老師オグチの家電カンフー
アマベス(Amazonベストセラー)という新定番と、その落とし穴
2018年8月22日 06:30
シャワートイレが壊れたので買いました、Amazonで。安いやつでいいや、と「ベストセラー」表記されている東芝の製品にしたのですが、価格はなんと13,980円(2018年8月17日現在)。Amazonベストセラー、略してアマベスは、検索した際に上の方に表示されますし、安くて評価が高いので、知ってか知らでか購入している人も多いのではないでしょうか。
巨人Amazonのアマベスこそが、真の売れ筋商品かもしれません。メディアが紹介する売れ筋や定番よりも、実体を伴ってそうです。というわけで、自称アマベス研究家のオグチが、家電カテゴリーにおけるアマベスの特徴と、その落とし穴について語ってみましょう。
どんな商品がAmazon のベストセラーになっているのか
基本、ベストセラーには価格重視の商品が入ります。生活家電の場合は、2番手、3番手のメーカーの製品が目立ちますし、トップシェアのメーカーでもミドルクラス以下、型落ち製品が入るケースが多い。
先のシャワートイレにしても、TOTO、INAX(LIXIL)、パナソニックはメジャーですが、「東芝作ってるんだ!?」って印象ですよね。しかも、このモデルはヨドバシ.comなどでは、すでに販売終了しています。テレビには出ていない人気芸人みたいな商品です。他の商品を挙げてみましょう(価格はすべて2018年8月17日現在のもの)。
オーブントースター
炊飯器
キャニスター型クリーナー
冷蔵庫
洗濯機
エアコン
ノートPC
アクションカム
いくつかは、意外なメーカー・製品だと思われなかったでしょうか。冷蔵庫の中で小型モデルが、エアコンで窓に取り付けるモデルが売れているのは、家電量販店や街の電気屋さんに比べて設置サービスなどが手薄だと思われているためでしょう。
もちろん、すべてのカテゴリーでこうした傾向があるわけではなく、一眼レフカメラならキヤノンの「EOS Kiss」であったり、一般的な売れ筋がベストセラーになっていることもあります。
ベストセラーの表記は当然変動しますが、マイナーな製品であっても注目されますし、売れることで長期間その座を維持する商品も珍しくありません。値頃で、多くの人が買っているという安心感からでしょう。そして、購入の際に参考になるレビューの数も、ベストセラーでは多く付きます。シャワートイレや窓用エアコンなど、自分で取り付ける必要がある製品では、FAQ的な役割をも果たしているのです。
アマベスの落とし穴「価格変動」
ベストセラーになっている商品なら安心だね。そう思いがちですが、注意も必要です。それは、Amazonは販売価格の変動がえげつないくらい激しいからです。つまり、低価格で売れてベストセラーとなっても、今安いとは限らないのです。
顕著なのはプリンターです。キヤノンのインクジェットプリンター「PIXUS iP2700」は、3,000円前後の価格で非常に売れました(最安値は500円台!)。「インクより安い!」と話題になったのですが、数日前までは1万円を超えていました(現在は9,900円)。ベストセラーに限らず、供給量の少ないアイテムも価格変動が激しいです。いきなり3倍ぐらいの価格になることもあります。
まぁ、アマゾンは川ですから、水位が大きく変動します。上流で大雨が降っているのに気づかないと、被害を被ることもあるのです。相場観がわからない商品については、他のECサイトと比較するなどした方が無難ですね。