老師オグチの家電カンフー

本格的な加湿器シーズンを迎える前に、自宅の湿度計をチェックする

カンフーには広く「訓練を積み重ねる」といった意味があります。「老師オグチの家電カンフー」は、ライターの小口覺が家電をネタに、角度を変えてさらに突き詰めて考えてみるコーナーです
タニタのデジタル温湿度計「TT-574」

加湿器が欠かせない季節になりつつあります。我が家もリビングルームでは、とっくにフル稼働ですが、自室(仕事部屋)はまだ稼働させていませんでした。というのも、湿度計を見ると、まだ60%近くあるからです。

一方、リビングの湿度計は、油断するとすぐに40%を切ってしまいます。これは妙だな。自室の湿度計は壊れているのかもしれない。湿度計には寿命があると聞くし、そうだ、壊れたんだ、そうに違いない! と家電量販店に駆け込みました。どうせ寿命があるなら、1,500円ぐらいの安いやつでいいよなとタニタ「TT-574」を購入。

それまで自室で使っていた湿度計は、ThermoPro製。2019年10月に購入した記録があるので、まる6年経過したことになります。新しく買った湿度計と比べれば、どのぐらい狂っているかわかるぞと並べてみました。

しかし、最初こそ湿度は4%ほど、気温も2℃ほどの差があったものの、数十分経つと同じ数値を示しているじゃないですか。その後も、時間差こそあれど湿度の差はだいたい1%に収まります。

タニタの製品の精度が±5%なので、7年目に入ったThermoPro製はほぼ正確な数値を示しているということです。お前、間違ってなかったのか! 疑ってゴメンという感じです。

以前、アナログ式(バイメタル式)の湿度計を使っていたことがあり、それは2〜3年で誤差が大きくなっていました。それに比べると、デジタル式の湿度計は寿命が長い傾向にあるようです。測定スピードも速いですし、日付・時刻表示や、最高・最低表示を備えた製品も多いので、一般的にはデジタル式を選ぶと良いんじゃないでしょうか。とはいえ、デジタル式もセンサーは劣化するようなので、定期的に別の湿度計と比べるなどしてチェックすると良いかもしれません。

ThermoPro製(左)とタニタ製(右)。最初は気温も湿度も差があると思ったものの
時間が経てば、ほぼ同じ数値になる。湿度の変化に対しては、ThermoPro製の方がスピーディーな傾向がある

さて、リビングと自室の湿度差ですが、これは空間の広さや窓の大きさの違いなど、様々な要因が考えられます。ひとつ考えられるのは、気温差です。空気に含まれる水分の量が同じなら、気温が高いほど多くの水蒸気を含むことができるため、相対的な湿度は下がります。

エアコンの暖房を使うと湿度が下がるのは、このためです。自室は北側にあり、南側のリビングに比べるとかなり寒いので、これも湿度の差の原因かもしれません。試しに、エアコンで気温を3.5℃上げてみたところ、湿度が8%下がる結果となりました。それでもまだ50%台あるので、まだ加湿器をフル稼働させるほどの乾燥具合ではないと思われます。

エアコンで気温を17℃から20.5℃に上げたところ、湿度は59%から51%へと8%下がった

ちなみに、湿度計を使わずとも、敏感に空気の乾燥を察知するのは、自身の顔だったりします。

肌がカサカサしてくると、いよいよ冬だなと。屋内は加湿器で対応できますが、外だとそうもいかないので、最近は化粧水を使うようになりました。齢50半ばにして初めての化粧水です。

いくつか試したところ、富士フイルム「アスタリフト メン モノム」が良い感じでした
小口 覺

ライター・コラムニスト。SNSなどで自慢される家電製品を「ドヤ家電」と命名し、日経MJ発表の「2016年上期ヒット商品番付」前頭に選定された。現在は「意識低い系マーケティング」を提唱。新著「ちょいバカ戦略 −意識低い系マーケティングのすすめ−」(新潮新書)<Amazon.co.jp>