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【栄養士まなさん節約レシピ14】便利な「週1まとめ買い量」パターン公開

食費節約のためにまとめ買いをしたのに、使い切れなかったらもったいないですよね。今回は、30代夫婦と子ども1人のモデル家族を例に、栄養価計算から算出した「1週間分のまとめ買い分量」のパターンをご紹介します。買いすぎて食品をダメにすることなく、栄養バランスの取れた食生活を送れる分量です。家族構成によって必要な食材の量は変わりますが、参考にしてみてください。

 

栄養所要量を元にした食品別摂取量から、1週間に必要な食材を算出

我が家では、家族それぞれの栄養所要量を元にした食品別摂取量から「1週間の食材必要量」を算出しています。栄養所要量を元にした食品別摂取量が分かれば、バランスの取れた食生活を送るための食材を、過不足なく準備できます。今回は、「モデル家族」に35歳夫婦と5歳の子どもの3人を例にして考えてみましょう。上の表では、家族それぞれの1日に必要なカロリーを計算し、食品別摂取量から食材ごとの必要量を一覧表にしました。今回は簡易的に必要量計算するため、家族それぞれの必要カロリーを合計したあと、お母さんのカロリーを基準に食材に割り振って、3人家族の1日3食分の食材量を算出しています。この食品別摂取量から算出した食材ごとの必要量の表は、子どもの成長や、家族の体調の変化といったタイミングに合わせて、時々見直すことが大切です。

 

作らない食事の食材をマイナスする

1日3食分の食材量を算出したら、「お父さんの外食」や「子どもの給食」といった、作らない食事を差し引きます。「モデル家族」のお父さんのお昼は外食で、土日は休み。子どもは幼稚園に通っていて、週4日がお弁当で、1回給食があります。お母さんは週4回のパートにお弁当を持参していて、日曜のお昼は家族そろって外食予定です。家族3人の1週間の食事回数は3人×3食×7日=63回ですが、お父さんのお昼と幼稚園の給食、日曜日の外食を除くと、お母さんが作る食事回数は54回(86%)。そのため、家で食べる食事=実際に買う食材の量も、総必要量の86%となります。このように、お弁当作りの有無やそれぞれが外食する回数によって、必要な食材の量は変わってきます。

 

「モデル家族」の1週間分の必要食材は、これだけ

 1日に必要な食材量と1週間にママが用意する食事回数を元に1週間分の食材を算出し、実際の献立を想定して作った「買い物パターン」が上の表です。朝食は、平日は和食、週末はパン食にしてみました。平日の朝食は「ごはん、みそ汁、焼き魚または目玉焼き、付け合せ」というふうにパターンを決めておくと楽です。夕食やお弁当は、家族の好み、食欲、食費予算と相談しながら割り振りを考えましょう。夕食のメイン料理は、肉のほうが手軽ですが、できれば肉:魚=3:2くらいの割合になるように心がけたいですね。

 

買い出し先での食品選択のポイント1:足の早い野菜を選ぶときのコツ

2種類以上のメニューに展開できる、自分の家の基本野菜を知っておきましょう。我が家では「ジャガイモ、玉ネギ、ニンジン、キャベツ、小松菜、シメジ、冷凍ブロッコリー」を必ず買うようにしています。「キャベツ、白菜、レタス」「大根、カブ」「小松菜、ホウレン草」のように傾向の同じ野菜をダブって買うと、どちらかを使い切れない可能性があるので注意しましょう。またキュウリは、ダメにしやすい野菜の代表選手です。使い切る自信がなければ、お徳用パックがあっても必要量だけにとどめましょう。

 

買い出し先での食品選択のポイント2:物によっては週半ばで買い足し、旬の食材も積極的に

豆腐やモヤシなどの、傷みやすい食材は使う日に買うのをおすすめします。週半ばに買い足しの日を設けるといいと思います。果物は食費予算を圧迫しやすいので、価格が安定している物を中心に考えますが、旬を感じる食材でもあるので、できるだけ積極的に取りたいですね。買い出し前日には野菜室を空っぽに、冷蔵室もスカスカにして、掃除してから買い物に出掛けるのが理想です。

 

買った材料は下処理してから保存:野菜編

ホウレン草や小松菜などの葉物野菜は生のまま刻んで冷凍できます。トマトやキノコ類もそのまま冷凍が可能。固いキャベツの芯は捨ててしまいがちですが、一度冷凍すると組織が壊れるので、解凍して使うと驚くほど柔らかくなります。キュウリは薄切りにして、1%の塩を振って冷凍し、使うときに水洗いして解凍すると、やや食感は変わりますがサラダに使うこともできますよ。冷凍できる野菜が多いですが、繊維の多いフキやタケノコは冷凍を避けたほうが無難です。

 

買った材料は下処理してから保存:肉類編

肉のお徳用パックを買った場合は、きっちり三等分ではなく、全体の1/2・1/4・1/4の3つに分けて冷凍しておくと使い回ししやすいです。鶏胸肉はそぎ切りにして塩麹をまぶし、チャックつきのビニール袋へ入れて冷凍保存すると、薄味が付いているうえに料理しても固くなりすぎません。豚肉には大さじ1程度のマヨネーズをまぶして下味冷凍しておくと、炒め物にすぐ使えて便利です。

 

忙しい日に30分で作れる、時短夕食メニューのご紹介

1週間の食材リストにある材料を使って、30分で作れる夕食メニューをご紹介します。食事前のおつまみから、メインのおかず、副菜、小鉢、汁物までそろえてみました。

【簡単30分時短メニュー】

おつまみ: 冷凍剥き枝豆をお湯で解凍してザルで水切りし、刻んだかまぼこ、卵黄、醤油と和えます

メイン: マヨネーズをまぶして冷凍しておいた豚肉、モヤシ、豆苗を炒め、酒、醤油で味付けします。子ども用を取り分けて、大人向けに柚子胡椒をプラスしてもいいですね

副菜: 薄めためんつゆと砂糖少々で、ジャガイモとサツマ揚げを煮ます。お湯で解凍した冷凍ブロッコリーを彩りに添えて盛り付けます

小鉢: スライスした新玉ねぎに作りおきの甘酢と削り節をかけて箸休めにします

汁物: おつまみ作りで残った卵白と冷凍しておいたコーン、シメジ、カットわかめ、鶏ガラスープの素で手早く作ります

まとめ

次回は、1週間分の食材で作る、お母さんと子どものお弁当メニューをご紹介します。

 

 

まなさん(管理栄養士)

初めて包丁を握ったのは小学4年生。料理好きが高じて管理栄養士に。
主婦歴30年、得意分野は「オカンのメシ」。
大食いダンナと偏食息子のために日々料理を作る。
おしゃれな盛り付けとは生まれてこのかた無縁なのが少し悲しい。