10分こそうじ

もっとリラックスできるお家にするには? ポイントは「五感」

年に一度の大掃除より、日々の“小”掃除。整理収納アドバイザーとお掃除スペシャリストの資格を持つ筆者が、1日の終わりに10分でできる掃除や片付けのポイントをお伝えします
よりリラックスできる部屋作りのポイントをご紹介します

日頃の疲れを癒す自宅がいつの間にかモノに占領され、使い辛さや圧迫感を感じながら生活しているご家庭を仕事柄、度々訪問します。不要なモノを減らし、収納を効率よく使えるようにすると、狭く感じていた部屋が生まれ変わったようだ! と言われます。片付けることで空間が広がり、視覚的なストレスが軽減されるのです。

ここに人間の五感を癒す仕組みをプラスして、さらにリラックスできる部屋にするのはいかがでしょうか。癒される部屋作りのポイントをご紹介します。

色彩や明るさのバランス〜視覚〜

視覚は五感の中で最も取り入れる情報量が多いため、人は視覚から受ける印象に大きく左右されます。そのため、色の効果や明るさも考慮するのがポイントです。

実例:アースカラーを取り入れる

アースカラーは「自然界に存在する色」のことで、主にブルー、ブラウン、ベージュ、グリーンなど。色彩心理学によると、青や緑はリラックス効果があり、自然に近いアースカラーは癒やしを感じ、ストレスを和らげてくれるそうです。これは、バイオフィリア効果といって、自然を感じる「要素」があるだけで、脳はリラックス状態に入りやすくなるのです。

例えば、ブラウンは木製の家具やソファカバー、グリーンはカーテンや観葉植物、ブルーは絵画やインテリア小物など、面積の多いもので取り入れると効果的です。もちろん全部をアースカラーにする必要はなく、好きな色を少し加えるのも◎。ただし色数は控えめに。

小さな観葉植物であれば気軽に取り入れられますし、育てやすい品種(パキラ・ポトスなど)を選ぶのもおすすめです。フェイクグリーンや自然の写真・ポスターでもOK! 自然と目に入る場所に設置してみましょう。

植物やポスターでアースカラーを取り入れるとリラックスできます

実例:昼と夜の照明を切り替える

昼間は、部屋に陽の光がしっかり入るように窓周りを整え、カーテンを開けましょう。自然光の多い部屋では、セロトニンの分泌が促され、気分が明るくなることが分かっています。

夜は、脳を休ませる時間。電球色や間接照明のような柔らかい光にすると、脳が休息時間だと認識しやすくなります。天井からのシーリングライトの明るさを抑え、スタンドライドなどの間接照明に切り替えるといいでしょう。ホテルの部屋の照明を参考にしてみてください。

脳を休ませるために夜は間接照明に切り替えて。ホテルの照明を参考にするといいですよ

肌触りで安心感を得る〜触覚〜

触り心地のいいぬいぐるみやグッズに触れて、癒された経験はありませんか? 気持ちのいい素材はリラックスにとても効果的。ソファ、クッション、寝具カバーなど、比較的取り入れやすいファブリックの質感にこだわることいいでしょう。夏は、見た目からも涼しさを感じる自然素材がおすすめ。

実例:自然素材を取り入れる

ソファやクッションにコットン・リネンなどを、ウールやラタンなどは、手になじむ小物で取り入れましょう。足元にはウールやコットンのラグを敷けば、裸足が心地よく感じますよ。

静かな音楽や自然音をBGMにする〜聴覚〜

家事や作業、勉強などの効率をUPしたい時にBGMを流すことはありませんか? 無音よりも心地よい音が流れている方が落ち着く方々も多いことでしょう。自然の音は、ストレスを軽減するとも言われています。

実例:心が落ち着く音楽

ヒーリング音楽(ピアノ、オルゴール、ボサノバなど)、川のせせらぎ、風鈴の音、波の音、雨音などの自然音のBGMがおすすめ。

お気に入りの音楽で癒されてください

香りで気持ちを切り替える〜嗅覚〜

記憶や感情との結びつきが強い嗅覚。気持ちの切り替えにも効果的といわれています。筆者も、食後のコーヒーの香りにホッとし、今日も!日頑張ろう! と気持ちを切り替えています。

実例:時間帯によってアロマをうまく活用して気持ちを切り替える

朝におすすめ(目覚め・集中・リフレッシュ)
レモン:爽やかな香りで集中力アップ
グレープフルーツ:明るく前向きな気分に
ペパーミント:清涼感でシャキッと目覚める
ユーカリ:すっきりした香りで気分をクリアに

夜におすすめ(リラックス・安眠)
ラベンダー:穏やかな香りで心を落ち着かせる
ベルガモット:やさしい甘さで気持ちをほぐす(朝にも◎)

ダイニングを整え、食の空間を充実させる〜味覚〜

味覚はリラックスに直結する感覚のひとつ。食事をするダイニングは、広さやテーブルの形で味が変わるわけではありませんが、自分や家族が会話をしながら「気持ちよく過ごせるか」がポイントです。視覚や聴覚などの感覚も、食事の満足度や味覚に影響を与えることが示されています。

実例:モノ置きスペースになりがちなテーブルこそ、置きっぱなしにせず片付ける

ダイニングテーブルの上をすっきりさせておくことで、食事の時間に気持ちを切り替えやすくなり、食べることや会話に集中できます。

ほんの少し照明を落とす、好みの香りにする、手触りのいいクッションを揃えてみる。そんな工夫も楽しみながら、ぜひご自分だけの「リラックス空間」を作ってくださいね。

丸 マイ

整理収納アドバイザー、クリンネスト(お掃除スペシャリスト)講師。個人宅の整理収納サービス「mawaru暮らし」主宰。片づけ苦手主婦だった自身の経験から、楽に片づく収納提案を行なっている。ほかにも、子供からシニアまで幅広い層へ片づけや掃除の楽しさを伝える講師としても活動中。