10分こそうじ

ひとり暮らしで無理しない わたしの家事ルール

年に一度の大掃除より、日々の“小”掃除。整理収納アドバイザーとお掃除スペシャリストの資格を持つ筆者が、1日の終わりに10分でできる掃除や片付けのポイントをお伝えします
ひとり暮らしの家事は「実家のやり方通り」でなくても構いません。自分だけの家事ルールを決めてみましょう

この春、進学・就職などで新しく生活の拠点が変わり、ひとり暮らしを始める人も多いのではないでしょうか。ひとり暮らしでは、家事を切り盛りするのは自分だけ。完璧な家事を目指すと、途中で息切れしてしまいます。

今回は、初めてのひとり暮らしで、誰もがぶつかる壁とその解決策を考えてみました。様々なお宅で整理収納アドバイザーとしてヒアリングした経験からピックアップしましたので、参考にしてください。

こんなはずじゃなかった!? 4つの壁

大きな期待とともにスタートした新生活。勉強や仕事と家事をしっかり両立させるぞ! と意気込んだものの、早々に「壁」が立ちはだかります。

  • 時間がない
  • 面倒くさい
  • やり方がわからない
  • 習慣にならない

これらの解決策をひとつずつ見ていきましょう。

時間がない

→【解決】家事にかかる時間を知ろう!

仕事や勉強でゆっくり家事をする時間がない。そんな時は、タイマーを5分にセットし、部屋の掃除をしてみてください。思っている以上に広範囲を掃除できていることに気づくはずです。

キッチンでは、食後の食器やフライパンを洗い、ゴミを捨て、シンクの中まで磨いても時間が余ってしまうでしょう。また、最初は時間がかかっていたことも、何度か繰り返していると短時間でできるようになります。所要時間がわかれば、朝と夜だけ5分間、休日に30分など、忙しい日常生活のすき間に家事を取り入れることができますね。

5分でできることは意外とたくさん。時間を決めて取り組んでみましょう

面倒くさい

→【解決】やらないよりマシ! の考えで。汚れないための「先取り掃除」も

ひとり暮らしでは、やらなくても困るのは自分だけ。親からの小言もなく、ついつい後回しになってしまいます。ですが、汚れやゴミは時間の経過とともに溜まり続け、対処が厄介になります。これまで実家でやっていた(やってもらっていた)家事のやり方が面倒だと感じたら、方法を変えてみて、気持ちを楽にして取り組みましょう。

例えば……

  • 洗濯物を畳むのが面倒→畳まず引き出しに投げ込んで収納
  • 食器洗いが面倒→食器を極力減らして、洗わなければ使えない仕組みを作る
  • 毎日の自炊が面倒→休日にまとめて作り置き(野菜やお肉をカットし冷凍しておくだけでもOK)
  • 掃除が面倒→カビ防止剤を使ったり、コンロ周りに防汚テープ、シンクに撥水スプレーをして汚れを防ぐ
野菜やお肉はまとめてカットして冷凍しておくと楽ちん
予防系洗剤で「先取り掃除」も有効です

実家のやり方通りでなくても大丈夫。できた自分に自信がつき、面倒だと思っていた家事も楽しさに変わるかもしれません。

やり方がわからない

→【解決】同じ世代や境遇の人のYouTubeやSNS投稿を参考にする

自炊・掃除・洗濯などの家事に慣れていない場合は、やり方を知ることから始めますが、数多ある情報からどれを選べばいいか、わからないかもしれません。プロのやり方を参考にするのもいいですが、ベストを目指すと方法が難しかったり、グッズが増えたりして途中で挫折することも。例えば「ひとり暮らし 掃除」などと検索して、同じような環境の中で困りごとを解決してきた人を見つければ、共感しながら参考にしやすいでしょう。

習慣にならない

→【解決】意識しなければできない家事を減らす

「靴を脱いだら揃える」のように、いつもの行動に単純な家事をプラスすることをおすすめします。特に掃除や片づけは、後回しにしがち。お風呂やトイレを使ったついでに、ちょこっと掃除をしてみましょう。

例えば……

  • 浴室から出るついでに、お風呂場全体にシャワーをかけておく
  • タオルを洗濯するついでに、洗面台周りを拭いて洗濯機に入れる
  • トイレに入ったついでに、1カ所ずつ掃除する
  • 食器を洗ったついでに、シンクを洗う

仕事や学校が忙しくなると、家事を面倒に思うのは誰しもあること。自分のためだけの家事は、なおさら億劫に感じます。好きな家具や観葉植物を置いたり、気に入ったモノだけを使うことも、家事をスムーズに進める工夫のひとつです。自分にとって価値あるモノは愛着が湧き、手入れが楽しくなります。新しい生活も様々な工夫をしながら、愛着を持って暮らしたいですね。

丸 マイ

整理収納アドバイザー、クリンネスト(お掃除スペシャリスト)講師。個人宅の整理収納サービス「mawaru暮らし」主宰。片づけ苦手主婦だった自身の経験から、楽に片づく収納提案を行なっている。ほかにも、子供からシニアまで幅広い層へ片づけや掃除の楽しさを伝える講師としても活動中。