあえずは住宅展示場をいろいろと周りました。予算的に木造のメーカーには絞りましたが、なにしろ自分たちの予算感でどれくらいの家が建てられるのかまったく見当がつきませんでした。なので、特に変な先入観は持たずに有名な大手ハウスメーカーから、ウィザースホームのように今まで名前も知らなかったハウスメーカー、そして地元の工務店と、幅広く話を聞きました。

 結論としては、当然と言えば当然ですが、大手ほど価格はお高いですね。大手は広告予算をたくさん使っているからその分高いといったことをよく聞きますが、筆者の印象としては、それだけでなく、一棟あたりに携わるスタッフの数の差が出てるのかなと感じました。

 大手ハウスメーカーと話をすると、打ち合わせに出てくる人の数が違います。さらに次に話を聞きに行くときには、すでに建築予定地の情報をしっかり調べていて、とんでもなく頼りになります。もしかしたら偶然筆者についた営業マンがよかっただけの可能性もありますが、総じて大手は営業マンの“性能が違う”という印象です。

 で、何が言いたいのかと言うと、とりあえず大手ハウスメーカーには話を聞いた方が良いよと言うことです。こんなことを書くと大手メーカーに怒られてしまうかもしれませんが、大手は無理だと思っていたとしても足を運ぶ価値はあります。なにしろ家を建てることに対して全く無知蒙昧だった筆者にも、非常にわかりやすく家造りのノウハウを教えてくれましたから。

 筆者の場合、実家が三井ホームで建てたということもあって、最初に足を運んだのは三井ホームでした。築22年の実家は未だなんら問題がなく、両親もとても満足しているので、とりあえず信用できるハウスメーカーなんだろうなぁと思ったからです。

三井ホームで作ってくれたプランニング。風通しや階段の明るさも考えた間取りで、今の間取りもベースとなる部分はこの時のものが活きていると思います

 そしたらここの営業マンがスゴイ! 最初のアンケートで建築する場所の住所を伝えておいたら、翌週に会った時には既に、建てる場所が第一種低層住居専用地域だと教えてくれました。さらに、建ぺい率・容積率がいくつだからこのサイズの家が建てられるとか、現状では土地に根抵当権がついてしまっているから外す必要があるなど、役所の情報でわかるデータはすべて調べていたのです。

 こちらが了承をすると、すぐに現地に足を運んで、建築時に問題になりそうな場所、あるいは地盤調査なども行なってくれ、それに合わせたプランも用意。とんでもなくトントン拍子に話が進んで行きます。といっても悪い意味ではなくて、家に対してまったく無知なこちらに対して、一から丁寧に教えてくれましたし、嫌みもなくて、同じ営業としてはほんと関心させられてばかり。

 そして、一つこうした具体的な話ができると、他社と話をするときにも話がスムーズになると思います。

 大手ハウスメーカーでは、他に住友林業にも話を聞きましたが、こちらは三井ホームほどはフットワークが軽くなかったです。というのも、住友林業の場合は「お申し込み制度」というのがあって、5万円以上の申し込み金を払ったら、そこから本格的な地盤調査やプランニングなどをするというシステムなのです。

 ちょっとハードルが高いですが、これを申し込むと営業マンのほかに設計士も出てきて、より踏み込んだプランニングが可能になります。さらにそのプランをCADでパソコン上に再現し、隣接する建物も反映させることで、例えば冬至の12時に窓からどれぐらい日が差し込むのか、あるいは隣の家の影がどれくらいかかるのか、2階の寝室から隣の家がどのように見えるのか、などをPCの画面上で確認することができるのです。

住友林業の3D CADデータをプリントしたもの。実際にはPC上でグリグリといろんな確度から見られるほか、壁紙や床の色を変えてみたりと、かなりイメージがふくらみます
住友林業の敷地調査報告書。地質調査や近隣との境界線など、さまざまな情報を調査してくれます

 他社ではそこまでやってくれるところはなかったので、住友林業で決めなかったとしても参考になると思います。我が家の場合、冬は隣の家の影になってしまって、1階部分がほとんど日が入らないことが発覚。なのでリビングを吹き抜けにして、高い位置に窓を設けることで、冬でも明るいリビングにできるよう工夫することにしました。

 結局この2社は想定予算をオーバーしてしまったので断念することになったのですが、家を建てる上で必要な情報をいろいろと教えてもらえたので、とても身のあるものだったと思っています。大手ハウスメーカーの価格設定は、それだけの価値があるものだなぁと実感させられたワケです。

選んだ基準はライフサイクルコスト

 では実際に選んだウィザースホームはというと、営業マンの性能では上記2社にはおよびませぬな。基本いつも忙しそうだし。まぁ住宅業界が不景気と言われている中で忙しそうにしているのだから、好意的に解釈すれば今伸びている会社ってことなのかもしれませんが……。特に自分たちの担当営業がまだまだ新人なので、もぉ~、ちょっとしっかりしてよ~(苦笑)、と言いたくなることもしばしばではあります。

 しかしそれでもウィザースホームを選んだのは、建物としてのスペックが高く、加えてライフサイクルコストが安く済みそうだったから。大手のような高性能営業マンではありませんが、その分はこっちが頑張ればよいかなと思っています。

 ライフサイクルコストとは、家を買ったときのお金だけでなく、10年後、20年後のメンテナンス費用も含めたコストのことです。

 家って、建てた後もメンテナンスに結構お金がかかるんですね。親に聞いたら、実家も屋根は塗り直していたそうです。知らんかった(汗)。家のローンや固定資産税だけじゃなく、月1~2万円くらいはメンテナンス費を貯蓄するのが普通なのだとか。ヤバイ、これはソーテーガイです。

 前回も何度か出てきましたが、今は長期優良住宅という認定制度があります。日本の住宅って、これまでは30年程度で建て替えられる場合が多かったのですが、これがアメリカやヨーロッパでは80年とか100年というレベルで住んでいる。なので日本の住宅も品質を上げて、100年住める家にしていこうよと設けられたのが長期優良住宅なのです。

 これは筆者にとってもありがたい話。人生で二度も家を建て替えられる自信なんてありませんからね。というかむしろ、建て替えられない自信ならすこぶるあります。なので長期優良住宅にして死ぬまで住み続ける所存。

 そう考えたときに、自分が死ぬまで、まぁざっと40~50年間でかかるコストを踏まえなきゃと思ったわけです。10年ごとに外壁を塗り替えて気分を変えるというのもそれはそれで楽しそうですが、筆者は最初に多少高くてもトータルで安く済む方を選ぶことにしました。

総タイル貼りでメンテナンスコスト削減

 家でメンテナンスが必要な部分はいろいろありますが、特にお金がかかるのが、外壁や屋根のメンテナンスです。例えばモルタルの壁やコロニアルの屋根は定期的に塗り替えが必要ですし、サイディングは目地のコーキングが劣化するので打ち直しが必要です。通常こうした作業は10~15年に一度必要となり、その際には足場を組む必要があるので、その費用だけでも追加で30万円ぐらい出ていってしまうのです。

 このメンテナンスに対して、住友林業だとLS30仕様というのがあります。要は30年間は足場を組まなくてもOKだよ、という仕様です。屋根材は色あせしにくい高性能なコロニアルを使い、モルタル壁も耐久性が高く汚れにくい吹きつけ塗装を施工。その分値段はアップしますが、長い目で見ればコストパフォーマンスがよくなる計算です。

継ぎ目なく塗ることができ、また仕上げ方もいろいろ選べるのがモルタル壁の特徴。ただし、一般的にはひび割れがしやすく、汚れやすいので、定期的な塗り直しが必要

 三井ホームでは、弾力性が高くてひび割れしにくく、汚れも落ちやすい吹きつけ塗装の壁なので、標準仕様でも20年間持ちますし、オプションで30年持つ仕様にもできるとのこと。住友不動産では、高耐久のコーキング剤を使ったサイディングを用意するなど、大手ハウスメーカーでは、この維持費の部分にもこだわったメニューを用意しているようです。

 しかし、そうした高耐久のモルタル壁やサイディングよりも、さらに耐久性が高いのがタイル壁になります。タイルは焼き物なので退色や劣化がほとんどなく、親水性で汚れにも強いのでメンテナンスがほとんどいらないんだそうです。マンションやビルでタイルが多用されているのもそういう理由で、モルタル壁を推している三井ホームや住友林業でさえ、オプションとしてタイル壁を設定しています。つまり高価だけど高性能ってことですね。

 で、我が家はというと、なんと総タイル貼りの家になっています。おい、庶民のくせにどうした? と思われるかもしれませんが、ウィザースホームは自社でオリジナルのタイルを造っていまして、標準で総タイルの家を実現しているのです。総タイルはウィザースホームだけでなくクレバリーホームでも展開していて、大量生産だからこそできた低価格なんですね。

タイル貼りの例。我が家もこのレンガ調にする予定です
このモデルハウスは2階部分がサイディングになっていました。つなぎ目のコーキングが劣化するのでメンテナンスが必要に

 さらに屋根についても瓦屋根が標準です。瓦もタイルと同様に焼き物ですから、基本的にメンテナンス不要です。コロニアルと比べると重量が重いというデメリットはありますが、そもそも今時の家は頑丈なので、さほど心配ないかなーと思っています。

 バルコニーの防水処理やシロアリ対策など、他にも定期的なメンテナンスは必要ですが、タイル貼りなら維持費がかなり低く抑えられることは間違いありません。それでいて大手ハウスメーカーよりもグッとお安い価格になりましたから、満足度はかなり高いのです。

躯体の上にタイル下地となるサイディングを貼り、その上を強力な接着剤でコーティングした後にタイルを貼っていく。このため、つなぎ目ができず耐久性に優れます
瓦も洋風なものなどバリエーションは豊富。耐久性はもちろん、遮熱性にも優れるんだとか

2×4の1.6倍の断熱材、2×6の超高断熱住宅!!

 さてここからは、家電 Watch読者の皆様が気になるであろう断熱性能のお話です。高気密・高断熱の家であれば、エアコンの効きも良くなりますし、結果的に電気代が安く済んで、太陽光発電の売電量も増えるってモンです。

 この点についてもウィザースホームは一歩抜きに出ています。というのも、2020年までに段階的に義務化される新しい省エネ基準にいち早く対応した仕様になっているからです。この新基準は2013年に決まったもので、今、各社からこの新基準に対応させた新住宅が次々と登場しているタイミングになります。そして、筆者らが決めたのは、ちょうどウィザースホームでこの新基準に対応したモデルが登場したタイミングでした。

 ウィザースホームは本来2×4工法になるのですが、新基準仕様では2×6が標準になっています。つまりは外壁の厚さ(内寸)が2×4の89mmから、約1.6倍の140mmになっているのです。この外壁の内側には断熱材が入っていますから、つまりは断熱材の厚さが1.6倍になるということです。

 さらに断熱材も「エアロフォーム断熱」と呼ばれる発泡ウレタンを採用しています。断熱材というと以前からグラスウールやロックウールがメジャーですが、それらの場合、施工を丁寧にしないと隅っこのほうに隙間ができてしまいます。

 それに対して発泡ウレタンの場合、文字通り発泡して隙間に入り込むので、隙間なく断熱材を充填することができるのです。ウィザースホームの場合、モコモコに発泡させてからあふれた分をそぎ落とすという施工をするので、140mmの壁内にみっちりとすき間なく断熱材を充填することができます。

2×4材と2×6材の比較。ウィザースホームの新基準では、この2×6材が外壁部分に使われます
ウィザースホームの工法説明用展示モデル。2×6材が外壁の心材となるので、厚みが増す分、断熱材がたくさん入るように
外壁の内側には発泡ウレタンが隙間なく充填され、あふれた分はそぎ落とします
2液を混合するとモコモコと発泡するウレタンフォーム。現場で吹き付けるので気密性が上がるのは間違いなさそう
屋根裏にはグラスウールが300mmも吹き込まれるそうです。ブローイング工法で複雑な屋根裏もしっかり断熱できるのだとか
床下は古紙混入発泡ポリプロピレンが150mm。これは北海道仕様と同じだそうです。冷えは足下から来るので床下の断熱も重要ですよね

 ちなみにウィザースホームの新基準住宅の断熱性能はUA値が0.39[W/m2K]、Q値としては1.34[W/m2K]になります。これは、2020年の新省エネ基準の中でもっとも厳しい北海道エリアの基準値も余裕でクリアーする値です。

 ウィザースホームでは、千葉にあるモデルルームで宿泊体験を実施していて、筆者らも2月の頭に行ってきました。これがホントにすごかったです。モデルルームはモデルチェンジ前のものなので、仕様は2×4、筆者が建てるものより断熱性能は低いものです。

 それでもエアコンをつけると、広々としていてリビング階段のあるリビング・ダイニング・キッチンがみるみる間に暖かくなっていきました。これには義父も妻も大喜び! しかもエアコンを切った後もずっと暖かいのには驚かされました。家の進化ってスゴイ!! 真冬でもこの暖かさなのだから本当に驚きです。

オール電化のこのモデルルームに宿泊しました。真冬に泊まりたいと要望して2月上旬に宿泊。あえて一度窓を開けて部屋を冷やしてからエアコンを使いましたが、あっという間に暖かくなってビックリ。それと外の音が聞こえないのも良かったです

断熱には二重ガラスのサッシが当たり前

 寒いと言えば、筆者が小学生のころの話です。北海道から転校してきた阿部君があまりにも寒がるのが謎でした。北海道より神奈川のほうが寒いわけがないだろ! と。しかし、彼曰く、北海道の家は玄関も窓も二重だから暖かいんだー! とか。当時小学生だった筆者らは窓が二重だなんて信じられなかったワケです。

 しかし彼の言っていたことは正しかったんですね~。疑ってごめんよ、阿部君。聞けば家の断熱性能の弱点となる部分が窓なのだそうです。

 なので、今は二重ガラスサッシがどこのハウスメーカーも標準になっています。しかもガラスにはLow-Eガラスと呼ばれる断熱(遮熱)性能の高いガラスが使われています。実際に普通のガラスとLow-Eガラスで熱の伝わり具合を比較しましたが、これが全然違う!! ちょっとビックリでした。

 さらに二重のガラスの間にアルゴンガスを入れたモデルも多く使われていて、ウィザースホームでもこれが標準仕様になっています。ちなみにこうした実験装置は、多くの住宅展示場で同様のものがあったので、皆様にも体験してもらえると思います。

千葉の君津にある住宅館。ウィザースホームやクレバリーホームのいろいろな技術展示がされています
電球の熱で夏の日中を想定した実験。複層(二重)ガラスと単板ガラス、Low-E複層ガラスを比較すると、単板ガラスはもちろんLow-Eか否かでもはっきり体感できるほど違いました!

 窓の断熱性能を上げるのはガラス面だけではありません。というか、むしろその周り、サッシの部分が弱いのだそうです。確かにアルミって熱伝導率高いですしね。窓のサッシの部分だけ結露しているのを見たことがあります。

 なので、今のサッシは室内側に樹脂を使うことで熱を伝わりにくくしています。さらに、LIXILのサーモスⅡ-Hという製品では、ガラスの面積を広げ、その分サッシの面積を狭くすることで、断熱性能を上げていたりするんですね。

こちらは冬を想定した結露実験室。部屋の中は暖かくて高い湿度になっています
結露実験室内には複層ガラスでアルミと樹脂の複合サッシの窓と、一般的な単板ガラス、アルミサッシの窓が設けられ、その外はエアコンで冷やされている状態
見比べればその差は一目瞭然です。一般的な窓はガラス面もサッシ部分も結露していています
それに対して、アルミ樹脂複合のサッシはまったく結露なし!
アルミ樹脂複合サッシの断面図。フレームはアルミで作りながら室内側は樹脂で覆うことで断熱性を上げているのがわかります
どちらもLIXILの樹脂複合サッシですが、右のサーモスⅡ-Hはサッシ部分を薄くすることで断熱性能をさらにアップ

 中には3重のガラスになっているものや、サッシ部を屋内側も外側もすべて樹脂にして断熱性能を上げたモデルもあります。耐久性大丈夫なの? と思いますが、北欧などではもはやこの樹脂サッシが当たり前なのだそうです。

 窓だけでなく玄関も、内側には断熱材がびっしりと埋め込まれて高い断熱性能を確保しています。いやはや気がつかない間にどんどん進化しているんですね。驚きです!

24時間換気が必須

 住宅が進化して高気密になると、弊害も出てきました。なんと、一酸化炭素中毒で亡くなられる方が増えてしまったそうです。なので今は24時間換気できるシステムを組み込むことが義務化されています。

 換気システムには第一種、第二種、第三種換気と3つの種類があります。第一種換気は吸気も排気も機械的に行う、つまり吸気ファンと排気ファンを持っているシステムになります。それに対して吸気のみを機械的に行い、排気は排気口からの自然の流れに任せるのが第二種換気、逆に排気のみ機械的に行うのが第三種換気と呼ばれています。家庭用で用いられるのは第一種か第三種が多いようです。

 空気を入れ換えるだけなら第一種も第三種も大差はなさそうですが、せっかく高気密の家にしているのに、24時間換気しなきゃいけないなんてちょっともったいない。なんて思っていたら、ちゃんとありました。第一種換気に付加機能として加わった機能で、熱交換システムや全館空調システムと呼ばれるものです。

 熱交換システムは、その名のとおり、排気と吸気で熱交換をさせることで、換気はしつつも家の中の熱は逃げにくくするというものです。例えば夏場であれば、室内のエアコンで冷えた排気を、屋外の熱い吸気と交差させることで、最初から少し冷やした外気を導入できるんですね。ウィザースホームの熱交換システムだと70~80%ぐらいの熱の損失を防げるんだとか。

 さらに、部屋ごとに吸気口があるものと違って、入り口が一カ所なのでフィルターの管理が楽になるというメリットもあります。フィルターはPM2.5にも対応する高性能なもの。もちろん配管の取り回しが必要になる分コストは上がりますが、せっかく断熱性能を上げているのに外気をそのまま取り込むというのはどうにももったいない気がするので、即決で採用です。

ウィザースホームの熱交換システムイメージ図。1階と2階の屋根裏に第一種換気と熱交換システムが配されます
こちらが実物。奥にあるのが熱交換とフィルターの部分で、手前にあるのが各部屋に設けられる吸気口です
これが熱交換システム。住宅館で実際にその効果を体感できますが、こんなに小さいのに結構効果がありました
フィルターはPM2.5にも対応。1階と2階で各1カ所なのでメンテナンスは楽です
こちらはウィザースホームの全館空調システムイメージ図。家全体を冷やす(暖める)ので大きな吹き抜けのある家などでは効果が大きそう

 もう一つ、全館空調というシステムもあります。これは第一種換気の吸気の部分にエアコンを組み合わせたものです。たとえば百貨店とかオフィスとかって、フロアはもちろん階段とかでもエアコンが効いていますよね。あれと同じように、玄関でも階段でも家中どこでも同じ温度でエアコンを効かせてしまおうというシステムになります。

 ウィザースホームでも全館空調システムを持っていますが、特にこの全館空調システムを強く勧めていたのが三井ホームでした。同社のスマートブリーズという全館空調では大型のエアコンを使うため、半畳ほどの空調機のための部屋が必要になりますが、耐久性が高く、効率にも優れるので電気代がお得なのだとか。

 さらに室外機が一つで済むというのもメリットになります。誰もいない部屋も空調をし続けるというのはもったいない気もしますが、一度冷やし(暖め)てしまえば、その温度を維持するのは高断熱の住宅の場合さほど電気はいらないのだそうです。

 また、お年寄りがトイレや廊下など急に寒い部屋に行った時に、そのショックで亡くなることが多いのだそうです。このヒートショックを防げるというのも全館空調のメリットです。それにいつも同じ程度の室温が保たれるので、熱帯夜に暑いからエアコンをガンガンにつけたら、冷えすぎて風邪をひくといったことも防げそうです。

 エアコンを全部屋に新調することと、家庭用エアコンより長持ちするだろうことを思えばコストパフォーマンスは悪くはないかもと思いましたが、筆者の場合、実家の分と今使っている分で、まだ買って間もないエアコンが5台もあるので悩み中です。

キッチンやお風呂も進化!!

 高性能化しているのは住宅だけではありませんでした。住宅で使う設備もどんどん進化しているんですね。

 一番驚かされたのがキッチンの換気扇です。あれって油まみれになってしまって、掃除が大変だと思うんですけど、クリナップの「洗エールレンジフード」だと、なんと自動で掃除してくれるんです!

 手入れは月に1回、少しのお湯をセットすれば10分ほどできれいにしてくれるそうです。こういうビルトイン型の家電製品って、家電量販店でも見る機会が少ないので、知らない間に進化していてビックリです。

クリナップ「洗エールレンジフード」。ファンの部分に特殊コーティングされたフィルターがついていて、お湯だけで汚れが落ちるのだそう。これは欲しい!

 他にもお風呂なんかも、今時は浴槽や風呂ふたが断熱性能が高くなっているほか、浴室全体も断熱材で覆われていて、お湯が冷めにくくなっているんですね。TOTOの「魔法びん浴槽」の場合、4時間でお湯の温度が2.5度しか下がらないとか! さらに床も柔らかくて冷たくない素材が採用されたり、排水のゴミも簡単に掃除できるようになっていたりと進化しています。他のメーカーでおもしろいところでは、ノーリツから「おそうじ浴槽」なる、自動で浴槽を掃除してくれるお風呂なんてものもありました。

 それ以外にも、便座と便器の間に隙間がなくて掃除しやすいトイレ、パナソニックの「アラウーノ」とか、鍋の温度をセンシングして自動で温度調整してくれるガスコンロとか。家電以外でも、ワックスがけが不要なフローリングとか、においや湿気を吸い取る能力があるタイル「エコカラット」とか、どれも「おぉー! スゲーっ!」と思わずうなる製品ばかり。まぁどれも費用が増える内容なんですけど。でもせっかくならいいものを入れたいよなーと、現在我が家の予算は増え続けてしまっております。

TOTOの魔法びん浴槽。他社でも標準、オプションの差はあれど、今時は断熱性能の高いお風呂が選べます
ノーリツのおそうじ浴槽。ボタン一つでお湯を抜いて洗剤を吹き付けて洗浄するというスグレモノ!
パナソニックのアラウーノ。便器と便座部の隙間がないのが画期的!
便座自体にも合わせ目がない! この隙間がジミに汚れるんですよねー
LIXILのエコカラットは調湿機能と消臭機能があるタイル。珪藻土の壁にしたのと同じような効果が期待できます
今時のフローリングはワックスがけが不要なのだそうです

そして鋭意打ち合わせ中……

各社の技術解説のパンフレット。Webサイトなどからも請求できます。これだけでどんぶり飯3杯いけるぐらいおもしろいですよ

 いやはや書いていたら結構なボリュームになってしまいますね。ハウスメーカー選びには、他にも構造の話とか基礎の話とか防蟻の話とか保証の話とか、避けては通れない話が山ほどあってまだまだ語り足りないのですが、そうした話はぜひ実際に住宅展示場に足を運んで聞いてもらえればと思います。

 多くのハウスメーカーは、技術系のカタログを持っているので、ぜひもらってみてください。これを各社見比べていると、いろいろと違いがあってかなりおもしろいですよ。技術オタにはたまらんです。

 筆者の場合はライフサイクルコストに重きを置いてハウスメーカーを決めましたが、妻は三井ホームのセンスのいいインテリアに未練がありますし、住友林業のビッグフレーム工法は丈夫さを求めるならオススメの工法です。中には地下付きの家なんていうのもありましたし。皆さんそれぞれの基準で選ぶハウスメーカー、工務店は変わると思いますので、ぜひじっくり悩んでもらえればと思います。

 そして筆者はというと、今は設計士さんと毎週のように打ち合わせをしています。間取りもようやく理想的な形になってきましたが、予算も増えてしまって苦戦中です。契約前の段階でもっと間取りや設備を詰めておけばよかったかなとちょっと後悔。

 このまま順当に間取りが決定したら、長期優良住宅の審査に出して、着工は6月頃でしょうか。まだまだ設備を選んだりソーラーパネルを選んだりと先は長いですが、工事の様子や選んだ設備のお話なども今後お伝えできればと思っています。

瀬戸 学