老師オグチの家電カンフー
酒を飲んだら血中酸素濃度をチェックして二日酔い予防!?
2020年10月7日 08:00
病院で指に洗濯バサミみたいな機械を付けられたことはありませんか?
あれは、パルスオキシメーターという名前で、動脈血の酸素飽和度と脈拍を測定する機器です。酸素飽和度は病状の重症度を判断するのに有効で、採血することなくそれを測れるパルスオキシメーターは、医療の現場で幅広く使われています。
新型コロナウイルスが流行し始めてからは、感染者の肺炎を早期発見するツールとしても活用されています。ただし、一般人が使用すること自体に問題はないのですが、感染の有無を判断できるものではありません。診断はお医者さんにまかせましょう。
一時期は品薄で高額な転売価格が付けられていましたが、このところ値段も落ち着いてきたのでネタとして買ってみました。
パルスオキシメーターで測る血中酸素濃度は、「SPO2」と呼ばれパーセント表示されます。「一般的に96~99%が標準値とされ、90%以下の場合は十分な酸素を全身の臓器に送れなくなった状態(呼吸不全)になっている可能性がある」(一般社団法人 日本呼吸器学会)とのことで、測るのはいいけど、診断はお医者さんにまかせましょう(大事なことなので2回言いました)。
「体調の浮き沈みが計測されたら面白いな」と思って買ったのですが、実際に測ってみると、いつも98%か99%。たまに97%以下になることはあっても、すぐに99%に戻る。健康の証なのかもしれないが、正直あんまり面白くない。こりゃ原稿にはならないなと思っていました。
しかし、飲み会から帰宅して測ってみたところ、97%の数値が出るじゃないですか! お酒を飲むと血中の酸素濃度は低下するのか……。そういえば、受験生の娘がトイレのホワイトボードに書いていた化学式を思い出しました。
エタノール(C2H5OH)
↓(酸化)
アセトアルデヒド(CH3CHO)
↓(酸化)
酢酸(CH3COOH)
アルコール(エタノール)は肝臓の中で酸化することで無害な酢酸になり、その後、二酸化炭素と水になります。この酸化が弱いと、有害なアセトアルデヒドが残り、二日酔いの原因となるわけです。
そもそもアルコールが血中にあると溶け込める酸素自体が減るそうですし、さらにアルコールを酢酸にするために大量の酸素を必要とするわけです。アルコール約50g(ビール約1.2L分)を完全に分解するには、約100gの酸素が必要だそうです。100gの酸素は体積にすると約70Lですね。
まずは、ゆっくりめに深呼吸を何度かしてみました。数値は97%と変わらず。次に酸素缶を吸入すること10回ほど。直後は99%にアップしましたが、すぐに97%に戻ります。酸素缶の充填量は5,100mlとありますから、さっきの70Lには遠く及びません。しつこく深呼吸を続けて、30分ほど。98%で安定するようになったので眠ることに。
酸素吸入のおかげか、二日酔いはまったくありませんでした。効果はともかく、自分がどのぐらい酔っているかの目安にはなりそうです。今度、飲酒でどこまで数値を低められるか試してみます(オイ!)。