老師オグチの家電カンフー

飲み過ぎ注意! 熱燗が魔法のようにはかどる「酒燗器」

カンフーには広く「訓練を積み重ねる」といった意味があります。「老師オグチの家電カンフー」は、ライターの小口覺が家電をネタに、角度を変えてさらに突き詰めて考えてみるコーナーです
ピーコック魔法瓶工業「酒燗器」

いつまでも続くと思われた地獄の酷暑も過ぎ去り、寒さが身に染みる季節となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?

こう寒くなってくると、飲むお酒もビールやハイボールから燗(かん)、つまり温かい日本酒にチェンジしたくなります。

最近は、電子レンジで燗にする人も多いのではないでしょうか。レンジは短時間かつ手間いらずですが、急速に加熱するのでアルコールや香りが飛んでしまいがちですし、徳利もすぐに冷めてしまいます。とはいえ、お湯に酒器を浸けて温める湯煎は、保温は楽なものの手間がかかります。火を見ていないといけないですしね。電気式の酒燗器もありますが、こちらは電源が必要で、食卓の上でコードが邪魔になりそうです。

などと、いろいろ考えた結果、我が家ではこれがベストと思ったのが、ピーコック魔法瓶工業の「酒燗器」です。会社名の通り、魔法瓶構造(ステンレス製真空二重構造)の器にお湯を入れ、そこに徳利を浸からせて酒を温める仕組みです。ちなみに、パソコンの日本語入力(ATOK)では正しく出ませんでしたが、酒燗器の読み方は「さけかんき」です。燗は欄に似た漢字ですが、決して「しゅらんき」じゃないですよ。

魔法瓶構造の本体と徳利のセットで使用する

燗の温度は、以下のように様々ありますが、この酒燗器では最初にお湯を入れる量を変えることで、いずれの温度帯にも約10分で達するように作られています(※室温約20℃で、常温[約20℃]のお酒を規定量まで入れた場合の目安)。

燗の目安温度

・飛び切り燗 約55℃
・熱燗 約50℃
・上燗 約45℃
・ぬる燗 約40℃

内側には入れるお湯の目安が記されている

使う前に気になっていたのは、お湯の温度です。取扱説明書には「わかしたてのお湯を入れる」とあるので、沸騰が前提かもしれません。しかし面倒なので、電気ポットで90℃に保温していたお湯で試してみることにしました。

まずは約45℃の「上燗」から。酒燗器にお湯を注いで温度を測ると既に80℃を切っています。徳利に入れた酒の温度は約23℃(室温も同じ)。そこから時間を計測したところ、9分ほどで45℃に達しました。

さらに95℃で保温したお湯でも試してみました。お湯を「飛び切り燗(約55℃)」のラインまで入れてスタート。今度は7分ほどで55℃を突破しました。

室温にもよるのでしょうが、取扱説明書の目安時間より早めに達する傾向がありそうです。これだけパワフルなら、真冬のアウトドアでも使えそうです。

90℃で保温したお湯を使用したが、約9分ほどで「上燗」の温度45℃に達した
約55℃の「飛び切り燗」も10分も待たずに完成。加減が分かるまではクッキング用温度計があるとベター

そして、徳利からおちょこに注いだ後は、また酒燗器に戻せば温度を維持できます。ただし、ぬるめが好きな人は、熱くなりすぎないよう温度計などでチェックする必要がありそうです。いずれにせよ、1合だけ残ったお酒を燗にしたい場合など含め、クッキング用温度計があるといいですね。

徳利の実容量は約330ml(約2合)とたっぷりなのも、うれしい点です。スーパーで一般的な四合瓶(720ml)だと、約2回分ですから一瞬でなくなります。どうせ燗にするんで冷蔵庫保存する必要はないし、一升瓶(1,800ml)がマストですね。

年末に向けて、お酒の席も増えるかと思いますが、飲み過ぎには注意してお過ごしください(年賀状に「お餅の食べ過ぎに注意」と書いていた小学生の時分からレベルが変わらない)。

四合瓶(720ml)だとすぐになくなるので、ぜひ一升瓶のご用意を
小口 覺

ライター・コラムニスト。SNSなどで自慢される家電製品を「ドヤ家電」と命名し、日経MJ発表の「2016年上期ヒット商品番付」前頭に選定された。現在は「意識低い系マーケティング」を提唱。新著「ちょいバカ戦略 −意識低い系マーケティングのすすめ−」(新潮新書)<Amazon.co.jp>